2013年12月1日日曜日

グループ模擬授業1

昨年と変えて、新しい試みを始めました。理由は、もっと「教える」機会が欲しいという要望からです。どうしたら短い授業スケジュールの中で多く「教える」機会を取り、また、授業を観察し、省察を促すようにできるか、ということを考えました。

それが、今回のグループ模擬授業となりました。今回が第1回目です。

以下は、笹島が見たグループの授業の感想です。

1 O先生の授業
よく準備してあり、授業の流れもスムーズでした。英語も適切な使用をしていて、自然でした。やりとりが自然で、こんな授業はいいなと率直に思いました。ぜひ先生として教壇に立ってもらいたいと思います。

中学校3年生を想定した授業でしたが、生徒があまりにもスムーズに反応してしまうので、それに自然と反応してしまったようです。実際に中学校3年生を教えた場合は、たぶん異なるでしょうが、それに実際うまく対応できるかどうかです。そのために大切なことは、中学3年生のごく普通の生徒は何が分かっていて何が分かっていないのかをきちんと理解しているかどうかにかかります。教育実習などではその点を十分配慮できるかどうかが授業の善し悪しのポイントです。O先生が何気なく言った言葉がちょっと気になりました。「これはそれほど難しくないですね?」というようなさりげない言葉ですが、生徒がそう思うかどうかは別です。

指導案をざっと見ると、既習事項と新出事項が多少不明確だったようです。May I〜? Could you〜?は復習事項ですから、「導入」ではなく「復習」です。そうすると新しい学習項目は何か?となります。教材を見ると、コミュニケーション活動をすることが本時のポイントのようです。これが新しい学習事項だとすると、使う語句の理解の確認と練習をして、電話でのコミュニケーション活動がうまくできるようにする必要があります。また、Do you want me to 〜?という表現を新出の学習ポイントとすると、そのことを明確にして、PPPをしなければいけません。O先生の意図もそこにあったと思います。指導案にそのことを箇条書きで明確にして示すことで、たぶんその問題は解決するはずです。この先、ぜひその点を考えてください。

それでも、全体的に丁寧に教えようとする姿勢がよかったと思います。4回の授業の中で自分なりに授業というものを理解でき、改善しようとする気持ちがあれば、よい先生になると思います。

2 S先生の授業

同じく3年生の授業でした。多少の誤りをありましたが、全体的によく工夫していて、生徒は喜ぶと思います。O先生と同じですが、「復習」ということをもう少し意識して、生徒はどのようなことを学んでいて、これから何を学ぶのかを明確にしたほうがよいということです。教科書の内容に焦点を当てることはとてもよいことですが、言語についても、英語教師としては細心の配慮をする必要があります。Have you played〜?などの現在完了を使って発話することは、ふつうの中学生にはかなりむずかしい活動です。既習事項としても、丁寧な準備と練習が必要です。

教育実習などの授業案の作成は、自分のためでもありますが、指導の先生にも分かるようにしなければいけません。「導入」としてあるところは「復習」です。「展開」としているところが「導入」と「展開」です。ここはもう少し詳しく分かるよに書かないといけません。箇条書きがよいでしょう。指導案を書くときと、教材を作成するときは、もう少し注意して確認するようにしたほうがよいでしょう。教師としては、間違ったことを教えてしまうことは避けなければいけません。生徒からの信頼を失わないように注意しましょう。

S先生の授業のアイディアはとてもよかったです。その観点は忘れないようにしてください。教師が一生懸命工夫して教えると、多くの生徒は意欲が出てきます。生徒が意欲を出せば、生徒もアイディアを出します。そういう生徒の意欲の取り入れて、先生も一緒に学ぼうとする姿勢を見せると、授業は何をやってもうまくいくでしょう。でも、工夫を忘れるとあっという間にだめになります。注意しなくてはいけないのは、いろいろと工夫しようとすると、自分で分からないことが多く出てきます。その点には注意しましょう。

S先生も、私が見る限りいい先生になります。4回の模擬授業の中で多くのことを学び、また、他の人の授業に参加して、いいところをどんどん取り入れて、自分の教え方を考えてください。止まってはだめです。

3 K先生の授業

K先生も、英語を適切に使っていたと思います。やりとりも自然でよいでしょう。高校1年生を対象とした授業です。ただ指導案は問題が多いので、教育実習前に指導案の書き方はきちんと基本をおさえるようにしてください。おそらくざっと書いて見直ししていないようです。これは問題です。それが授業にも出ています。

授業のやりとりは自然なのですが、人数が30人〜40人になると、異なるやりとりになります。その際には、ある程度きちんと英語を使う必要が出てきます。また、授業の流れもきちんとしなくてはいけません。そうすると、目標設定は不明確です。何を教えようとしているのかがよく分からなくなります。授業のやりとりは問題がなくできているければ、その活動は一体なんなのか?語句や文法といった言語材料は何を教えているのか、ガリバーの内容の何が理解できることが大切なのか?など、個々のアイディアはとてもおもしろいのですが、授業の指導ポイントは何かが分かりにくいということになります。

そのようなことは、すべて指導案の作成があいまいであることに原因があります。教え方はあまり問題はないので、これから、他の人の授業を見て、よく「教える」ことを考えてください。短絡的な解決は危険です。なんでも適当に解決しようとするところに進歩はありません。ほんとうに教師を目指すとすると、K先生がよい先生になるかどうかの分岐点はそこにあります。

4 M先生の授業

M先生はよい雰囲気を持って、落ち着いて指導しました。Writing活動を展開しましたが、実際には、もっとていねいにWritingは指導する必要があります。中学生には、もっと言語材料を提供し、細かい指導をしなければ、そう簡単にさっと書けません。ワークシートに手紙の書き方を説明しただけでは、設定した課題の内容を書けるのはごくわずかの生徒でしょう。モデルを示し、練習をして、必要な語句や文法の理解を確認し、ある場面設定の上に手紙を書き、発表する場合も、その意味を考える必要があります。発想はおもしろいので、ぜひその辺りを反省して、考えてください。

問題は、やはり指導案にあります。まず「復習」がありません。前の授業までどのようなことを生徒が分かっていて、この活動をするために、何が分かっているのかをきちんと「復習」しなければいけません。新出事項は何かということがよく分かりません。そこは模擬授業ではやらないとしても指導案にはそれを書いておく必要があります。おそらくそこはあまり考えないで、手紙を書くという活動だけに焦点を当てたと思います。

模擬授業で、生徒に手紙を書かせる時間をとってしまうと楽ですが、実際の授業の練習としてはあまり意味がありません。手紙を書かせ、それを発表し、さらにその内容を他の生徒に質問するという活動はおもしろいかもしれませんが、コミュニケーション活動としては果たしてどの程度の意味があるのかを、ちょっと考える必要があります。

また、用意されたワークシートなどには多くの間違いがありました。他の人にも見てもらうことを、みなさんにはお願いしました。おそらく誰にもチェックしてもらっていないのではないでしょうか?人間はだれでも間違いをします。実際の授業では避けなければいけません。

いろいろと書きましたが、生徒とのやりとりや授業に対する考え方は正しいと思います。これからもっと自分なりに考えることで随分変わると思います。教育実習までによく研究してください。

本日がはじめてだったので、多々課題がありますが、4人の先生はみなさんよかったと思います。これからですから、他の人の授業を見て、自分の授業を振り返ってください。そこが一番大切です。

これから授業をする人へお願いです。次のことは必ず事前にきちんと行なってください。

1 指導案作成の際

次の項目を必ず入れてください。

対象生徒の学年
教科書名
教科書のどの単元、ページ
配当時間 
本時の位置づけ 前回どのようなことをやって、本時はどこを教えるのか、など。

目標: 言語材料の目標(語句や文法項目) 
    知識、文化、活動の目標

指導手順は、箇条書きで誰が見てもここで何をするのかをきちんと具体的に書いてください。
たとえば、「挨拶」ならば、どのような挨拶なのか?
必ずではありませんが、「復習」項目を入れてください。つまり、次のような構成にしてください。

挨拶・ウオームアップ
復習
導入(語句、文法、知識、技能など具体的に)
展開(語句の練習、文法理解のための活動、教科書内容の理解、コミュニケーション活動など)
整理(ノートを取る、まとめ、宿題)

2 教材は必ず用意して配布してください。
  授業前に前に置いておいて、各自に取ってもらってください。
  ワークシートは、誰かに必ず見てもらい、誤りを訂正してください。

3 必ずだれかを対象に練習して、アドバイスを貰ってください。

以上です。次回も期待します。ありがとうございます。