模擬授業4回目
授業というのは一つとして同じ授業はありません。理由は、簡単です。同じ指導案で授業を展開しても、授業者、生徒、環境など、複雑な要素が多いからです。これを科学的に一定の法則で一律に展開しようとしてもなかなかうまくいきません。特に英語授業はその要素が高いです。
授業の対象は生徒(学習者)です。生徒がいなければ授業はありません。さらに、教師がいなければ授業にはなりません。さらに、授業のエイジェント(agent)である教師が重要になります。というわけで、どの授業も興味深いです。
しかし、実際に授業を受ける生徒は、そんなことを言ってられません。一生が決まるかもしれないので、できるかぎり質のよい学習を提供することが教師の重要な役割だと思います。そう考えれば、いい加減な授業をすることは問題だと思います。
さて、以下、感想です。
9 NR先生の授業
模擬授業の際にも言いましたが、NR先生は教師として信頼される先生になるのではないでしょうか。教師は目指さないみたいですが、向いていると思います。しかし、たぶん、そのような意識が模擬授業にも反映したように思います。気持ちが入るか、入らないか、で、結果はかなり違います。授業は、実技科目ですから、練習や準備、計画やシミュレーションがどの程度できているかが、授業の良し悪しを決めます。指導案や授業展開でもその点があまり見られませんでした。
ただよい面もありました。たとえば、新語の導入と練習の活動はとてもおもしろい工夫です。このアイディアはとてもよいと思います。このようなアイディアが出るということが、教師としての向き不向きの一つです。その点で、NR先生は向いています。Santa Clausへの手紙もよいアイディアです。しかし、中学校1年生にはもっとていねいな指導が必要です。また、教科書題材をきちんと学ぶことも大切なことです。教科書の内容もそれほどつまらない内容ではありません。オーストラリアのクリスマスはどうなのか?などもこの時期興味あることではないでしょうか?クリスマスの手紙ならば、そこに至るプロセスも大切にしなければいけません。
ていねいな指導というのは、教師の最も大切な考え方だと思います。これは、本当に目の前に生徒がいる場合に発揮される資質です。教育実習に行って、生徒を目の前にしたときに、多くの人がそれを感じます。感じない人は教師はやめたほうがよいでしょう。NR先生はこれもできると思います。この授業ではその点が表れませんでした。でも、たぶん人は好きなのだろうと思います。その場にならないとやらないという人はけっこういます。練習は好きではないければ、試合は好き、というような人です。そういう人は、試合で負けると気づいて、練習をやり出します。負けたくないからです。
教えるということは、テクニックもありますが、そのようなことの連続です。けっこうおもしろい仕事です。お金はもうからないかもしれませんが、喜びも多い仕事です。NR先生の授業を見て、そんなことを考えました。
ありがとう。
10. KK先生の授業
インタビューの活動はとてもよく準備してあり、また、考えていて、よかったと思います。実際の中学3年生ではさらに細かい準備が必要でしょうが、一度試みると次にどうすればよいかがわかるようになります。インタビューの設定も余分に用意した点も絶対に無駄にはなりません。教師のおもしろさの一つです。反省もあると思いますが、努力は必ず報われます。実際に教師になれば、そういう先生は必ず慕われるでしょう。
このようなコミュニケーション活動は、まず設定が大切です。実際のコミュニケーションの際に活かせるかどうかということが第一です。不自然なコミュニケーションだとうまくいきません。次に、練習です。生徒がきちんと理解して、英語がすんなり出てくるまで練習することです。それと、このような活動は、教科書の題材とうまく関連する必要があります。インタビューということでは関連するのですが、設定などがアグネス・チャンのテキストとはあまり関連していないような気がしました。
指導案の構成で、教科書のテキストがどう指導されるのかがよくわかりませんでした。授業のときにも言いましたが、やはり教科書があれば教科書の題材をただ説明するだけというわけにはいきません。教科書題材の理解と定着が基本としてあって、インタビューの言語活動があります。いきなり言語活動とはなりません。模擬授業だからそうしたということだと思いますが、模擬授業の目的は、あるレッスンを数時間かけて指導し、その全体のシラバスと、本授業の展開を考えることです。この計画を、教育実習ではきちんとやらなければいけません。その練習が模擬授業です。
私は、模擬授業で「活動の場面をしなさい」とは言っていません。「模擬授業の20分間では、自分がやってみたいところをやってください」というような趣旨のことを言ったと思います。その前提には当然50分の授業展開をきちんと想定することです。これは、教育実習でないとできないかもしれませんが、この授業で練習しておくことは重要です。
KK先生は、インタビュー活動を選択して、準備して、実施しました。生徒からのコメントにあったように、好評でした。成功の要因はていねいな準備です。これはとても大切なことで、これからもその姿勢を忘れずに追求してもらいたいと思います。ここからどう考えるかが最も大事でしょう。
さいごに、私だったらこの授業をどうしますか?と尋ねられました。わたしは、アグネスに焦点を当て、彼女の生き方に焦点を当てます。香港から日本に来てアイドルとなり、アイドルだけではなく、勉強して博士号をとって、ユニセフなど活発に活動しています。女性としての生き方も尊敬できるところがあります。中学生にもその点を指導して、友達同士で意見を聞き会うような活動にしたいと思いました。たとえば、What do think about Agnes? What do you want to be in the future? Do you want to study abroad like Agnes? などなど。
ありがとう。
次も期待します。何度も言いますが、授業を互いに見合うことにより、英語授業を考えることがこの授業の目的です。