2018年1月6日土曜日

模擬授業7回目

このブログもこれでさいごです。殴り書きであまり身のある内容ではないかもしれませんが、私の模擬授業観察の記録としてずっとメモしてきました。それぞれの人の省察に多少参考になればありがたいと思っています。

それとともに、結局は、私自身のふりかえりでもあり、思考でもあるので、教師として、教師教育者として何十年もあまり進歩もなくずっと考え続けていることを、皆さんの模擬授業を通してreflexiveしている訳です。

多少でも、私が考えていることを理解してくれる人がいればうれしいですが、そうはなかなかいきません。それでも楽しい模擬授業でした。それではコメントです。

模擬授業17

Hくんの授業でした。年明けのせいもあり、教育実習も終わっていることもあり、ちょっと準備不足の授業でした。「教える」こと自体には何も問題もなく、仕事で英語を指導するという場面があればうまくできると思います。

中学校2年生を対象にしたWritingの指導でした。「メールを書く」というタスクを授業で行うという設定で、教科書に沿って授業を考えました。実際に生徒を前にしたときは多分丁寧に教えられると思います。無難な授業でした。逆に言うと、あまり面白みがない、工夫がない、ということになります。

Writingの指導はおそらくもっとも重要ですが、面倒な指導です。教師は嫌がります。手がかかるからです。生徒に何か書かせてそのままにしてしまうと、生徒の満足度は結構低くなります。逆に、すべてを直してしまうと、これもあまり効果がありません。自由に書く活動は後始末が大変です。制限してしまうと面白みがありません。


Preparing to write
Writing for fun
Correcting students  writing 
https://www.teachingenglish.org.uk/sites/teacheng/files/B127c%20A1%20TE%20Staff%20Room%20Posters%207.pdf

上記のように書く指導にあたっては、準備、書く意欲、適切なフィードバックが大切です。

授業ではもう一つのテーマで日本語を紹介するというタスクです。これは結構面白いテーマで、メールで日本語を説明するというのは実践的なアイディアで、文化間理解を考える上で重要なテーマです。私の別のブログで扱っています。

http://englishforicc.blogspot.jp

Hくんの授業内容はかなり多くの重要なテーマを扱っています。いろいろと考えさせられました。ありがとう。

模擬授業18

Aくんの授業は、アイディアはおもしろいが、ちょっと乱暴でした。模擬授業だから、ということでしょう。指摘にあったように、実際に中学校3年生を教える場合、そうはいかないですね。丁寧に指導することが大切です。ただし、発想はおもしろかったですね。勉強になりました。実際に教師として熱心にやっていて、生徒の信頼を得ている人は、

おもしろい
わかりやすい
相談しやすい
知識が豊富
英語が上手
丁寧
誠実

などなどが基本的な要素です。好き嫌いは様々ですが、Aくんの特徴は、発想が豊かだということでしょう。おおらかな点が良いと思います。「まずやってみよう!」ということです。実際の授業では、生身の生徒には、丁寧な教材研究が必要です。語句の発音、意味、文法指導、音読指導などなど、実際の中学校3年生は、高校受験なども控えていますから、気をつけなければいけません。また、授業では、かなり多くの英語の誤りがありました。ほとんどがきちんと時間があれば気がつくものです。気をつけましょう。

Aくんの授業は、いろいろと問題もありますが、とりあえずおもしろい試みが多かったと思います。その意味から興味深い授業でした。最近の教員養成や研修の世界的な流れは、

Reflective teaching: Exploring our own classroom practice


Reflective teaching means looking at what you do in the classroom, thinking about why you do it, and thinking about if it works - a process of self-observation and self-evaluation.

結局、自分で考えることです。

ありがとう。

模擬授業19

Iさんの授業は中学校3年生で、やはり教科書に忠実に指導したと思います。自分で教えてみて、どうでしょうか?面白かったでしょうか?分詞を理解することが、主たる目的の活動です。いわゆる文法シラバスであり、分詞を理解するという目的のために、英語を学ぶという伝統的な考え方です。一つの常識のようになっていますが、さてそうでしょうか?

本時の目標に、学習指導要領への言及がありました。そこでそのことについて触れます。学習指導要領では、文法について次のように書いてあります。

  • (4) 言語材料の取扱い
    • ア 発音と綴(つづ)りとを関連付けて指導すること。
    • イ 文法については,コミュニケーションを支えるものであることを踏まえ,言語活動と効果的に関連付けて指導すること。
    • ウ (3)のエの文法事項の取扱いについては,用語や用法の区別などの指導が中心とならないよう配慮し,実際に活用できるように指導すること。また,語順や修飾関係などにおける日本語との違いに留意して指導すること。
    • エ 英語の特質を理解させるために,関連のある文法事項はまとまりをもって整理するなど,効果的な指導ができるよう工夫すること。

文法は用語や用法の区別が中心とならず、コミュニケーションを支えるものとして取り扱うということです。どう解釈するかは、教師の裁量です。また、参照した部分は、言語活動です。つまり、Iさんは言語活動を目標として授業を組み立てたということです。

  • 2 内容
    • (1) 言語活動
       英語を理解し,英語で表現できる実践的な運用能力を養うため,次の言語活動を3学年間を通して行わせる。
これは、最初の挨拶から展開に至るまできちんと考えられていたように思います。ただ分詞にそれほどにこだわる必要があったかどうかは多少考える余地があります。

Practiceの部分の英文を完成させる問題は、コミュニケーションの場面を設定して、教科書に示されている活動のほうが適切で、その確認として、書く活動をすることは大切です。語句を並べ替え、実際の授業は、その語順などの理解を確認する必要があるでしょう。

あとは、教科書教材の内容にもっと焦点を当てたほうが面白かったと思いました。

鳥獣人物戯画は、本文にある通り、漫画と繋がります。日本について話しましょう。ですから、分詞を使って文を作って、それを使って活動となると、適切で丁寧なpresentationとpracticeが必要です。これは以外に手間のかかる準備が必要です。うまくやればおもしろいですが、生徒に丸投げとなると難しでしょう。かと言って、あまりパターンを決めてしまえば面白みがありません。

それよりは、「言語活動」をすることが大切なので、鳥獣人物戯画に焦点を当てて、「〜を探せ!」「どんな鳥獣人物がいるのか?」「それぞれが何をしている絵なのか?」など、というような活動をするほうが、グループ活動としても興味が湧くのではないでしょうか?あまり文法文法にこだわる必要はなく、言語活動をして、英語が使えるようになることが大切です。

文法については、学習指導要領にあるとおり、何らかの形で求めて整理する時間を作ることが大切で、宿題にしても良い活動です。

Iさんの授業は、人柄が顕された丁寧な印象を受けました。その分、もっと冒険しても良いと思いました。ありがとう。

さて、これで今回の19人の人の授業が終わりました。また、これで、このブログでの授業観察は終わりです。

Classroom Observation in Teaching Practice

この授業でやってきたことは授業観察です。みなさんが、どう自分も含めて19の授業をどう観察して、どう考え、どうふりかえったか、が、この授業の良し悪しを決めます。

私がうんちくを語っても、あまり意味がありません。また、この授業は、教師にならない人にはなんの意味もないかもしれません。が、それはその人次第です。

何か意味があれば嬉しいと思います。

2011年から都合7年間けっこう勉強になりました。皆さん、ありがとう。実際に先生になった人もいます。たまに連絡してくれる人もいます。みなさんの将来に期待してます。

授業が成功したかどうかは、指導した生徒のフィードバックです。そのために教師はいろいろと工夫します。その工夫は楽しみです。

これでこのブログはおしまい。

授業は、来週総復習で、さいごは、みなさんのレポートをまとめの提出とフィードバックです。

では。乱筆乱文ご容赦ください。