2015年11月21日土曜日

模擬授業4

やはり「見て、考える」ことで少しずつ授業が進化していきますね。面白いアイディアが出てきて、工夫してきました。それとともに、みなさん、自分の強い思い込みや自身の経験からは出られないということもよくわかります。それは悪いことばかりではありませんが、教師としては、自分の思いや信念(beliefs)というものが他者(生徒)にもどの程度うまく伝わり、共感を得られるかが、鍵だと思います。

このような授業を、肯定的に捉え、しっかりと自分自身の思考(teacher thinking)と省察(teacher reflection)に生かし、教える知識(teacher knowledge)を高めるために、生かしてほしいと思います。効果的な「学びの共同体(community of learning)」としてください。さて、感想です。

9 AK先生の模擬授業

生徒との英語でのやりとり(interaction)がうまくできていました。Fair Tradeに関して簡単なやりとりがありましたが、あのあたりをもっと練習すべきだったと思います。ワークシートには説明がありましたが、中学生にとってはやはり教師による興味や理解の支援が必要です。教科書の題材としてもそちらの方に重点を置いているのではないかと思いますが、添えられた資料にはそれがないのでよく分かりません。私が教師だったら、文法にばかりこだわらず、Fair Tradeのことなどの理解をふくらませて活動を考えます。

AK先生は、教えることの中心は文法にあると考えているようです。現在完了の経験に焦点を当てました。生徒とのやりとりを上手にしていたのですが、基本は文法構造の説明となり、文法構造の定着を図る練習です。指導案もほぼそのように構成されていました。文法構造に焦点を当てるとなると、Focus on formの考え方を取り入れると、場面や状況をもっとうまく設定する必要があります。Have you ever 〜?だけの練習だと、学習者は、everがいつも必要だと思ってしまうかもしれません。また、継続、経験、完了というような意味の違いも決して明確ではありません。現在完了という時制の理解を長い時間かけて学習する機会を授業で提供することを心がけたほうが、生徒には親切なのではないでしょうか?

生徒との英語のやりとりがうまくできるので、文法や語彙や発音の細かいことばかりを教えることを考えず、広くコミュニケーション能力としての文法や語彙や発音の指導を工夫すると、もっと生徒にとって役立つ授業が展開できると思いました。授業では取り上げられませんでしたが、ワークシートの内容はとても面白くできていました。中学生にはむずかしい内容ですが、授業展開では、ワークシートの内容をもっと中学生でもできるように、また、焦点を当てている文法項目が活用できるように工夫するといいでしょう。

Fair Trade: http://schools.fairtrade.org.uk/resources/lesson-kits

ありがとう。

10. SN先生の模擬授業

英語で授業をするという姿勢は大切です。うまくできました。ポリシーとして「英語で教える」という気持ちをもって授業をすることは、生徒にとっては大きな刺激となります。世界のあちらこちらへ行っていろいろな先生に会うと、「英語で授業をする」と決めて、授業をしている人も多いです。日本ではそれが不自然なように受け取られがちですが、かえって「英語の授業は英語でする」が自然です。ただ大切なことは生徒が英語が理解できない場合にどうするかでしょう。一般的に言って、生徒がわからないのに英語だけで授業をするのは無理だと思います。母語は当然必要でしょう。SN先生は、自然な感じで生徒と英語でやりとりしていました。上手です。特に、ちょっとむずかしい表現が出てきた場合に、上手に言い換えたり、意味の近いことばを使っていました。これは、communication strategiesと呼ばれているコミュニケーション能力の一つです。教師がこれをうまく使うと生徒も理解できるようになり、コミュニケーションは円滑にいきます。SN先生は上手でした。

ちょっと残念だったのは、当初指導案を見せてもらったときにも指摘したような気がするのですが、生徒の活動です。先生がしゃべり過ぎてしまいました。でも、これは模擬授業ですから、よい練習になったのではないでしょうか?実際の授業では、もっと生徒の活動、生徒の発話に工夫すべきでしょう。大学生でも少し詰まっていましたから、高校生ではなおさらです。

挨拶を文化とからめて展開した点はおもしろかったです。生徒にもっと考えさせて、みんなが発言できるようにできたらうまくいくのではないでしょうか?生徒に無理やり英語だけを強制することなく、日本語でも答えてよいというような雰囲気を作ると、先生が英語で話し続けることの意義が出てきます。これって、CLILです。SN先生が興味を持ってくれるとうれしいですね。

指導案全体はちょっと問題があるかもしれません。やはり教科書題材の理解と習熟が第1ですので、それに授業活動をうまく組み合わせる必要があります。今回は一つの実験として評価に価すると思いますが、授業展開については、まず基本をおさえるようにしてください。

ありがとう。

11. SM先生の模擬授業

SM先生も自然な英語の使い方をしていて、私は好きな感じです。実際の高校生でもうまくいくのではないかと思います。大切なことは、ことばを大切にすることと、ことばを意識することだと思います。日本でよく批判される英語教育は、あまりにも知識の正確さに焦点を当てることです。また、授業自体が、文法の細かい知識の蓄積と正確な意味の理解です。それが英語でも日本語でも要求されるので、あまり勉強が好きではない学習者は嫌になってしまいます。また、逆に、コミュニケーションができればいい加減な英語でもよいという指導も批判されます。その点、SM先生は、英語と日本語をきちんと分けて考えるという展開を授業に取り入れようとしました。つまり、目標や活動を生徒に見えるようにしている点でよいと思います。

英語での活動では、特にsmall talkがよかったです。高校生にはもう少しサポートなり、練習が必要ですが、授業でこれがうまくできたら生徒にとっても有益ではないでしょうか?あるタスクがいつも設定され、機械的に何かの目的のためにだけ活動し、評価を気にするよりも英語を使うという目標のためには、このような活動が大切です。最初は、先生がうまくsmall talkをモデルとして示し、そこで使われた表現をまねて、生徒同士でできれば自然なコミュニケーション活動ができるようなイメージを持ちました。

単語のおぼえかたなどの学習方法(study skills)を指導することも教師にとっては重要な仕事です。模擬授業や教育実習では短絡的な指導をせざるを得ませんが、教師にとって最も大切なことは生徒の学習支援です。生徒が自分で学習できるように促す道筋を作ることです。これは、学習者の自律(learner autonomy)として、一つの大きな目標です。SM先生は、日本語でそのことに触れました。よいことだと思います。word formationはprefix, suffixなどの用語を使わなくても具体的に例を示して指導し、推測させることで、興味をおぼえるでしょう。このような学習活動も大切です。

乱筆乱文ですみません。そろそろ出かけなくてはいけません。

World Association of Lesson Studies (Wals 2015)

おもしろい学会です。

一つ言い忘れました。この模擬授業はうまく行ったか行かないかということより、みなさんがこれらの活動を通じてどう考えたが重要です。そのことを忘れないでください。ということでレポートが最も重要です。それがなければこの授業は無意味です。

よろしくお願いします。


2015年11月16日月曜日

模擬授業3

模擬授業も3回目です。授業をした後に直接いろいろと話ができるともっと効果的に授業について考えることができると思いますが、ブログだけだとやはり伝わりにくいです。

現在の言語教育の世界的な流れは、やはり、Communicative Language Teaching (CLT)です。学習者が英語を学ぶ目的は、「英語が使えるようになりたい」です。では、どうするか?ということになります。

それともう一つ考えていただきたいのは、授業の主役はだれかということです。教師ではないということです。もちろん生徒が何をどう学習したかです。生徒役をしている人は、自分が中学生や高校生の立場にたってどの程度考えらえるかがポイントです。自分だけの経験で授業を考えることは危険です。また、頭の中だけで考えた授業もうまくいきません。実践あるのみです。実践してうまくいかないことをどれだけ修正していけるかが、みなさんが「よい教師」となれるかどうかのカギだと思います。

さて、感想です。

6. AM先生の授業

AM先生が実施しようとしたことはよくわかります。発想もおもしろいし、個性豊かで、もっと工夫すると生徒にとっておもしろい授業になるでしょう。問題は、おそらく練習していない、つまり、シミュレーションしていない、ということにあります。これはとても危険です。教育実習では避けるべきです。その点は、実際に授業をしたAM先生が一番よく分かったでしょう。生徒ととのやりとり(interaction)があまり活発ではなく、生徒に「はい、やって!」となりました。

Keep writing (Which color do you like best?)は、おもしろい活動ですが、設定をもう少し明確にしないと高校生は書けないでしょう。書いた内容をペアで共有するとしましたが、もしそうであれば、コミュニケーション活動として、どうペア活動をするのか示す必要があります。また、書いた内容には間違いが当然ありますから、そのフィードバックと評価をどのようにするのかを明確にしなければいけません。その点があいまいでした。

原因は、その前の色の導入(ここは復習でなければなりませんが)の意図が不明確で、内容の興味が不消化だったことです。つまり、活動のひとつひとつが次の活動とのつながりがよくわかりませんでした。AM先生の頭の中では、あるプランができているのでしょうが、実際に実行可能かどうかを検証していませんでした。

授業をどう展開するかをイメージし、実施の手順をシミュレーションし、うまくいかない部分やむずかしい部分の修正をし、さらには、生徒がつまずいたらどうするか?どうフィードバックし、その活動が生徒にとって何の意味があるのか?その活動をどう評価するのか?など、どれだけていねいに展開できるかです。

やはり、AM先生の授業は、その「ていねいさ」が欠けていました。それは用意された資料でもわかります。逆に、その大胆さがAM先生の良さでもあります。そのバランスをうまくとって授業を考えてもらいたいと思いました。

問題も多々ありましたが、期待の持てる授業でした。ありがとう。

7. KY先生の模擬授業

AM先生とは対照的な授業でした。授業は自分の個性を生かすことが重要だと思いました。ただ誰かの真似をするだけでは芸がありません。また、日々よい実践を続けることが大切なので無理をしてはいけません。授業は決してパフォーマンスや芝居だとは思いません。「学び」を演出することです。その点KY先生の授業は個性がよく出ていました。

多少気になったのは、単元の到達目標が多すぎることでした。CAN-DOで設定している点はよいですが、一つの単元で、多くても5〜6程度に設定するほうが、中学生には優しいでしょう。それから指導計画ですが、8時間はたぶん多すぎると思います。本時のSpeaking Plus 1は1時間配当です。ということは、本来の教科書の意図は、文法に焦点を当てることではなく、「話す」活動にあります。

それはさておいて、KY先生の文法指導に焦点を当てた授業はおもしろいものでした。あえて言えば、「話す」ことが活動の主体ですから、英語でやりとりしながら、特に「話す」ことの文法に焦点を当てた展開が可能だったのではないかと思います。と言うのは、「依頼」を扱う教材なので、場面を提示することが大切です。おそらく、「依頼」の場面をたくさん設定して、推測し、考えさせることで、may, can, couldなどの使い方については指導できたのではないでしょうか?実際に場面を意識して、may, can, couldを使うことで定着はより効果的に図れるはずです。

文法は何のために教えるか?ということの基本は、やはりコミュニケーションとして英語が使えるためでしょう。受験のためではありません。でも、生徒の中には、文法という言語のしくみに興味を持つ人もいます。しくみが分からないと先に進めない人もいます。ただ、英語は使えばよい、おぼえればよいというものでもありません。なぜ、may, can, couldという法助動詞の働きが違うのか?また、どう違うのか?など、言語の働きはおもしろいものです。もちろん、生徒の中にはそれが苦手な人もいます。

教師は、自分の興味を生徒に押し付けるのはやめたほうがよいです。自分の興味は興味として多様な引き出しを持つことが大切です。その点、KY先生のていねいさはよかったと思います。授業中に「thank you」と何回も言っていました。これはとても大切です。

ありがとう。

8. IN先生の模擬授業

IN先生は、模擬授業の資料の準備で遅れてしまいました。これも個性ですが、やはり準備はきちんとしましょう。指導案の構成が少しよくわかりませんでした。何が復習で、何が新しい学習なのか?指導案を見ただけではわかりません。また、実際の授業でもその点がごちゃごちゃになっていたようです。中学校2年生では、その点をきちんと整理して、ていねいに提示しないと大きな失敗となります。気をつけてください。

ただ、授業にはそれぞれの活動で工夫がなされていました。よい点が多々ありました。ちょっと自信なさそうに小さい声になりましたが、真摯な姿勢が出ていたので、実際の生徒の前でもその姿勢で授業をすれば特に問題はないでしょう。Small talkも自然に英語を提示していたのでよかったです。ただ、グループ活動の説明はもう少し整理してうまくするべきでしょう。効果的に時間は使うべきです。きちんと考えれば、英語だけでも十分指示できる内容でした。活動自体はとてもおもしろく、工夫された内容です。

授業をするときには、やはりその先生自身の個性や特技は生かすべきだと思います。IN先生は絵がとても上手で、実にていねいにピクチャーボードを作成していました。これはもっと堂々と提示すべきでした。もったいない。

授業は意外と単純で、先生の熱心さが多くの活動の前提にあります。先生が工夫しない、あるいは、いい加減に授業をすると、生徒もいい加減になります。先生が熱心で、工夫をしてくれると、生徒は興味を示し、頼りないと、助けてくれる生徒がいます。生徒のそのような支援してくれる姿勢は、学習としても有効な活動で、ぜひ活用すべきです。先生がすべて仕切らなくてもよいのです。授業の理想は、learner centeredness(学習者中心)です。中学生にとってもそれは重要です。

この模擬授業では、大学生が相手です。どうしても大学生として活動してしまいます。それはそれとしても、これが中学生だったら、これが高校生だったらと、想像できる力、予想できる力、そのために準備できる力が、教師の力でもあります。分からないから「できない」では先に進みません。IN先生は、その点で、中学生を想定してよく考えましたが、授業の展開においてもう少し工夫する余地があります。

IN先生が用意した教材の絵















結構時間かかったと思います。が、これって生徒は喜びます。ありがとう。

次回も期待しています。それぞれが勉強して、工夫して、よい時間としてください。


2015年11月8日日曜日

模擬授業2

最初に述べたように、模擬授業の良し悪しでこの授業が評価されるわけではありません。ですから失敗してもかまいませんが、工夫のない授業、楽する授業、適当にやる授業、なんの意味もない授業、チャレンジしない授業、準備不足の授業などは、この授業を受けている人にとって何の意味もない無駄な時間となります。

それは絶対にやめていただきたい

私は、あえて「こうしなさい」とは言いません。適当にやるのならば、それはそれで評価します。ただ誤解しないでいただきたいのは、私もこの授業でみなさんの模擬授業を見ながら考えています。勉強しようと思っているわけです。ぜひ工夫してください。よろしくお願いします。

今回模擬授業をした3人の人は自分なりに考えて努力したことは認めます。授業の際は多少失礼な言い方になったかもしれません。その点はぜひ最終のレポートに反映させてください。反論も堂々としてください。みなさんがこの授業を通して自律して学習(learner autonomy)しないかぎり、日本の英語教育は何も変わりません。本を読み、人の意見を聞いて、議論して、実践して、また、それを省察(reflection)して考えてください。

また、CLT (Communicative Language Teaching)について再度(?)(当然理解していると思っていたのですが)確認してください。日本の学習指導要領も基本はCLTです。世界の言語教育もそうです。それに反発することは、私は教育者として納得できません。よく理解できない人は次の文献を一読してください。

CLT
(クリックして、ダウンロードして読んでください。)

授業に正解はありません。あるのは結果です。

前置きが長くなりました。3人の授業の感想です。

3 KT先生の模擬授業

授業案はよく書かれていてとてもよかったです。ただ少し相談してもらえればアドバイスできました。KT先生のやろうとしていることは間違っていません。教科書の教材を基本として海外旅行やロンドンのことに興味を持たせるという考えはとてもよいことで、まったく間違っていません。しかし、教科書の教材をもっと研究して、ロンドンのことを活動の題材とすれば、おそらく展開は違っていたのではないでしょうか?London Travel GuideやLanding cardを用意しましたが、提示のしかたを考えるべきでしょう。LondonはPicture cardなどできちんと紹介し、生徒の興味を引きつけることです。そこを省略してはいけません。生徒はロンドンにも行ったことがないのですから、ビデオも見せることもできたでしょう。YouTubeにもかなり映像があります。教科書のTakuはおばさんの家に行くとい設定です。それも一人で行くという設定です。その話しと関連させて活動を行うことが大切です。指導案にはそれらしい設定が書いてありました。しかし、展開は違ってしまいました。これは1準備不足です。だれかを相手に授業をしてみれば、何がいけないのかがわかります。
それが足りなかったと思います。

英語授業で大切なことは「英語によるコミュニケーション能力の育成」です。ということは、英語によるやりとりを生徒に指導しなければいけません。KT先生がペア活動の中でさりげなくやっていたやりとりがありました。あれをきちんと生徒に見せて、練習をして、生徒にそのやりとりの機会を与えなければ、言語活動あるいはコミュニケーション活動をしたことにはなりません。この授業で学ばなければいけないことはそれです。

KT先生の意識の中に文法指導が強いようです。簡単に言うと「教える」という意識が強いようです。「教える」=「説明する」あるいは、「学ぶ」=「書く」というような意識が強いような気がします。それとともに、「活動する」= 「ペア、グループワーク」「発表する」ということの大切さも理解していますが、その「学び」と「活動」が結びついていないようです。しかし、教師はそれをしなければいけません。それを考えなければいけません。「この言い方を使って活動してください。わかった?何か質問ありますか?なければはいどうぞ」ということでは中学生はまったくできないでしょう。

その点を考えてください。すぐに分かります。が、「分かる」と「できる」は違います。工夫と練習しかありません。発想や準備した資料は決して間違っていません。ちょっと変えるだけでこの授業は極端によくなります。やろうとしていることは間違っていないので、ぜひ努力してください。期待しています。

4. NY先生の模擬授業

多少厳しいことを言ってしまったようですが、英語授業に対する考え方がやはり問題だと思います。以前に話したことがあるので、だいたいわかりますが、NY先生の言いたいことは半分事実です。中学校でも高校でも、文法訳読は相変わらず行われています。そのことをNY先生は盛んに強調します。それも一つのニーズです。悪いことではありません。しかし、私がお願いした模擬授業の課題は、「英語で授業をしてください。コミュニケーション能力を育成するためにコミュニケーション活動を入れて、授業を工夫してください」というような趣旨です。果たしてそれに応えたかどうかを考えてください。

「自分はこうして教えられたからこのような授業しかイメージできない。コミュニケーション授業とはどういうものかわからない」ということでした。中学校でも多くの先生が英語を使った活動を重視した授業を展開しています。YouTubeでもたくさん見られます。たとえば、

例1

例2

例3

私が言いたいのは、これを真似て授業をしなさいではありません。それではつまらないでしょう。NY先生の考え方をもとにした授業を開発すべきでしょう。

NY先生の授業を1年間受けたら、英語がどのくらい使える(聞く、話す、読む、書く)ようになったか?文型を理解して、単語を理解して、海外に行く手続きを知れば大丈夫でしょうか?読んで、訳して、問題をやって、テストで100点取っていれば、英語は使えるようになるでしょうか?英語の先生というのはそれでよいのでしょうか?もし、そうであれば、この授業で学ぶ意味はないでしょう。

NY先生がそうは考えていないことはよく分かっています。模擬授業でも多少それは見えました。ただ忙しかったのか?工夫がありませんでした。それがいけないと思います。文法訳読でも工夫をすればもっと面白い展開をしなければいけません。生徒をなめてはいけません。

NY先生には期待しますので、少し厳しい言い方ですが、もっと研究して、質問して、考えてください。最終レポートでそれを示してください。模擬授業をして、「これではいけない」と理解したはずです。それができるはずです。

5 WM先生の模擬授業

とてもよい発想だったと思います。WM先生のやろうとしたことはまったく問題ありません。その姿勢を大切にしてください。少しむずかしい問題でも、それを生徒にぶつけて考えさせることはとても大切です。原爆の問題もただ「かわいそう」「戦争を二度としてはいけない」と終わらせるだけでは、生徒も満足しません。私は大賛成です。その意味でWM先生の試みはおもしろいと思いました。

問題は、指導案にはっきりと出ていましたが、生徒の活動をイメージできていないことです。「大学生相手だからなんとかなるだろう」というように考えたかもしれません。あるいは、まったくの準備不足だったのかもしれません。本人だけが知っているでしょう。教材を準備するだけでは授業ではありません。授業では、生徒への指示、活動のための工夫、その気にさせるための展開と教材の扱いなどなど、多くのことが要求されます。適当にやれば適当な結果しか帰ってきません。

Trumanが、教科書の内容とどう結びつくのか丁寧な展開(シナリオ)が必要です。英語で授業をするということの意味は、生徒がその授業のときだけでも英語に触れる時間をつくることです。英語の授業で英語を聞き、話し、読み、書くということが、コミュニケーションとしてなければ、生徒の英語力はつきません。個人個人で英語を使って、授業では先生が説明し、課題を与えるというだけでは、やはり無理でしょう。

原爆の写真、Trumanがだれかなど、英語で紙芝居のようにして提示できたのではないでしょうか?生徒が自分で読んで自分で理解できるということはまずありません。大学生を相手にするということを前提とした模擬授業になってしまいました。

オーセンティックな教材を使うときでも、教科書内容との関連を生徒が納得できるような導入をすべきです。また、授業は、やりとりを工夫しながら、QAで進む方がよいでしょう。問いに対する答えを聞くでは、コミュニケーションとはなりません。英語授業はコミュニケーション活動が基本です。日本の英語授業がどうであれ、ELTの流れは、communicative language teaching (CLT)です。学習指導要領もそうです。それに対して、もし反発するならば、CLT に負けない授業を考えるべきでしょう。

WM先生の発想はけっこうですが、中途半端ではいけません。期待します。

さて、今回は厳しいことを書かなければいけませんでした。すべて私の責任です。私の意図することがまったく伝わっていなかったということです。もう少し率直に話す必要があったのかもしれません。みなさんの意欲をもう少し喚起する必要があったのかもしれません。私がちょっと忙しく疲れていたせいかもしれません。原因がわかりませんが、一つ言えることは、確かにみなさんとの交流が不足していたことです。確かに私の意図は伝わっていなかったようです。

とにかくみなさんに期待するしかない。反省しきりです。

ざっと思いつくことを書きました。誤解もあるでしょう。反論もあるでしょう。私を信頼しないということもあるでしょう。とにかく、この授業をとることによって、みなさんにとって意味ある時間にしてください。どうか宜しくお願いします。

乱筆乱文にて失礼。これは私の感想です。メモです。






2015年11月1日日曜日

2015年度模擬授業1

いよいよ模擬授業の開始です。いつもどんな授業をみなさんがしてくれるのか楽しみにしています。よろしくお願いします。よい時間としましょう。

目的は、「授業を考える」です。それぞれの視点で授業を考えましょう。それが最終レポートにも反映されることが大切です。授業をする人、授業を受ける人、その授業を観察する人の3つの視点で、何をどう考えるか、どう省察 (reflection)するか、あるいは、他の人の考え方と自分の考え方を照らし合わせて考えることができるようになることを目標としています。このようなことは、私は教えることはできません。みなさん自身が見つけることです。教師を目指し、よい教師となろうとする人は、そうであってほしいと思う訳です。

さて、このブログは、授業のときはなかなか言えないことを、私の個人の感想として述べる場所です。一応、授業をした人は参考にしてください。合っていることもあれば、会っていないこともあるでしょう。私も推敲しないで、そのまま書きます。誤字脱字などは許してください。

一つ指導案について質問があったので、補足しておきます。指導案の書き方は別にきまりがありません。こうでなければいけないということはありません。ただし、授業の際に言ったように、やはりどのような授業をするのかわかるように書いてください。特に、生徒の活動です。「大きな声で音読する」だけではわかりません。最低でも、どのように音読するのかは、必要です。「新語を導入する」とあれば、どれば新語ですか?などなど。ある程度実際に授業を想定して指導案を書いてください。それはみなさんにとっては必ず役立つことです。「20分やればいいだから、そこだけ考えて、あとは適当に」とは考えないでください。お願いです。

では、感想です。

1  K.S先生の授業

授業の際も言いましたが、先生になったらきっと生徒には慕われる先生になることは間違いないでしょう。いい資質を持っています。理由は、なんとか生徒の興味を引こうと努力していることです。思った通りできたかどうかは別にして、アイディアがよいです。それはよく伝わりました。ぜひ、もっともっと深く考えて教材研究をして授業に臨むようにすれば、よい授業ができるでしょう。

トップバッターということもあり、雰囲気を作るのにたいへんだったと思います。これはKS先生だけの問題ではありません。しかし、対象となる生徒はいつも違うので、思ったようにいかなかったのはなぜだろうと考えてください。大きな問題は、おそらくシミュレーションが足りなかったことです。つまり準備不足です。パワーポイントを使うとすると、提示のしかた、文字の大きさ、提示した際の説明、指示、それを提示した際の生徒に対する問いかけなど、やはり、基本的なことの想定がうまくできていませんでした。結局、生徒の反応が今ひとつ盛り上がらなかった原因は、やはり、生徒とのやりとり(interaction)がうまくできなかったことです。

英語の授業の良し悪しは、言語活動あるいはコミュニケーション活動がうまくできたかどうかです。大学生相手だと指示が曖昧でもなんとかなってしまいますが、高校1年生ではそうはいかないでしょう。高校1年生を想定して「ていねい」な指導が大切です。

教科書の内容に焦点を当てて活動を展開したことは、私はよいと思います。文法に焦点を当てずに、Couldを多用して生徒に活動を促したことはとてもよいことです。新語の導入もとてもい考えです。しかし、授業ではやはり間違いをできる限りしないことです。そのためには、だれかにチェックしてもらうことが必要です。信頼できる人にチェックしてもらうことです。ワークシートに間違いがあると生徒からの信頼を失います。これは気をつけてください。活動も同様です。「コミュニケーション活動となっているかどうか?」をいつも考えてください。

あれこれと指摘するとキリがありませんが、でも、よかったです。その調子で研究してください。人間は間違うのは当たり前です。しかし、間違いをずっと続ければ進歩はありません。人に質問して、意見を聴いて、自分の知識や考えが違っていれば、素直に直すことができるかどうかがカギです。自分を変える必要はありません。とてもよい資質を持っていますから、そのまま進んでください。しかし、人の意見も聴きましょう。

一つ思うことは、やはり「同性愛」まで持っていくのはちょっと無理があるかなと私は思います。しかし、逆にそれがKS先生の良さだと思います。考えてください。トップバッターありがとう!面白かったです。

2. TK先生の模擬授業

TK先生は教え方はうまいと思います。生徒とのやりとりもうまいし、コミュニケーション能力もあるようです。教師としては大切な要素を持っています。声も明るいし、はっきりとしていました。生徒一人ひとりにも目が向いていました。とてもよいと思います。たぶん、教育実習でも、実際に教師になってもうまくやっていけるでしょう。

問題は、やはり準備の不足です。コンビニエンスストアの成功と、自分の夢の成功とを結びつけることは、やはり無理があります。内容に焦点を当てるならば、コンビニエンスストアのことです。ラグビーのことを取り上げることはトピックとしては面白いですが、教科書の内容とはかけ離れてしまいます。ワークシートは、もう少していねいに、語句や例を示し、PPPの手順をきちんとすべきでしょう。

教師が、英語で見本を示し(presentation)、練習をして(practice)、実際に自分たちで作成する(production)をする。指導案を見ただけでは、そのあたりが不明確で大雑把でした。実際の授業ではちょっとうまくいかないと思います。その点について、よく考えてみてください。

あくまで授業なので、生徒が何を学ぶのかを考えることがまず第1です。内容に焦点を当てるのか、文法に焦点を当てるのか、あるいは文化的なことに焦点を当てるのか、など視点をしっかりとすることです。英語では、4技能を総合して活動することが期待されています。書くことももちろん大切ですが、書くことの指導は思うほど簡単ではありません。そのための教材研究は他の活動の何倍も準備しておく必要があります。その点についても考えてください。

あれこれと述べましたが、TK先生もとても魅力のある先生になることは間違いありません。しかし、よい先生になるためには、やはりもう少し教材を理解して、準備をしてください。その場でなんとかなるは危険です。それよりも、教材の理解と教えることの目標を間違えてしまうと生徒にとっては不幸です。教科書を使うということは、その言語材料の指導が基本です。その先に生徒の興味関心でしょう。手を抜けば手を抜いただけの結果しか得られないと思います。

期待してます!ぜひしっかりと研究してください。ありがとう。

乱筆乱文はご容赦ください。次回楽しみにしています。