2017年11月20日月曜日

模擬授業3回目

模擬授業5

Oくんは、先生になればいい先生になると思います。おそらく誰もがそう感じるでしょう。自分なりの指導に対する考え方もあり、英語授業に対するイメージもあります。それをもとにした工夫もありました。指導案も具体的にわかりやすく書いてあり、どのように授業をするのかがよく分かります。

ただし、ちょっと考えてほしいのは、中学校3年生は、長い目で考えて、英語の何を学ぶ時期なのだろうかということです。これはOくんだけではなく全ての人に言えることですが、文法なのでしょうか?現在完了形なのでしょうか?文法が分かると英語は分かることになるのでしょうか?

CLTは必ずしも文法知識に焦点を当てるわけではなく、意味(notion)や機能(function)を理解することに重点をおいています。教科書もどちらかと言えば、場面ややりとりを理解するために、活動を重視しています。いわゆるコミュニケーション活動です。

Oくんは、教科書の題材を扱いました。音読をして、その対話を日本語から英語にして生徒が発話する活動を展開しました。これはコミュニケーション活動を言えるでしょうか?音読の際に、ジェスチャーや気持ちを込めて発話するように指導しました。これは練習としてはとてもいいことだと思います。中学生も喜んでやると思います。そうであれば、日本語はあまり関係ないのではないでしょうか?

活動の一つひとつは工夫されているのですが、全体からするとそれがうまくつながっていなかったかもしれません。教科書の単語、文法の理解、テキストの理解、音読、発話の練習の次には、コミュニケーション活動があり、それぞれの場面を意識して実際に英語でやりとりをする。その後には、英語を書いて、まとめる、とすれば、4技能の活動となります。補助教材などで扱っている現在完了はあまり意識しなくてもよいかもしれません。

英語の授業は、文法を教えること、と考えるのは、間違いだと思います。文法ルールは、あくまでも英語を理解し使うための手段に過ぎません。その他に授業で活動することはたくさんあります。

その点からOくんの指導には多くの工夫がありました。これは重要なことです。マイナスポイントは、教師の活動が主だったという点です。生徒一人ひとりがもっと活動する工夫をするとよかったと思います。

模擬授業6

Tくんは、ちょっと頭の中だけで考え過ぎたのではないかと思います。熱かった教科書の「道案内」は実際の授業では、教科書の指示の通り展開するだけで十分です。あまり工夫はいらない。工夫は生徒のそれぞれの環境に合わせて地名などを身近にすることだけでしょう。ただそれでもおもしろい発想がありました。それは生徒に考えさせるということです。ただ単純な道案内では面白くないので随所に工夫がありました。しかし、それが少し分かりにくくなり、学習するポイントがずれたと思います。

もう一つは、授業準備が少し足りない点です。案を考えれば、授業はなんとかなるは危険で、それなりのシミュレーション、練習が必要です。プランと実際はかなり違います。何ごとをするにも経験が少ない場合は、それに対する周到な準備が必要です。それがないと「あれ?こんなはずではなかった」となることが多いです。

Could you tell me ..., please?

などの表現が使われる理由を理解することは重要ですが、

Can you tell me ..., please?

などと言っても、中学生は失礼にならないでしょう。様々な表現を教えるよりも、生徒に実際に道案内を何度も練習する機会を与えたら、この授業の目的はほぼ達成されます。あまり難しく考える必要はありません。

それでも、この模擬授業から、Tくんが学ぶことはたくさんあったと思います。それを消化できれば大成功でしょう。工夫しようとする気持ちが大切で、それがなぜうまく行かなかったのかを考えることでしょう。ヒントは、教科書教材にあります。

模擬授業7

Iくんの授業はオーソドックスな展開で、特にこれと言った指摘はありません。模擬授業の問題は、実際の流れをかなり省略したという点です。もっと教科書内容をきちんと展開してから、プラクティス、アクティビティーと進めれば、時間も余ることはなかったでしょう。20分という時間を意識したために、そうなったのかもしれません。

授業自体はとても上手にできると思います。工夫もあったし、教科書の内容にもよく理解を示していました。アクティビティーも、教科書の内容を指導してから展開すればスムーズにその意図も伝わったと思います。

受動態を自然に使う場面の例がテキスト本文です。テキストをもとにアクティビティーの内容を構成すればここでは全く問題ないと思いますが、アクティビティーの指示はその点がちょっと分かりにくいので、中学校3年生は戸惑うかもしれません。ここでは典型的な活動パターン、PPPを意識すればよいのです。

ここでも、やはりコミュニケーション活動ということを意識する必要があります。先生に向かって発表するのではなく、ペアやグループでタスクをし、コミュニケーション活動をすると生徒は相当に英語を使うはずです。それをさらに書いてまとめるという活動をすれば、4技能はほぼカバーできます。

英語の授業で特に注意する点は次のようなことだと思います。

先生が喋り過ぎないこと
説明するよりは見せること
実際に経験すること
自分で発見すること
やる気を引き出すこと
コミュニケーションする機会を与えること

授業を見ているといつも思いますが、それぞれ個性があって面白いです。どうして人によってこうも違うのかなどといつも考えます。今回も、0くん、Tくん、Iくん、それぞれ確かに課題はあると思いますが、個性があって興味深いです。

そこで、私の大きな疑問は、

なぜ、みなさん文法にこだわるのか?

です。

今後も楽しにしますが、ちょっと一息。少しおさらいをして、今後の課題を考えましょう。







2017年11月12日日曜日

2017模擬授業2回目

模擬授業2

Kさんの授業でした。Kさんは、たぶん英語はよくできる人で十分な知識がある人だと思います。英語もきれいだし生徒にとっては魅力的で、先生になればいい先生になると思います。ただし、この模擬授業は手を抜いたか、あるいは、忙しかったか、あまり生徒にとっては魅力のない内容となりました。中学校3年生をイメージできていないことと、英語は、文法や語句を教えればいいという安易な考え方があったように思います。

ふつうの学校のふつうの中学校3年生は、英語の授業の目標があって、英語の教科書があって、その中で、英語の知識や技能の活動があって、テストなどがあり、評価され、英語力を向上させていきます。学習指導要領は無視していいわけはありません。生徒の英語のコミュニケーション能力を育成する。最近の傾向は、中学校3年でCEFRでA1が到達目標です。

大雑把な記述ですが、基本的な英語が聞き話し読み書くことができるということでしょう。文法の知識だけを授業で与えてもどうでしょうか?英語が得意で好きな子は、先生が何をやろうと、自分で勉強するでしょう。でも、そんな子ばかりではないし、英語に興味のない子もいます。もっと丁寧に、工夫して、興味を持ってもらえるように、適切な準備をして、一人ひとりの生徒のことを考える先生の方がいいとは思いませんか?模擬授業だからこそどれほどの準備をして20分やるかを考えることが重要だと思います。

厳しいことばかり言いましたが、授業の雰囲気はとてもよく、気合をいれるととてもいい授業ができると思います。これをバネに、他の人も見ながら、授業を考えてみてください。それから図書館に英語の授業関係の本がたくさんあると思います。また、YouTubeにもたくさん授業ビデオがあります。塾的な指導ではなく、「この授業受けたら英語上手になりそうだ」という授業を研究してください。

例えば、

授業まるごと!由布市立庄内中学校3年外国語 日本の文化を紹介しよう 須藤礼子学力向上支援教員




「失敗は成功の〜」と言いますね。レポート期待してます。ありがとう。


模擬授業3

Sくんの授業でした。日本文化ということから考えて、それなりに工夫はされていたと思います。声は大きいし、生徒のことを考えるいい先生になると思います。ただし、Kさんと同じで指導案をもっと丁寧に考えておく必要があります。頭の中で考えているだけでは時間配分などはなかなかうまくいきません。また、中学校3年生は上のビデオのように大学生みたいに英語がペラペラと出てきません。模擬授業ではどうしてもしようがないですが、指導案を考える際に、中学校3年生がどのくらいの活動ができるかを想定することは、基本の基本です。Worksheetなどもそのことを考えて丁寧に作成する必要があります。

指導案の目標を黒板にそのまま書いたのは生徒のためではなく自分のためだと思いますが、実際の授業ではそれはできないですね。黒板に書くことは生徒に示す目標です。この授業で何がわかり何ができるようになるのかを示す必要があります。

教材を見ると、選んだ部分は、Presentationです。これは何も考える必要はなく、教科書の指示の通りの活動をするだけです。模擬授業でしたような活動をすることは、生徒を混乱させるでしょう。中学校3年生は、普通の公立の学校であれば、この時期高校受験でとても大切な時期です。面接なども行われるようになります。そうすると、発表したり、その発表について生徒同士がやりとりすることは大切で重要な活動です。

本文にある内容がモデルで、それを元に紹介したい日本文化を選び発表する活動です。

原稿を作る →  発表する →  質問をする →  答える

授業は、この活動をするだけです。教師の役割は何かと言えば、そのための準備と支援です。どの生徒もうまく発表できるように、タスクを構成することです。

Show and Tellのような活動をしたり、グループで活動したりもできます。


Sくんが本来指導にあたって考えるべきことは、日本文化の素材となる英語表現を生徒が扱えるように準備して練習の機会を与え、意欲を起こさせることです。

工夫です、工夫。大切なのは。

英語については多少自信なさそうですが、とても良かったと思います。堂々と英語をコミュニケーションの道具として使うことはとても大切なので、どこで英語どこで日本語かをよく考えながら授業を考えると、いい授業ができると思います。

とてもいい素養を持っているので、良い先生を目指してください。


模擬授業4

Aくんは、英語を教える形をすでに持っているのだと思います。その教え方は、日本の高校では典型的な受験指導です。Aくんもわかっていると思いますが、結構あちらこちらでは伝統的に行われ、受験指導では効果的です。私の親しい友人の高校の先生をしている先生もそれを信じて疑わないです。大学受験を目指す生徒もそのような指導を信頼します。決して悪いことではなく、英語の学習システムがそうなっているから仕方がないかもしれません。

しかし、長い目で見ると、あまりいい効果は与えていないと、私は思います。私は、日本でも英語の授業をたくさん見てきました。アジアとヨーロッパが中心ですが、ほかの国の英語や外国語の授業を見てきました。日本のように、「これは受験で大切だ」「ここが試験のポイントだ」「ここさえ押さえておけば大丈夫」など、教師が一方的に講義し、生徒は問題を解き、長文問題、英作文問題、文法問題、語彙問題、語法などなど。また、リスニング、発音などの問題など。コミュニケーションとはあまり関係のない英語学習は、主流ではないです。基本は、多くの学習者は英語を使えるようになりたいというニーズを持って授業を受けています。中国や台湾や韓国は日本と似ていると言われます。確かに試験が需要で、英語がそれほどうまく使える中学生や高校生は少ないかもしれません。しかし、授業では、やはりコミュニケーションを意識して行われています。

授業で取り上げた部分は「文法のまとめ」です。私だったら、特に説明しません。活動をします。理由は、復習だからです。

Tom wants me to play the piano. の練習のために次の会話を(  )の部分置き換えて生徒に練習するタスクを与え、PPPに基づいて活動します。

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まず教師モデルを示す。

A: I can  (play the piano/play tennis/dance/sing a song/ ....) Do you play the piano?
B: No, I can't. I want you to play the piano.
A: You want me to play the piano, right? Really?
B: Yes, sure. 
A: Why? 
B: Do you know why I want you to play the piano?
A: I want you to tell me why you think so.
B: OK. It's easy. It's because I can't play the piano.

これを一度発音練習し、ペアで行う。

活動後、最終的に、ノートにまとめ、相手に渡し、確認してもらう。

B wants me to play the piano. I don't know why, so I asked why B wanted me to play the piano.  B said it was because he couldn't play the piano.

などと書く。

これで、聞く、話す、読む、書くという4技能の活動をしたことになり、また、文法構造も理解できます。

これを元に宿題として、Aくんが作成したワークシートを日本語から英語に訳すのではなく、英文をたくさん作ってくるように伝え、次の授業でグループで発表してもらい、いくつかを取り上げ、全体で考える。
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Aくんは人前で何かを説明するのは得意だと思います。文法のこともよく知っているし、教えることがたぶん好きなんだと思います。塾で教えたりしているので、その状況では、そのような要求があって、本日の模擬授業の形態をとったのでしょう。でも、そのような授業が本当に全て生徒が望む授業でしょうか?Aくん授業を受けたら英語が使えるようになるでしょうか?その点をよく考えていただきたいと思いました。

何か自分らしい授業がもっとあるのではないでしょうか?

Kさん、Sくん、Aくん、とも、残念ですが、準備が少し足りないように思います。別に失敗しても構わないので、工夫してください。

これから模擬授業をする人は、やはりもう少し指導案をしっかりと書いてください。20分発表をすれば良いということではなく、50分としてしっかり作成してください。また、細く何をどう教えるのかをこの機会にしっかりと考えてください。

それから、教科書教材があるので、そこから逸脱するのはよくありません。教科書の教材を指導することが大切です。教科書の中の、新語句、文法、テクスト、背景など、教えることはたくさんあります。あまり勝手に関係ないことをするのはちょっと違うと思います。

指導案、教科書教材のコピー、その他の教材や教具の工夫を望みます。黒板もきちんと使ってください。黒板に何も書かないのはよくないです。新しい発想も大切です。

楽しみにしてます。なるほど!というような授業を見せてください。

よろしく。