模擬授業5
Oくんは、先生になればいい先生になると思います。おそらく誰もがそう感じるでしょう。自分なりの指導に対する考え方もあり、英語授業に対するイメージもあります。それをもとにした工夫もありました。指導案も具体的にわかりやすく書いてあり、どのように授業をするのかがよく分かります。
ただし、ちょっと考えてほしいのは、中学校3年生は、長い目で考えて、英語の何を学ぶ時期なのだろうかということです。これはOくんだけではなく全ての人に言えることですが、文法なのでしょうか?現在完了形なのでしょうか?文法が分かると英語は分かることになるのでしょうか?
CLTは必ずしも文法知識に焦点を当てるわけではなく、意味(notion)や機能(function)を理解することに重点をおいています。教科書もどちらかと言えば、場面ややりとりを理解するために、活動を重視しています。いわゆるコミュニケーション活動です。
Oくんは、教科書の題材を扱いました。音読をして、その対話を日本語から英語にして生徒が発話する活動を展開しました。これはコミュニケーション活動を言えるでしょうか?音読の際に、ジェスチャーや気持ちを込めて発話するように指導しました。これは練習としてはとてもいいことだと思います。中学生も喜んでやると思います。そうであれば、日本語はあまり関係ないのではないでしょうか?
活動の一つひとつは工夫されているのですが、全体からするとそれがうまくつながっていなかったかもしれません。教科書の単語、文法の理解、テキストの理解、音読、発話の練習の次には、コミュニケーション活動があり、それぞれの場面を意識して実際に英語でやりとりをする。その後には、英語を書いて、まとめる、とすれば、4技能の活動となります。補助教材などで扱っている現在完了はあまり意識しなくてもよいかもしれません。
英語の授業は、文法を教えること、と考えるのは、間違いだと思います。文法ルールは、あくまでも英語を理解し使うための手段に過ぎません。その他に授業で活動することはたくさんあります。
その点からOくんの指導には多くの工夫がありました。これは重要なことです。マイナスポイントは、教師の活動が主だったという点です。生徒一人ひとりがもっと活動する工夫をするとよかったと思います。
模擬授業6
Tくんは、ちょっと頭の中だけで考え過ぎたのではないかと思います。熱かった教科書の「道案内」は実際の授業では、教科書の指示の通り展開するだけで十分です。あまり工夫はいらない。工夫は生徒のそれぞれの環境に合わせて地名などを身近にすることだけでしょう。ただそれでもおもしろい発想がありました。それは生徒に考えさせるということです。ただ単純な道案内では面白くないので随所に工夫がありました。しかし、それが少し分かりにくくなり、学習するポイントがずれたと思います。
もう一つは、授業準備が少し足りない点です。案を考えれば、授業はなんとかなるは危険で、それなりのシミュレーション、練習が必要です。プランと実際はかなり違います。何ごとをするにも経験が少ない場合は、それに対する周到な準備が必要です。それがないと「あれ?こんなはずではなかった」となることが多いです。
Could you tell me ..., please?
などの表現が使われる理由を理解することは重要ですが、
Can you tell me ..., please?
などと言っても、中学生は失礼にならないでしょう。様々な表現を教えるよりも、生徒に実際に道案内を何度も練習する機会を与えたら、この授業の目的はほぼ達成されます。あまり難しく考える必要はありません。
それでも、この模擬授業から、Tくんが学ぶことはたくさんあったと思います。それを消化できれば大成功でしょう。工夫しようとする気持ちが大切で、それがなぜうまく行かなかったのかを考えることでしょう。ヒントは、教科書教材にあります。
模擬授業7
Iくんの授業はオーソドックスな展開で、特にこれと言った指摘はありません。模擬授業の問題は、実際の流れをかなり省略したという点です。もっと教科書内容をきちんと展開してから、プラクティス、アクティビティーと進めれば、時間も余ることはなかったでしょう。20分という時間を意識したために、そうなったのかもしれません。
授業自体はとても上手にできると思います。工夫もあったし、教科書の内容にもよく理解を示していました。アクティビティーも、教科書の内容を指導してから展開すればスムーズにその意図も伝わったと思います。
受動態を自然に使う場面の例がテキスト本文です。テキストをもとにアクティビティーの内容を構成すればここでは全く問題ないと思いますが、アクティビティーの指示はその点がちょっと分かりにくいので、中学校3年生は戸惑うかもしれません。ここでは典型的な活動パターン、PPPを意識すればよいのです。
ここでも、やはりコミュニケーション活動ということを意識する必要があります。先生に向かって発表するのではなく、ペアやグループでタスクをし、コミュニケーション活動をすると生徒は相当に英語を使うはずです。それをさらに書いてまとめるという活動をすれば、4技能はほぼカバーできます。
英語の授業で特に注意する点は次のようなことだと思います。
先生が喋り過ぎないこと
説明するよりは見せること
実際に経験すること
自分で発見すること
やる気を引き出すこと
コミュニケーションする機会を与えること
授業を見ているといつも思いますが、それぞれ個性があって面白いです。どうして人によってこうも違うのかなどといつも考えます。今回も、0くん、Tくん、Iくん、それぞれ確かに課題はあると思いますが、個性があって興味深いです。
そこで、私の大きな疑問は、
なぜ、みなさん文法にこだわるのか?
です。
今後も楽しにしますが、ちょっと一息。少しおさらいをして、今後の課題を考えましょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿