2017年12月17日日曜日

模擬授業6回目

模擬授業14

Kさんは、人を引きつけて明るくしてくれる雰囲気があります。よい個性なので活かすとよいです。特に英語をはじめて勉強する子どもに上手に教えられると思います。アイディアもとても良かったと思います。生徒が楽しく勉強させてあげようとする気持ちがよく出ていました。多分、そのような気持ちは教師として一番大事なことだと思います。あまり工夫しないで「教える」ということだけ考えてしまうと、英語が嫌いな生徒はなおさら嫌いになります。

笑顔、明るさ、優しさ、わかりやすさ、親身な姿勢などなど、自分の個性に合わせて、生徒のことを考えて教えることは大切です。それとともに、厳しさ、正確さ、丁寧さなどなども大切です。一人ひとり、教師も生徒も違いますから、正しい一つの答えはないですが、Kさんは教師としてとてもいい面をもっていると思います。

その点から、いくつか指摘したいと思います。英語はとても自然でよいと思いますが、少し雑な面が目立ちました。低学年になればなるほど、文法、語彙、発音については気をつける必要があります。特に、配布資料や板書などには注意する必要があります。初学者用の教材をよく見ると、発音や語彙や文法は、歌でも、基本的な表現でも、よく考えられています。それがゲームであっても、ゲームの目的にもよりますが、もし誤ったまま英語を使っているとそれが定着してしまいます。気をつけましょう。

もう一つは、現在の学習指導要領は、中学生から4技能のバランス良い活動を推進しています。話すだけではなく、読む、聞く、書くも大切です。ゲームの場合もできればそのことを考慮しながら授業を組み立てましょう。その際には、ワークシートなども工夫することです。時間をきちんと取れば、それができると思うので、教育実習などではぜひこれを機会にもっと丁寧に工夫を試みてください。いい授業ができると思います。

模擬授業15

Mさんは、高校1年生の英語授業でした。高校生になると単に文法や語句などの学習ではあまり面白みがありません。教科書の内容も様々です。ただ読んで訳して文法の説明をして、テストではあまりよい授業とは言えないし、工夫もない授業です。それに対して、Mさんは、とてもいい導入の仕方をしました。考え方は良かったと思います。その考え方を大事にしてください。

指導案を見ると、実際に指導案どうりにやるとうまくいかないと思います。Information gapの活動も、もっと生徒自身の意見を引きだすような質問がよいと思いました。単に教科書内容だけではつまらないかもしれません。正解だけを求める質問ではなく、考えさせる質問を工夫して、食文化を考える機会を提供すると良かったかなと思います。

扱った教材は少し内容の濃いもので、実際の高校の授業では文法訳読が多いかも知れませんが、Mさんが試みたアプローチはぜひやってもらいたいアプローチです。ただ問題は、活動の前の練習の段階をどうするかで決まります。英語を使う雰囲気、英語をうまく使えるための準備、活動を支援する様々な工夫、活動の手順などです。それから、活動後の全体での共有をどうするか、活動後のまとめと評価をどうするかなども大切です。

Mさんも、Kさんとは違い、生徒に信頼される教え方をしました。また、指導に対する考え方が、よいと思いました。どう指導するかは、生徒のことをどれだけ考えられるかです。目の前の生徒に何をどう教えたいのか、英語の何ができるようになることを望むのかなど、真剣に考えられると、いい先生になると思います。

模擬授業16

SUさんは、すでに教育実習を終えているので、上手に授業を組み立てたと思います。準備も細かいところまでよく工夫していました。ぜひ先生になってもらいたいと思いました。教師にはいろいろなタイプがあって、どれがもっともよい先生かは決められないと思います。が、SUさんは、生徒の細かい点まで指導についてケアができる先生のような感じを持ちました。KさんともMさんとも違った個性です。

教師という仕事は、最近ではあまり魅力のある仕事ではないようですが、いつまでの若い人と接することができ、生徒の成長に影響を与えることができるやりがいのある仕事だと思っています。お金や形になるものではないですが、落ち着いて、自分自身の探求もできる仕事です。忙しいと言われますが、教師は研究することも仕事です。言語や文学をもっと探求したい人は職業の選択肢として選んでも悪いことはありません。SUさんも将来は考えてもよいのではないでしょうか?いい先生になると思います。

授業はとても良かったので、特にないですが、ちょっと盛り沢山で、50分を考えた場合、おそらく指導案に用意された活動がメインなので、授業で実施した活動は、そのメインの活動の練習となる活動という気がします。50分という授業を考えると、warm up review  oral introduction of new words, phrases & grammar points, reading and understanding the text,  the task for the grammar points, and the speech activities using the grammar points となるのでないかと思います。

しかし、丁寧な教え方をしていて、準備をよくしてあります。生徒はSUさんのような先生に教えてもらうと、それほど道は外れないでしょう。

今回は、3人ともそれぞれの個性にあった授業で面白かったです。ありがとう。いつも通り乱筆乱文ご容赦ください。

次回、最終回、期待してます。



2017年12月10日日曜日

模擬授業5回目

模擬授業11

Kさんの授業も文法を教えることを中心とした内容でした。たぶん50分を通してやるとつながりはよくなると思います。が、模擬授業では、どうしても一貫性が見えませんでした。Oral Inttroduction, New words (phrases), Grammar, Reading the text, Practice, Activityとそれぞれの活動が、本時の目標、1分詞、2教科書内容(ロボットに賛成?反対?)、3生徒同士の英語コミュニケーションとどう関わり、この授業が終わった後、その3つの目標がどう達成されたのか?分詞の理解は確かに重要ですが、英語の授業は文法の理解だけではなく、コミュニケーション力の育成です。聞く、話す、読む、書く、という活動と、一応教科書の題材について考える機会を与えることが大切です。

つまらないことかもしれませんが、ワークシートだけではなく、何らかの工夫が必要だったと思います。活動のポイントはクイズを作成して、それに対してグループ対抗で解答することです。その活動が活性化するような場面を演出する必要があります。自分で考えたクイズを出し、全体で解答するという活動は面白いです。でも、もう少し工夫が必要でした。大学生はすっとできますが、中学生はそう簡単にはできないし、様々な工夫が必要です。問題もそう簡単に作れないと思います。やはり授業はそれなりに手を加え、準備をしないとうまくいきません。

ただ、アイディアはとても良いと思いました。たまたまタイミングが悪く、生徒の盛り上がりが欠けたせいもありました。それほど授業が失敗しているということもないので、実際に英語を教える場合は、事前の準備や英語が苦手な生徒のことを考えて指導すればうまくできるはずです。丁寧に、丁寧に、生徒のことを考えて、生徒の気持ちになって、指導するようにしてください。

模擬授業12

Hさんの授業もやはり文法(比較級)でした。何か全体的に今回は「授業は文法を教える」という思い込みがあるのでしょうか?文法は確かに大事ですが、文法、文法では英語は面白くないのでは?ただし、比較級を使った活動はよく考えてありました。この工夫は大切です。発表を考える際に、個人で活動すると元気がなくなります。ここは、グループやペアで発表を考えるようにしたりすると、もう少しワイワイとなるのではないでしょうか?生徒が40人いれば、全員が英語が得意という状態はあまりありません。苦手な生徒や発表したくない生徒もいます。英語の授業は、コミュニケーションする良い機会です。英語でコミュニケーションする機械だけではなく、日本語で相談したり、質問したりする時間もあって良いのでは。

Kさんと同じですが、活動は多少やる気を起こすような演出が必要です。その気にさせないと盛り上がりません。生徒がただ何となくやれというからやるでは、やらない方がましです。生徒が生徒たちだけで盛り上がればそれに越したことはありませんが、教師がいわゆるfacilitatorとしての役割をうまく演習する必要があります。そのためにはシミュレーションをどれだけうまくできているかが大切です。ぶっつけ本番は難しいでしょう。

それから、文法項目(比較級)を制限してしまうと、自由がなくなります。よほど準備(場面、状況、手順、用語など)をきちんとして生徒を支援しないとうまくいきません。また、あまり面白い発想になりません。文法を理解してもらう場合は、それだけに集中して、継続的にやればよいので、タスクはタスクで、コミュニケーションや内容に焦点を当て、生き生きとして意欲を引き出すようにすることも大切です。

Hくんは、誰かが言ってましたが、優しい感じをうまく出しているので、丁寧に英語を教えるようにするとよいと思いました。文法は好きみたいですから、それはそれで文法を丁寧に教えることを自分の柱とすればよいでしょう。生徒は様々です。

教科書のトピックはemailでした。emailは確かに便利ですが、実際は、今や様々なコミュニケーションツールがあります。そのような内容を教えて、膨らましてもよいと思います。私が授業をするとしたら、LINEやFacebook, Twitterなどをどんどん使います。それを比較して考えます。そしてどっちがいいと思うとか、どっちを使うとか、やりとりをします。

模擬授業13

Oくんの授業は、Kさん、Hくんと少し違いました。内容を扱っていました。これもありだと思います。授業を見ながら私だったらどうするか考えました。私だったら、教科書に忠実にやります。Activitiy 1はそのままやります。Oくんもそれを前提として、Activity 2をこの授業で行なったと思いますが、私はちょっと違って、辞書の現状を生徒に英語で説明して、現状をまず理解してもらいます。また、辞書の必要性も考えさせるようにします。現在はインターネット上の辞書が圧倒的に便利です。また、monolingual dictionaryを提示します。目標は、辞書の理解です。それを前提に教科書のタスクを拡大して議論します。

1 グループで意見を考える時間を取ります。
 (紙の辞書と電子辞書をグループ分用意します)
2 議論のポイントをある程度示します。
3 それぞれのグループをバラバラにして、別にグループを作ります。
4 司会(MC)を決めます。その指示に従ってグループで議論をします。また、報告者(reporter)を決めます。その人が報告します。
 (司会の仕方、報告の仕方のシナリオを用意します。)
5 議論
6 報告
7 終了後、それぞれが自分の意見を書いてまとめて提出

Oくんの発想はとてもよいと思います。ただし、それが面白くなるかどうか?この単元は、ロボットとどう共生するかということと、賛成か反対か?という自分の意見をしっかり英語で言うことなので、ここの活動は、特に辞書でなくても優先席でなくても、どのようなトピックでもよいので、身近なトピックを設定して、その目標を達成すればよいでしょう。

授業で、何をどう教えるかは、教師がある程度考える必要があります。すべてを授業で教える必要はありません。授業では、そのポイントを選択し、授業で取り上げないことは、生徒にワークシートなどで宿題として提供します。重要なポイントをどうアレンジし、どうしたら効率よく生徒が学ぶかを考えることが、教師の主たる仕事です。文法が重要であると考えれば、文法でよいでしょう。しかし、文法だけがポイントではありません。語句も発音も技能もコミュニケーションも文化も思考もポイントになります。

そのようなことをもう少ししっかりと考えていただきたいと思いました。Oくんのような授業もありです。

みなさん、ありがとう。乱筆乱文すみません。次回もよろしく。





2017年12月2日土曜日

模擬授業4回目

一度考える時間を持ち、次に進みます。いろいろな工夫が前に進むと思います。正解などはないですが、授業の正解は、その授業の対象である生徒が判断する、ということに尽きると考えてます。私が何を言おうが関係ないですが、独りよがりも困りますね。自分はこう考えるから、これが好きだから、これがいいと思うから、生徒の意見は聞かないというのはあまり良いことではないと考えてます。

「自分はこのように教えられたからそのように教える」という考えは、Lortie (1975)という人が述べているapprenticeship of observation (観察の徒弟制)という説明に帰します。「教える」ということは、まず、目標があって、カリキュラムがあって、シラバスがあって、一つ一つの授業や活動につながります。つまり、授業活動の一つひとつは、単なるパーフォマンス(演示)ではありません。

模擬授業は、それでもパーフォマンス(演示)としてしなければいけないので、皆さんも戸惑うところです。ま、これをもとにいろいろと考えて、創造的に英語を教えることを考えましょう。

模擬授業8

SSくんの授業でした。自然な英語でとてもよかったですね。英語を自然に使っている場を経験してきたことは英語教師としては、それだけで強みです。授業ではグループでもタスクを行いました。実際のごく普通の中学校3年生を対象にした場合は、ていねいな指導が多分必要です。大学生を対象としているので一人ひとりの能力に助けられたので、うまく進行しました。

活動自体は、関係詞を使う説明です。あるパターンを示し、使用する語句をうまく提示し練習すれば、中学生でもけっこう楽しんでできると思います。ただ、なぜこの活動なのかは全体の指導の流れの中できちんと把握しておく必要はあるでしょう。授業ではAung San Suu Kyi の話でした。ノーベル平和賞のトピックです。今年は、ICANでした。全体の授業の流れからすると関係詞だけの学習を意図するグループ活動のねらいが、私にはどうしても浮いて見えました。文法に焦点を当てた活動は、それほど新しいことではなく、伝統的な活動です。誰がが指摘した通り、できれば、コミュニケーションの必然性をグループ活動に入れて、互いにやりとりができれば良いと思います。

授業は、SSくんはとても上手で、生徒への支援も適切でした。教師としておそらく問題なく、生徒にも慕われる先生になると思います。実際に目の前に生徒がいると、それに合わせてうまくできると思います。英語も少し速いのではないかという指摘もありましたが、多分、相手が分からなければ調整できると思うので、おそらく問題ないでしょう。自然な英語はとても大切だと思います。授業はとてもいい雰囲気でした。

模擬授業9

Kさんの授業は高校1年生を対象とした授業で、Kさんも英語もとても良く、Warm upも上手にでき、いい授業ができると思います。最初の導入で教科書内容の文字の成り立ちの例を出していました。私は、この授業はそこに焦点を当てるべきだったと思います。生徒は関心を示すと思うので、このタスクを考えさせたり、調べさせたりすると、面白いと思いました。そこで、動名詞を使って、説明したりする活動をするとより効果的だったのではないかと思います。

前回にも書きましたが、文法を教えることが英語の授業ではなく、英語のコミュニケーション力を育成することが目的です。動名詞にあえて焦点を当てなくてもよかったのではないかと思います。中学校での既習事項なので教科書の内容を学ぶ中で導入すればそれでよかったのでは。ジェスチャーは、指摘にあったように、何かの表彰が簡略化されて文字になったという文化と関連した活動というように、教科書の内容とつながっていると、この授業はとても良い授業になりました。

模擬授業だから仕方がないことですが、どうしても20分という枠で考えます。グループワークなどの活動をすることは、生徒にはとても重要です。大学生相手だとあまり手がかかりませんが、問題は、活動の手順をどう説明し、どうやったら高校生がうまくできるかを考えることです。うまくいかない場合はどうするか?できないグループがあったらどうするか?グループ活動の後に、タスクを全体でどう共有するか?活動の修正をどうするか?などなど、を模擬授業で確認しておくことが大切です。うまくいったからよかった、では、模擬授業の意味はないですね。

Kさんも英語は自然に身についているので、それを生かして教えれば、英語授業はおそらく何も問題ないです。が、問題は、自分の良さや発想を大事にすることだと思います。人の前をしたり、私や本にこう書いてあるから、というようなマニュアルではなく、自分の英語の授業を生徒のために指導することが大切です。導入で行なった文字の成り立ちの部分の発想はとてもよかったと思います。

模擬授業10

Oくんにはちょっと衝撃を受けましたね。授業の大きな要素は、結局、教師の個性です。その点で、Oくんは個性的でした。悪い個性ではなく、とても良い教師向きの個性でした。特に興味深かったのが、英語と日本語の両方を効果的に使っていた点でした。中学校1年生ということでそうしたのだと思います。これには異論もあるでしょう。ちょっと間違えるとうまく行かないかもしれません。でも、今回は、緊張のせいか、生徒を座らせるのを忘れてしまうという失態もうまく納めました。

実際に中学校1年生を教える場合は、これではうまく行かないでしょう。基本をていねいに教える必要があります。発音、音と文字の関係、綴り、英語の統語のルールなど、大学生が考えるよりも、もっと帰納的に多くの例を与えて指導する必要があります。けっこう手間がかかります。ワークシートだけではうまく行かないと思います。ピクチャーカード、動画など飽きさせない工夫が必要です。また、地道に、ていねいな音読、書く練習、聞く練習、発話など、コツコツと授業で実施する必要があるでしょう。

Oくんの授業を見ながら、教師の個性のことを考えました。英語の先生はどちらかと言えばパッとしない職業です。私はパッとしない先生が好きです。パフォーマンスがうまく目立つ人は基本的に好きではありません。これは私の個人的な好みですが、地道に教えることを考える先生が好きです。けっこうたくさんいます。Oくんは目立つ訳ではなく、教え方も上手とは言えないかもしれませんが、よく考えていると思います。無理をしない姿勢がいいです。真摯にその姿勢を貫けば、いい先生になります。

授業は、生徒のことをどれだけ考えられるか、その工夫がていねいにできるか、授業後にどのよう振り返るか、で決まると思います。皆さんの今後に期待です。