2012年12月24日月曜日

模擬授業第5回目

16 FJ先生の授業

FJ先生は、笑顔がよくて、先生らしいきちんとした雰囲気を持った態度で授業をしました。サンタクロースやクリスマスを取り上げて教えようとした点に、FJ先生の先生としての適切な資質があります。厳しいことを言ってしまいましたが、私がここに書くことを理解してもらえれば、いい先生になると確信します。

おそらくちょっと迷いながら準備不足で授業をしたのでしょう。あまり生徒を見ていなかったように思います。たぶん日々忙しく、体調も悪かったので、しっかりと考える時間がなかったのかもしれません。教育実習などでは、もう少しきちんと準備して、生徒が授業では何を学びたいのかを考えて、ていねいに指導すると、まったく違ったよい授業ができると思います。生徒は、ただ単に英語の単語の現在形と過去形をおぼえたいのではありません。「英語を分かりたい」「英語を使える」ようになりたいのです。

その点から考えると、「本時のねらい」は、もっと明確にしなければいけませんでした。取り上げたところはまとめの部分で、本来は授業として取り上げるにはむずかしいところです。その部分を選んでしまったことは、私の指示がよくなかったのかもしれません。これは私の責任でしょう。それは別として、選んだ部分を題材として考えると、「本時のねらい」は、

一般動詞を使って、過去の出来事について述べることができるようになる

として、言語活動をすることが大切です。授業案は、導入も特に必要なく、復習活動と応用活動だけに焦点を当て、生徒が過去形を使ってコミュニケーションができるかどうかです。教科書の右側のページには聞き取りの活動がありましたので、4技能すべてにわたり活動を考えるべきです。何度もこのブログで書いていますが、

説明すれば、生徒が分かったとはなりません。生徒に英語を実際に使う場面を提供しなければいけません。それも、コミュニケーションとしての英語を教えることが大切です。

しかし、中学校1年生に英語を教えるためには、ていねいな指導が必須です。語句の意味、発音、さらに、授業で使う語句の現在形と過去形のかたちの復習など、まず基本的な練習を一通り復習する必要があるでしょう。

What is your special Christmas memory?

は、アイディアはよいのですが、ちょっと乱暴です。タスクを明確にしておかないと授業は成立しません。

FJ先生の授業は多々問題がありました。しかし、だからと言って、駄目とはなりません。課題はこれからです。自分で何が問題かに気づくかどうかです。FJ先生は終わってみてそのことがよく分かったと思います。

17 SV先生の授業

高校1年生の授業でした。教科書はCrownで、内容もかなりしっかりとして、教えがいのある教材です。SV先生は、その点をよく理解していて、生徒が興味を示す写真などをうまく使って、時制について復習し、仮定法を教えるという展開でした。授業の流れとしては問題ないですが、つながりがあまりよくありませんでした。時制から仮定法という展開は、ひょっとするとむずかしいかもしれません。というのは、仮定法は時制のルールに則っていないので、その点を整理して教えないと混乱します。仮定の話だから、事実を表す時制のルールとは違って表現されるということですが、時制と関連させて仮定法を導入するのは学習者によっては分かりにくい可能性があります。

では、どう教えるかということですが、個人的には、どのような場合も、場面や意味から英語を教えることが大切だと思います。「英語を使って英語の授業をする」ということが日本では議論の対象となりますが、ふと考えてみると、おかしな議論です。SV先生は、その点では、自然な雰囲気で英語で授業ができていました。その際には、この教科書の内容に焦点をしぼって、20世紀のことを英語で考えるように展開すると、教科書内容には自然に入れます。高校の授業は、中学校の授業と違い、あまり文法や語句の説明にこだわる必要はありません。中学生と違い辞書も使います。語句に関しては、発音はつねに練習する必要がありますが、生徒がある程度意欲を持っていれば、あまり細かく指導しなくてもよいでしょう。文法に関しても、英語を使うことで、考えさせるようにすることです。文法用語を使って説明して、意味のない練習問題ばかりをさせることは、英語嫌いを作る可能性があります。英語を使う場面を提示して、意味に焦点を当て、そこで文法などを考えさせて、生徒自身がルールを理解することが大切だと、私は思います。

SV先生は、ていねいな指導をしていました。とてもよいと思います。授業を見て一つ望むことは、「この授業では何を一番教えたいのか」をしっかりと持って授業に臨むことでしょう。目標に「戦争について関心を持つ」と書いてありました。この目標を達成するためには、もっと教材研究をしておく必要があります。生徒によってはもっと深く考えたい人がいるはずです。戦争はいつもどこでも起こっています。日本人が、広島や長崎のことを知っておく必要があるのはなぜでしょうか?それを英語で学ぶ意味はどうしてでしょうか?生徒がその点を理解すれば、英語で授業をしても何も問題ないのではないでしょうか?SV先生の授業を見てそんなことを考えました。

18 OT先生の授業

OT先生の授業観はよいと思います。その考え方が授業によく出ていて、それがある面で成功していました。分かりやすい英語で、気張ることがなく、自然に英語で生徒に語る姿勢がよかったと思います。生徒に話すときも、一人ひとりに話そうとしています。つまり、生徒を見て話しています。また、生徒の言うことを聞いていました。これはとても大切なことです。OT先生は、あまり大きな声を出していませんでした。場合によっては、実際に40人の生徒を相手にしたら、むずかしいこともあると思いますが、気にしないで、自分の姿勢を毅然とつらぬくと、うまく行くのではないかと思います。先生としてはよい資質を持っていると思いました。

中学校2年生の授業でした。Manga, Anime and Moviesが題材で、文法は同等比較です。ONE PIECEという漫画やアニメは多くの生徒が関心を持っているでしょうから、授業の入り口としてはよかったと思います。欲を言えば、やりとりの中で、as  〜 asの導入が、


presentation        practice         production



の基本に則っていると、うまくできたのではないかと思います。

このいわゆるPPPは、もう少しくだけて言えば、

見せて  まねさせ  やらせてみる

ということです。この基本は、機械的と批判する人もいますが、授業がうまくいくためには欠かせません。OT先生はそのことはよく理解しているので、あとは実践でしょう。

よい先生になるためには、実践の中で自分に適した教え方を工夫することです。だれかのまねをする必要はありません。その人の個性を生かして授業をすることです。OT先生はとてもいい雰囲気を持っていました。生徒にも好かれるのではないでしょうか。自分のペースを乱さず、ていねいに、子供のことを考えて、子供の学びを支えてあげることが大切です。

今年は、これが最後です。あと1回模擬授業を行います。あとはレボートです。

私が、みなさんのためにできることはあまりありません。あとは自分で考えるしかありません。おそらく人によってはここで書いたことも読まないでしょう。しかし、読んだ人は、何かしら思うことがあるでしょう。それが大切です。そこから先は、本当に教師を目指す人は考えてください。

さいごに、ここまで授業を見て、みなさんが努力することを3つあげておきます。

1 基本的な指導技術を理解してください(本を読めば分かります)

2 中学校や高校の英語授業の実態を理解してください
  (自分の経験をベースとすることは危険です)

3 英語を教えることの自分自身の目標は何かを考えてください

上記の3点についてきちんとした知識と理解を身につけてください。

では、よいお年を。





0 件のコメント:

コメントを投稿