2013年12月22日日曜日

グループ模擬授業4

模擬授業第4回目となりました。それぞれの授業の観点が違って面白いですね。感想を述べます。何度も言いますが、評価ではありませんので、気に障ったらすみません。みなさんの省察(reflection)に役立つように私が思ったことをメモしています。ぜひ読んでさいごのレポートに生かしてください。

15 HY先生の授業

英語で授業をしようという意識があってよかったと思います。教師がそのような意識を持たないとなかなか「英語を使って教える」という授業を進めるのはむずかしいというのが現状です。ただ考えてほしいのは、英語を使う機会が与えられるべきは生徒だということです。教師が英語を発話することももちろん大切です。しかし、一方的ではコミュニケーションの意味がないかもしれません。教師と生徒、生徒と生徒のやりとり(interaction)の機会をぜひ考えてほしいと思いました。実際に中学校2年生を相手に教える場合はおそらく違う展開になるでしょう。HY先生はそれができると思います。授業展開については、少し考え過ぎたかもしれません。選んだ教材は、おそらく教科書の内容と指示のまま教えるほうが最も適切です。あえて、文法に焦点を当てる必要はありません。活動は、Speakingですので、Speakingをねらいとして、教科書のとおり展開すれば授業になるはずです。他の人にも言えることですが、教科書教材を扱うことは基本です。教科書から離れて別のことを教えることは生徒からすれば負担となるかもしれません。英語の授業は文法を教えることではないので、その点はよく考えてください。HY先生は、丁寧さ(politeness)を扱いました。よいことだと思います。あれこれ説明を加えるよりも、使っている場面は演出して理解してもらうように工夫したほうがよいと思いました。HY先生は真摯に教えていました。用意されたワークシートも熱心に作成してありました。ちょっと視点を変えれば、よい授業になります。期待します。

16 SM先生の授業

SM先生のアイディアはとてもよかったですね。教師は、まず、正しくていねいにきちんとおしえることが大事です。それとともに、生徒が英語学習に興味を持つように工夫するということが大切です。さらには、授業のそれぞれに生徒が理解しやすくなるような工夫をすることが求められます。SM先生は、シンプルですが、生徒が興味を示すような工夫を取り入れました。それを生徒とのやりとりの中で理解させるように展開しました。用意するカードや絵や写真は、授業を活性化させます。教科書とワークシートだけでは生徒の顔をあげさせることはむずかしいので、生徒の視線を前に向けさせるためには、SM先生のような工夫が必要です。その点は成功したと言えます。ただ大切な点は、比較には、大きさだけではなく、様々な面があるので、その点を考えた導入やタスクを考える費用があるでしょう。SM先生は教える態度もよかったと思います。生徒からは信頼されるのではないでしょうか。ぜひ教職に就いてもらいたいと思います。毎回の授業で様々な工夫をして生徒が喜んで英語の勉強をしてくれるのではないでしょうか。期待します。その意味から、よりよい授業をするために私のアドバイスは、やはり教科書の教材を中心に、教科書教材の内容を利用したほうが効果的だろうと思います。中学生にとって教科書教材はかなり重要です。生徒によっては教科書内容だけでも理解するのがたいへんな場合もあります。実際に授業をするときは、その点を考慮して、様々なアイディアを入れて工夫すると、生徒が興味を持つ授業が展開できると思います。

17 NY先生の授業

よい雰囲気で授業ができました。授業は明るく元気に進むことが大切です。その点でNY先生はぜひ教師として活躍していただきたいと思います。授業でも何でも「つかみ」は大切です。その点、模擬授業のスタートはよかったと思います。生徒とやりとりをしようとする姿勢はとても大切です。その方向で授業を考えていただきたいと思います。それを踏まえて、いくつか指摘しておきます。まず、選んだ教科書がよくなかったかもしれませんね。『Crown English Expression』は、表現をすることを目的としていますから、プレゼンテーションやエッセイなどの活動を授業ですることが本来の趣旨ですが、そのためには、文法が必要だというコンセプトです。実際には、文法理解が中心になってしまう科目です。そうすると、模擬授業では、本来であれば、比較の表現を使って表現することに焦点を当てて活動を考える必要があります。NY先生は、その点で迷ったと思います。ワークシートの構成にそれがよく表れていました。つまり、表現することと、文法理解の学習が混在するという教材になりました。生徒にとっては少し分かりづらい、あるいは、やりにくいタスクになるかもしれません。「文法理解は、表現のため」というコンセプトを生かせば、あまり迷うことはないだろうと思います。具体的には、ワークシートにある書き換えのタスクは表現を目標としたものではない可能性があります。さらに言えば、やはり教科書の文法ドリルで十分で、それをもとに授業では表現活動をやったほうがよいでしょう。期待します。

18 SM先生の授業

SM先生は明るく挨拶して、人柄のよい授業ができていました。教え方もていねいで生徒には愛されるのではないかと思います。その姿勢をずっと維持していけば教師としてはまちがいなく生徒にも支持されると思います。ぜひよい教師となれるように精進してください。ちょっと気になったのが、文法にこだわっている点です。それも文法は説明して、理解して、問題を解かせる、という考え方です。これはたぶん自分の学習者としての体験からくるものだと思います。でも、それは本来の言語教育法からするとあまり効果的とは言えません。つまり、コミュニケーション能力にはつながらない可能性が高いということです。文法は何のために学ぶのかということをもう少し考えてもらえれば、答えは簡単に見つかります。それを授業で実施する必要があります。聞く、発音する、読む、言える、話す、書く、などの練習をする必要があります。基本練習しなければ、生徒はできません。いきなり「ペアでやってください」は乱暴です。それからもう一つは、やはり教科書教材をきちんと理解させることを基本としてください。教科書の新出語句、文法、内容などを英語を使った活動を通して展開することが大切です。「花火」は興味深い内容です。それを英語でコミュニケーションするようにしましょう。期待してます。

19 KA先生の授業

KA先生は話が上手で、教え方も上手です。教師になることに何も問題ないと思います。逆に言うと、教え方がある程度固定しているので、今後もその教え方のスタイルは変わらないと思います。また、それでよいと思います。まちがいなく生徒に愛される先生になるでしょう。KA先生は高校1年生を対象とした授業でした。ねらいは、仮定法の理解と応用でした。仮定法の理解は学習者にはむずかしいとされています。また、それとは意識せず、I would like to 〜などと慣用的に使っています。また、仮定法のルールは実際にはかなり複雑です。現在では、入試問題にも細かいルールの知識を知っているかどうかという問いはあまり出されなくなりました。そう考えると、教科書教材を指導する場合、教科書の内容を英語を使いながら、教えることが、おそらく最もやりやすい授業展開になります。生徒の関心も112ページの写真にまず向かうはずです。それを扱わないで、本文の内容を読んで訳すでは効果的な活動とはならないかもしれません。KA先生がsmalll talkで生徒とやりとりした内容を教科書と関連させて展開し、教科書の内容を扱いながら、語句や文法の習熟を図る活動を行うというのが妥当な授業内容です。 KA先生は教育のことをよく考えています。ぜひ様々に研究して自分なりのよい授業方法を開発していただきたいと思います。期待してます。

以上、2013年も暮れていきます。早いもので模擬授業もあと1回になり、みなさんは最終的なレポートをまとめなくてはいけません。学ぶのはみなさんです。「教える」ことは自分で気づかないかぎり進歩しません。人の言われているとおりやっていても決してよい教師にはなりません。教師の仕事はクリエイティブです。だからこそ楽しいのです。

よりお年を。
乱筆乱文ごめんなさい。






2013年12月15日日曜日

グループ模擬授業3

第3回グループ模擬授業を行いました。授業をする人はこの4回のミニ模擬授業で何かに気づいてもらえればうれしいと思います。なかなかその場でゆっくりと「ふりかえり」ができませんが、ぜひ個人個人で考えてください。

何も考えない人にはおそらく何も進歩はありません。

私の感想です。これは評価ではありませんので、誤解しないようにしてください。多少厳しい言葉になったり、誤解している可能性はあります。否定的にとらわれず前向きに考えてください。反論はぜひお願いします。

では。


10 KK先生の授業

文法を教えることは大切です。これは英語を教える場合の基本です。語彙指導や文法指導は欠かせません。発音もそうです。基本は基本です。しかし、授業でそれらをどう教えるかが教師にとってとても大切なポイントです。KK先生は生徒にはとても好かれる要素を持っています。実際に中学や高校の教師になったらまちがいなくいい先生になるでしょう。ぜひ教職を目指してほしいと思います。それを踏まえて少し厳しくコメントします。選んだ教材が文法のまとめですので、文法に焦点をしぼるのは当然です。しかし、生徒は何を学んだのでしょうか?この授業で生徒は英語を発話できるようになるでしょうか?生徒は授業を受けた後に比較の表現を、聞いたり、読んだりして理解できるようになったでしょうか?さらに、話したり、書いたりできるようになったでしょうか?丁寧にポイントを分かりやすく説明することはできたかもしれませんが、英語のコミュニケーション能力はおそらく授業の中では養われないと私は思います。教師が英語を使って、比較の表現を多く提示し、それを実際のコミュニケーションの中で使えるようにするタスクを提供することが、「まとめと練習」の目的です。生徒にはその場と時間を与える必要があります。それはけっこう面倒なことです。準備をしなくてはいけません。教材研究もそれなりにしっかりとしなければいけません。ビデオを見てください。生徒が英語を使ったでしょうか?そこから考えればきっと解決法は自分で見つけられるはずです。手抜きはいけません。英語を使うことに自信がなければ徹底的に英語を使う練習をすることです。文法を教えることはけっこう奥が深いのです。授業中に、最上級のtheの説明をしていましたが、theがどうして必要かはけっこうむずかしいと思います。なくてもよい場合もあります。文法のルールには変則があります。だからと言って単純化して、最上級にはtheが絶対に必要だとおぼえてしまうことは危険です。ことばの使用に「絶対」は気をつけなくていけないのです。また、英語を教えることでも「絶対」正しいことはありません。ぜひそのあたりを考えてください。

11  KM先生の授業

KM先生は親切な人だと思います。生徒のことを考えて、あれもこれも教えたいと思うのでしょう。また、英語で話すと分からないと思うから、日本語をすぐに添える、という授業になりました。中学1年生を教えるとなるとそうかもしれません。そうであれば、大切なことをいつも3つ教えることを心がけることが解決につながります。多くのことを教えること、言い換えると、多くのこをと説明するだけでは教えたことにはなりません。「教える」というのは、生徒が「分かる」ことですから、そのためには、英語が

聞いて、
読めて、
話せて、
書ける

ようになることです。それをすべて一度にやることはたいへんですが、せめて、そのための「活動」を提供しなければいけません。中学1年生がLesson 3の段階で英語で自己紹介することは語彙などのことを考慮すると、形をある程度決めて、練習をしっかりとしないかぎり、むずかしいでしょう。ワークシートで書く練習をしただけでは、発表はできません。

形をまねる → 練習 → 使える語彙や文を示す → 練習 → 発表

というようなプロセスをきちんととって、成功体験をさせることが大切です。発想は悪くないと思います。ここでは、教科書で示している題材をそのまま使って教えることで十分です。教科書は、1で自己紹介の形を読んで理解できるようにしています。2で聞いて分かる、3で自分で何を伝えたいのかを書いて整理し、4で発表です。このそれぞれのタスクをどう展開するかが教師の仕事です。

12 KS先生の授業

KS先生はいい人柄です。授業もその人柄が出ています。指導案もきちんと考えています。多少考えすぎたかもしれません。でも、きちんと考えることは教師にとっては重要なことです。その点で、KS先生は教師に向いていると思います。ただ今回はちょっと考えすぎたかもしれません。あるいは練習が不足したかもしれません。一つ考えてほしいことは、授業は授業です。発表ではないし、資料を作成することでもありません。実際に授業を生徒を相手にすることです。生身の勝負なので、自分が用意したシナリオが終われば終わりにはなりません。「教える」ことを練習すべきでしょう。それを踏まえていくつか指摘したいと思います。activityはもう少し実際の生徒のことを考えて分かりやすいタスクにする必要があります。教科書で何を学んだのかを確認し、この授業で何を学ぶのかを考えると、教科書にあるダイアログではないでしょうか?教科書の題材をしっかり指導することをまず考えてください。教科書に基づくとすれば、ワークシートの内容や題材は日本の文化とはまったく関係ありません。生徒に多くのことを提示すると何を学んでいるのか分からなくなります。その点をよく考えてください。自分の個性に自信を持って、授業で何を教えるかを考え、計画をきちんと立て、ある程度シミュレーションして、授業をすることを考えてください。それを積み重ねることで、おそらくすべて解決できていい授業ができるのではないでしょうか?

13 MT先生の授業

高校1年生の授業でした。MT先生は英語については問題はあまりありません。もっともっとその良さを発揮したほうがよいでしょう。題材はとてもおもしろいので、このような教材は、本文の内容を分かりやすい英語で提示し、生徒とやりとりしながら、新出語句を適切に提示して、生徒に何を学習するのかを明確に示し、ポイントや、難しい部分を気づかせ、それを必要ならば日本語で確認し、それを練習するような機会を提供することです。日本の教科書の内容は、分量などの制限もあり、情報量が詰め込まれています。それを授業では補う必要があります。Kewpiesの背景をもっと教材研究する必要があります。さらに、Rose O'Neillという人についてもそうでしょう。それを英語で分かりやすくどう生徒に提示するかがこのレッスンの鍵です。ただ単に音読するだけでは面白みがありません。生徒は教師の英語を聞くことや、英語を読むことで、英語力がつきます。そのためには、障害となる語彙や文法はある程度説明する必要がありますが、その語彙や文法がどのようにコミュニケーションの中で使われるかを理解する機会を教師が提示する必要があります。MT先生はそれを自然にできる要素がありますが、ただそれは練習や準備を必要とします。それを工夫しないかぎり、つまらない授業をするしかなくなります。その点をぜひ工夫してください。期待します。

14 ON先生の授業

ON先生は授業をかなり工夫してくれました。面白かったです。私はこのように手をかける授業は生徒の意欲をかき立てると信じてます。ぜひその姿勢を続けてください。40人の生徒を相手にすると状況は変わるかもしれませんが、先生が生徒のために時間と労力をかけてくれていることは生徒にもすぐに分かります。ただ課題はいくつかあります。ぜひ次の点を考えてください。授業は、サザエさんを題材に教科書と関連させながら展開しました。これはおもしろい発想です。実際に教える場合は、教科書の題材とどううまく関連させて時間を効率よく使うかです。この点を考えてください。教科書のLesson 5は、Who〜?とWhere is 〜 from?というのが文のポイントです。また、新出語句は、India, boy, classmateなどです。このようなポイントをサザエさんの題材でも取り入れる必要があります。また、生徒とのやりとりの中で、もっともっと生徒に発話する機会を与える必要があります。中学校1年生は先生の英語を繰り返して言うことは、多くの場合それほどむずかしくありません。ポイントは、その際に、音と文字の関係の学習を提供することです。そのためには、フラッシュカードは必要です。さらに、単語だけではなく、意味のある語句のまとまりをきちんと練習させて、イントネーションなども練習して理解できるようにする必要があります。題材で興味を引きつけ、練習をきちんとすることで、生徒の発話(応用)はスムーズに行きます。そうするとコミュニケーション活動が生き生きとします。さらに「書く」という活動もアルファベットから丁寧に教える必要があります。「自己紹介の文を書く」と指導案にありますが、この段階では、生徒全員がさらっと書けないのがふつうです。その点も考慮して考える必要があるでしょう。ぜひ、この調子で工夫を忘れずに努力してください。英語に関しては、自分の長所は最大限に生かすことも重要です。もっと生徒には英語を使い、英語を話させる機会を提供しましょう。それは生徒にとっては最もうれしいことです。

乱筆乱文ですみません。趣旨を理解して、ますますがんばってください。次回も期待します。

2013年12月8日日曜日

グループ模擬授業2

第2回目です。グループでの授業も手際よくできました。授業をしてくれた人はありがとうございます。

以下、私の観察メモです。何度も言いますが、授業をして、それをもとにどう考えるかがポイントです。書いてもらうコメントもしかりです。どこをどう見ているのかがみなさんが教師となる上で必要な要素です。その点をどうか理解してください。

5 HI先生の授業

「文化紹介」という活動の授業です。目標も明確で、ほぼ教科書の指示のとおりにやれば授業としては成り立ちます。指導案については前回説明したのでここでは繰り返しません。私が見たのは、授業はスピーチの原稿を書いて発表するという部分でした。それについてコメントします。HI先生は明るい表情でいい雰囲気で授業していました。英語も自然でよいと思います。生徒には好かれると思います。時間が短いことを意識したせいで早口になりましたが、生徒とのやりとりの中で自然にそうなったのでしょう。生徒とのやりとりを大事にしようとという姿勢が出ていたのでよいと思います。ここでの授業のポイントは、言語的には「受動態」の定着です。また、新出語句もたくさんありました。それらをどう手際よく指導して、スピーチ原稿を書くところまで持っていくかです。それとともに、日本文化を紹介することです。この点については、よく考えていたと思いますが、実際に授業をするときは相当の授業準備をしないと生徒の興味を引くことはできないかもしれません。生徒がスピーチして、それについて質問しあうということですから、それなりの言語材料と文化的な素材を用意する必要があります。中学3年生の多くが必ずしも辞書を持っているわけではありません。その点を考慮して、ワークシートには必要な語句や参考となる英文は載せておくことが授業の成功のポイントです。ぜひ、他の人の授業を見て自分なりのアプローチを工夫してみてください。

6 SH先生の授業

授業で使う資料やカードなどをよく準備して、工夫した授業だと思います。熱心に考えたことがよく分かりました。タスクもおもしろいと思います。興味を持つ素材を準備して、生徒に考えさせるという工夫していました。発想はとてもよいので、ぜひその方向でいろいろな工夫を授業に取り入れてください。指導案についてはHI先生と同じです。前回述べましたのでぜひ読んでください。ここでは授業の基本的な考えを書いておきます。まず、教科書のタイトルは、Electronic Dictionaries -- For or Against となっていますので、このテーマで内容は考える必要があります。また、ここでの言語的な目標は、分詞の理解です。そこを優先すべきでしょう。新出語句も授業ではきちんと教える必要があります。それとここで選んだ活動がどう結びつくのかをもう少しきちんと考えるべきでしょう。実際の授業では生徒はこの課で何を学ぶのでしょうか?Electronic Dictionaries については、学校などではいまだに反対の声もあります。新出語句や教科書本文の内容は、意味だけ確認して終わりという訳にはいきません。生徒は先生が口で説明したからと言って、すべてを理解するとは限りません。その点を考えてください。ただ、最初にも述べた通り、タスクはとても面白いので、方向性はまちがっていないので誤解しないでください。生徒の立場にたって、この指導案で生徒はUnit5の内容が理解できたかを再度考えてみてください。

7 OY先生の授業

指導案については同じです。前回のブログをよく読んでください。一つだけTeacher Talkというのは、先生が生徒に向かって話す話し方全般を指していることばです。ここでは具体的に、どのようなことを話すのか書くべきです。以下も同じです。それはそれとして、授業での生徒とのやりとりはとてもうまいと思いました。その調子で授業に取り組むとよいと思います。教える姿勢もよいし、授業で何を教えようとしているということも明確で、生徒には分かりやすいでしょう。授業は、高校1年生を対象としています。「英語の授業は英語で」にそう展開でした。そうすると、おそらく内容的には教科書にある程度そった内容の展開のほうが授業はスムーズに進むと思います。つまり、話題は現代のネットワーク社会のことです。新出語句の導入と展開はよかったと思いますが、効率を考えると、その話題に関連して提示したほうが早いでしょう。授業時間を50分とすると、聞いたり、発音したり、読んだりする時間も必要です。授業展開からすると、翻訳するということはあまりやりたくないと思います。そのためには、効果的に時間を使い、OY先生が展開した英語でのやりとりを多くするには、どうするかを考えると、答えは見つかるのではないでしょうか。添付されたセクションは、1時間で終了しないといけません。「さあ、どうするか」です。

8 AM先生の授業

文部科学省検定済教科書ではありませんが、実際に教育実習に予定している学校の教材ということで了解しました。ただ、基本は、文部科学省検定済教科書をどう使って教えるかを考えるようにしてください。指導案については同じです。前回のブログをよく読んでください。さて、CLILという授業に挑戦してみようという試みはよかったと思います。何でも卒なく、楽してやろうと思うのは、人の常ですが、それでは何も進歩しないし、得る事もないでしょう。ここではCell phoneという内容を英語で学ぶという訳です。授業では、そのクイズの部分となりました。考えさせるという意味では面白いと思いますが、問題は、英語と日本語をどう使うかということになります。対象は高校2年生ですから、教師としては、ほぼすべて英語で説明してよいでしょう。むずかしい語句に日本語を添える程度でしょう。用意したワークシートももっと言語材料を多くして、クイズとするよりも、生徒がどう考えるのかという「思考」を重視して、互いに「コミュニケーション」するほうがよいと思います。CLILと言っても何か特別なことをする訳でありません。内容に焦点を当てて、自然に英語を使う環境を作り出すことが基本です。ちょっとうまく行かなかったかもしれませんが、チャレンジ精神が最も重要です。ただそのためには、他の授業も見ながら考えてください。

9 IM先生の授業

指導案については同上です。教育実習に行く前にきちんと理解してください。自分が何を話すかとうスクリプトも添えてくれました。これはとても好い事です。なぜかと言うと、1)何をどのように言ったらよいか客観的に見れる、2)生徒にとってどのような言い方がよいか考えるきっかけとなる、3)だれかに確認して、間違いを指摘してもらえる、などです。教師としは、可能なかぎり正確にだれにでも分かるような英語を話すべきです。「私は英語は得意だから大丈夫」は危険です。Native Speakerが必ずしもよい先生ではありません。生徒の気持ちがわかってこそよい先生です。さて、授業ですが、資料もよく考えて作成されていて、意図がよく分かります。この調子で教育実習もやってください。失敗するかもしれませんが、気にせず、続ければきっといい先生になります。アイディアもよいでしょう。ただ、教科書はspeakingのセクションでほぼタスクが完成されているので、そのまま教えてもよいところです。「教科書を教える」のはよくないかもしれませんが、生徒からすれば、教科書からあまりに離れてしまうとかえって負担が増えて混乱する可能性があります。まずは基本的なことをしっかりと学ぶ機会を提供することが最も大切です。それでも、IM先生が考えたことは決して間違っていないので、そこから学んでください。

今回もありがとうございました。それぞれの人がそれぞれに工夫して面白かったです。私自身も多くのことを考えさせられます。授業後に尋ねられたことを添えておきます。10分というのは、貴重な練習の機会です。10分のうちに生徒が読んだり書いたりする時間を3〜4分とってしまうとみなさんの教える練習時間が削られてしまいます。みなさんが一番むずかしいと考えていることを10分の中でチャレンジすることが重要だと思います。ぜひ貴重な時間を有効に使ってください。それから疑問がある人は遠慮なく質問してください。質問しないとあまり進歩はないかもしれません。

なお、ここで書いていることは、私のメモのようなものです。誤字脱字、思い違いはご容赦ください。明らかな間違いはぜひ指摘してください。

では、また。次回も期待しています。



2013年12月1日日曜日

グループ模擬授業1

昨年と変えて、新しい試みを始めました。理由は、もっと「教える」機会が欲しいという要望からです。どうしたら短い授業スケジュールの中で多く「教える」機会を取り、また、授業を観察し、省察を促すようにできるか、ということを考えました。

それが、今回のグループ模擬授業となりました。今回が第1回目です。

以下は、笹島が見たグループの授業の感想です。

1 O先生の授業
よく準備してあり、授業の流れもスムーズでした。英語も適切な使用をしていて、自然でした。やりとりが自然で、こんな授業はいいなと率直に思いました。ぜひ先生として教壇に立ってもらいたいと思います。

中学校3年生を想定した授業でしたが、生徒があまりにもスムーズに反応してしまうので、それに自然と反応してしまったようです。実際に中学校3年生を教えた場合は、たぶん異なるでしょうが、それに実際うまく対応できるかどうかです。そのために大切なことは、中学3年生のごく普通の生徒は何が分かっていて何が分かっていないのかをきちんと理解しているかどうかにかかります。教育実習などではその点を十分配慮できるかどうかが授業の善し悪しのポイントです。O先生が何気なく言った言葉がちょっと気になりました。「これはそれほど難しくないですね?」というようなさりげない言葉ですが、生徒がそう思うかどうかは別です。

指導案をざっと見ると、既習事項と新出事項が多少不明確だったようです。May I〜? Could you〜?は復習事項ですから、「導入」ではなく「復習」です。そうすると新しい学習項目は何か?となります。教材を見ると、コミュニケーション活動をすることが本時のポイントのようです。これが新しい学習事項だとすると、使う語句の理解の確認と練習をして、電話でのコミュニケーション活動がうまくできるようにする必要があります。また、Do you want me to 〜?という表現を新出の学習ポイントとすると、そのことを明確にして、PPPをしなければいけません。O先生の意図もそこにあったと思います。指導案にそのことを箇条書きで明確にして示すことで、たぶんその問題は解決するはずです。この先、ぜひその点を考えてください。

それでも、全体的に丁寧に教えようとする姿勢がよかったと思います。4回の授業の中で自分なりに授業というものを理解でき、改善しようとする気持ちがあれば、よい先生になると思います。

2 S先生の授業

同じく3年生の授業でした。多少の誤りをありましたが、全体的によく工夫していて、生徒は喜ぶと思います。O先生と同じですが、「復習」ということをもう少し意識して、生徒はどのようなことを学んでいて、これから何を学ぶのかを明確にしたほうがよいということです。教科書の内容に焦点を当てることはとてもよいことですが、言語についても、英語教師としては細心の配慮をする必要があります。Have you played〜?などの現在完了を使って発話することは、ふつうの中学生にはかなりむずかしい活動です。既習事項としても、丁寧な準備と練習が必要です。

教育実習などの授業案の作成は、自分のためでもありますが、指導の先生にも分かるようにしなければいけません。「導入」としてあるところは「復習」です。「展開」としているところが「導入」と「展開」です。ここはもう少し詳しく分かるよに書かないといけません。箇条書きがよいでしょう。指導案を書くときと、教材を作成するときは、もう少し注意して確認するようにしたほうがよいでしょう。教師としては、間違ったことを教えてしまうことは避けなければいけません。生徒からの信頼を失わないように注意しましょう。

S先生の授業のアイディアはとてもよかったです。その観点は忘れないようにしてください。教師が一生懸命工夫して教えると、多くの生徒は意欲が出てきます。生徒が意欲を出せば、生徒もアイディアを出します。そういう生徒の意欲の取り入れて、先生も一緒に学ぼうとする姿勢を見せると、授業は何をやってもうまくいくでしょう。でも、工夫を忘れるとあっという間にだめになります。注意しなくてはいけないのは、いろいろと工夫しようとすると、自分で分からないことが多く出てきます。その点には注意しましょう。

S先生も、私が見る限りいい先生になります。4回の模擬授業の中で多くのことを学び、また、他の人の授業に参加して、いいところをどんどん取り入れて、自分の教え方を考えてください。止まってはだめです。

3 K先生の授業

K先生も、英語を適切に使っていたと思います。やりとりも自然でよいでしょう。高校1年生を対象とした授業です。ただ指導案は問題が多いので、教育実習前に指導案の書き方はきちんと基本をおさえるようにしてください。おそらくざっと書いて見直ししていないようです。これは問題です。それが授業にも出ています。

授業のやりとりは自然なのですが、人数が30人〜40人になると、異なるやりとりになります。その際には、ある程度きちんと英語を使う必要が出てきます。また、授業の流れもきちんとしなくてはいけません。そうすると、目標設定は不明確です。何を教えようとしているのかがよく分からなくなります。授業のやりとりは問題がなくできているければ、その活動は一体なんなのか?語句や文法といった言語材料は何を教えているのか、ガリバーの内容の何が理解できることが大切なのか?など、個々のアイディアはとてもおもしろいのですが、授業の指導ポイントは何かが分かりにくいということになります。

そのようなことは、すべて指導案の作成があいまいであることに原因があります。教え方はあまり問題はないので、これから、他の人の授業を見て、よく「教える」ことを考えてください。短絡的な解決は危険です。なんでも適当に解決しようとするところに進歩はありません。ほんとうに教師を目指すとすると、K先生がよい先生になるかどうかの分岐点はそこにあります。

4 M先生の授業

M先生はよい雰囲気を持って、落ち着いて指導しました。Writing活動を展開しましたが、実際には、もっとていねいにWritingは指導する必要があります。中学生には、もっと言語材料を提供し、細かい指導をしなければ、そう簡単にさっと書けません。ワークシートに手紙の書き方を説明しただけでは、設定した課題の内容を書けるのはごくわずかの生徒でしょう。モデルを示し、練習をして、必要な語句や文法の理解を確認し、ある場面設定の上に手紙を書き、発表する場合も、その意味を考える必要があります。発想はおもしろいので、ぜひその辺りを反省して、考えてください。

問題は、やはり指導案にあります。まず「復習」がありません。前の授業までどのようなことを生徒が分かっていて、この活動をするために、何が分かっているのかをきちんと「復習」しなければいけません。新出事項は何かということがよく分かりません。そこは模擬授業ではやらないとしても指導案にはそれを書いておく必要があります。おそらくそこはあまり考えないで、手紙を書くという活動だけに焦点を当てたと思います。

模擬授業で、生徒に手紙を書かせる時間をとってしまうと楽ですが、実際の授業の練習としてはあまり意味がありません。手紙を書かせ、それを発表し、さらにその内容を他の生徒に質問するという活動はおもしろいかもしれませんが、コミュニケーション活動としては果たしてどの程度の意味があるのかを、ちょっと考える必要があります。

また、用意されたワークシートなどには多くの間違いがありました。他の人にも見てもらうことを、みなさんにはお願いしました。おそらく誰にもチェックしてもらっていないのではないでしょうか?人間はだれでも間違いをします。実際の授業では避けなければいけません。

いろいろと書きましたが、生徒とのやりとりや授業に対する考え方は正しいと思います。これからもっと自分なりに考えることで随分変わると思います。教育実習までによく研究してください。

本日がはじめてだったので、多々課題がありますが、4人の先生はみなさんよかったと思います。これからですから、他の人の授業を見て、自分の授業を振り返ってください。そこが一番大切です。

これから授業をする人へお願いです。次のことは必ず事前にきちんと行なってください。

1 指導案作成の際

次の項目を必ず入れてください。

対象生徒の学年
教科書名
教科書のどの単元、ページ
配当時間 
本時の位置づけ 前回どのようなことをやって、本時はどこを教えるのか、など。

目標: 言語材料の目標(語句や文法項目) 
    知識、文化、活動の目標

指導手順は、箇条書きで誰が見てもここで何をするのかをきちんと具体的に書いてください。
たとえば、「挨拶」ならば、どのような挨拶なのか?
必ずではありませんが、「復習」項目を入れてください。つまり、次のような構成にしてください。

挨拶・ウオームアップ
復習
導入(語句、文法、知識、技能など具体的に)
展開(語句の練習、文法理解のための活動、教科書内容の理解、コミュニケーション活動など)
整理(ノートを取る、まとめ、宿題)

2 教材は必ず用意して配布してください。
  授業前に前に置いておいて、各自に取ってもらってください。
  ワークシートは、誰かに必ず見てもらい、誤りを訂正してください。

3 必ずだれかを対象に練習して、アドバイスを貰ってください。

以上です。次回も期待します。ありがとうございます。





2013年10月17日木曜日

あいさつ・ウオームアップ・復習

あいさつ・ウオームアップ・復習

授業のはじめに何をどうするか?正解はありません。

が、基本はあります。

あいさつ   ーー 生徒の様子の確認
ウームアップ ーー 英語の授業という雰囲気と動機付け
復習活動   ーー 前回までの理解の確認

さて、次回は

語彙指導と導入をやってみましょう。

語彙指導は、新しい語句の導入です。
導入は、その授業の目標(ねらい)に該当する活動です。

高校2年生を対象とした「コミュニケーション英語II」の授業の語彙の導入です。下の教材を導入する際の語彙の指導を考えてください。時間は約10分です。各自本日同様実際に教えてもらいます。パスはなしです。

正解はありません。みなさんの工夫とアイディアに期待します。フラッシュカードなどを使うようでしたら各自で用意してください。

 考えるヒント:新出語句の意味、背景、発音を定着させる活動です。ただ生徒に「この単語の意味は何?」では芸がありません。背景は別の言い方をすると何か、どう使うかなどを提示することです。発音は練習する必要があります。

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The sorry state of ‘sorry’: Playwright Kankuro Kudo’s new film ironically depicts Japan’s apology culture

“I’m very sorry.” “I sincerely apologize.” “It won’t happen again.” TV viewers often see Japanese politicians, business operators and entertainers uttering such phrases at press conferences while bowing deeply. Sincere apologies probably work much better in Japan than anywhere else to help settle problems and alleviate the anger of other people. It’s part of Japanese culture.

A film titled “Shazai no Osama” (King of Gomennasai) depicts the culture with comic irony by illustrating how to handle various matters from household troubles to the fate of a nation.

In the film, a man working as a “shazaishi” professional apologizer (a fictitious job) helps his clients cope with their problems.

The film, directed by Nobuo Mizuta and starring Sadao Abe, with a script by Kankuro Kudo, is the third work of the famous trio. The film’s release came amid a surge in popularity for Kudo, who also penned the hit NHK morning drama “Amachan,” which ended its run last month.

(http://the-japan-news.com/news/article/0000707730)

2013年10月3日木曜日

2013年はじまり

最悪の環境でしたが、どうもお疲れさま。来週は場所も変わります。

この授業の目標は、「英語を教えることを学ぶ」です。みなさんの本日の疑問はおそらくしばらく解決しないでしょうが、なんとか答えを見つけてください。最終的には、自分が納得することが大切です。

みなさんの話を聞いて、教えることをたくさんすることに決めました。

来週、少しかいつまんで英語授業の組み立てを話して、早速その次から授業をしましょう。

予定は下記のとおりです。

10月17日 挨拶・復習
10月24日 語彙指導、導入1
11月 7日 語彙指導、導入2(自習)
11月14日 コミュニケーション活動1
11月21日 コミュニケーション活動2
11月28日 模擬授業1
12月 5日 模擬授業2 
12月12日 模擬授業3
12月19日 模擬授業4
 1月 9日 模擬授業5
 1月16日 復習


ぜひ参加してください!

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JACET(大学英語教育学会)主催、OUP, CUP他10社協力

英語教育セミナーと教材展示— 英語教材と指導法の今

ポスターダウンロード:http://www.jacet.org/seminar/2013English_poster.pdf
プログラムダウンロード:http://www.jacet.org/seminar/2013English_program.pdf

日時:11月3日(日)10時〜4時 (随時入場可)
場所:早稲田大学 早稲田キャンパス 11号館 4階

内容:
講演 「今求められている英語教育の方向性」    吉田研作(上智大学)
パネルディスカッション 「CLIL的アプローチと英語指導と教材」   
池田真(上智大学 )、長沼君主(東海大学)、笹島茂(埼玉医科大学)

Charles Browne、小野田栄、清水裕子他24件の発表と教材等のデモ展示
プログラム詳細は、JACET ウェブ
申込:JACETウェブより:http://www.jacet.org
事前登録者1,000円(学生500円)当日2,000円
問い合わせ:笹島茂 sasajima@saitama-med.ac.jp

2013年1月18日金曜日

今回の模擬授業を通して考えたこと

あらためて今回の21の授業を通して、私が考えたことをまとめておきます。

反省点として、

・授業の基本についての議論が不十分だった
 
英語授業をするには、基本的で実践的な知識や技能が必要です。基本は、学習指導要領です。中学校学習指導要領の外国語の目標は、


第1 目標

外国語を通じて,言語や文化に対する理解を深め,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り,聞くこと,話すこと,読むこと,書くことなどのコミュニケーション能力の基礎を養う。
となっています。学校教育法における学校は、これを基準として英語を教える必要があります。学習指導要領は大まかな教育内容を定めています。各学校では、この学習指導要領を踏まえて、教育課程(カリキュラム)を編成しています。
その上での模擬授業です。
学習指導要領は、実際には、現場ではあまり参照されません。多くの先生は気にしません。この授業を受けたみなさんの多くは、自分の学校経験を土台に、模擬授業を考えて、実践しました。そのために、やはり、高校や大学受験を意識した、自分の学習者として経験に基づいて、授業をした人が多くなったようです。それに、「英語で授業をする」という枠組みを与えられたので、その点で少し戸惑いがあったようです。
この点について、もう少し時間をとってから模擬授業に入ればよかったと反省しています。
昭和22年に発表された学習指導要領の英語(試案)をちょっと見てみましょう。その目標について次のように言及されています。長いですが引用します。
一.英語で考える習慣を作ること。
 英語を学ぶということは,できるだけ多くの英語の単語を暗記することではなくて,われわれの心を,生まれてこのかた英語を話す人々の心と同じように働かせることである。この習慣(habit)を作ることが英語を学ぶ上の最初にして最後の段階である。
 英語で考えることと翻訳することとを比較してみよう。前者は英語をいかに用いるかということを目的としているが,後者は古語を学ぶときのように,言語材料を覚えることに重点をおいている。前者は聴き方にも,話し方にも,読み方にも,書き方にも注意しながら英語を生きたことばとして学ぶのに反して,後者は書かれた英語の意味をとることにのみとらわれている。ここにおいて,英語で考えることが,英語を学ぶ最も自然な最も効果的な方法であることは明らかである。
二.英語の聴き方と話し方とを学ぶこと。
 英語で考える習慣を作るためには,だれでも,まず他人の話すことの聴き方と,自分の言おうをすることの話し方とを学ばなければならない。聴き方と話し方とは英語の第一次の技能(primary skill)である。
三.英語の読み方と書き方とを学ぶこと。
 われわれは,聴いたり話したりすることを,読んだり書いたりすることができるようにならなければならない。読み方と書き方とは英語の第二次の技能(secondary skill)である。そして,この技能の上に作文と解釈との技能が築かれるのである。
四.英語を話す国民について知ること,特に,その風俗習慣および日常生活について知ること。
 聴いたり話したり読んだり書いたりする英語を通じて,われわれは英語を話す国民のことを自然に知ること(information)になるとともに,国際親善を増すことにもなる。

多少時代背景がありますが、基本的に今でも通じる理念が書かれています。学習指導要領は現在でもそのスタンスを維持しています。教育職員免許状を取得するには、当然その点を理解する必要があります。
・教科書に対する理解が不足していた
「教科書を教える」のではなく「教科書で教える」とよく言われますが、これはあくまで教科書を読んで訳すことに対する批判です。教科書を無視してよいということではありません。その点、もっと教科書分析をする必要がありました。教科書はつまらないと考える傾向にありますが、そんなこともありません。また、生徒は、教科書内容をまず理解する必要があります。自分の価値判断だけで決めてしまうと危険です。教科書はたくさん出ています。教科書協会のウェブで紹介されていますので、概要は把握できます。
模擬授業に入る前にそのような時間が取れればよかったと反省しています。
細かい点はいくつかありますが、大きく二つです。これから実際に教師を目指す人は考えてみてください。
次に、私自身が模擬授業を通して思ったことを率直に書いておきます。
・授業とは何か?
ということです。学校の先生は、英語の授業だけをしていればいいという訳ではありません。実際教員採用試験では、教科を教えることだけではなく、全人格的な教育活動を要求されます。日本の学校教育は特にその傾向が強いと思います。また、高校や大学受験や部活動の指導などが教育活動で大きなウェイトを占めます。その点から考えれば、今回の模擬授業のどれもが現実的ではありません。教育実習に行くと現実があります。みなさんは、その現実に対応しなければいけません。
その点からすると、授業に必要な要素は、
英語の知識と技能
授業をコントロールする力
の二つです。それに、定義が不明な「人間力」が加わります。
しかし、私が、この模擬授業を通して「授業とは?」ずっと考えたことは、「教えること」を楽しんでいるかどうかでした。何を教えようと考え、どう教えようかと考え、どのような工夫をしたか、教えてみてどう考えたか。あるいは、観察者としてどのように授業ということを考えたか。あるいは、生徒としてどのように授業に参加していたか。そのようなことをずっと見ていました。
教師という仕事は、上の二つのことがある程度あればだれでもできます。しかし、「よい先生」はだれでもなれる訳ではありません。また、生徒との関係もありますから、だれにでも愛され、尊敬される先生はいないと思います。英語指導の場合、英語の知識があっても生徒にとってよい先生かどうかは別かもしれません。また、英語で授業をしているからといってよい授業かどうかは分かりません。「よい先生」の定義も様々です。
いままで多くの授業を見てきました。それぞれの先生はそれぞれの個性を生かして授業をしています。上手に教える先生の要素はある程度分かります。逆に、上手に教えることができない先生の要素もある程度把握できます。分岐点は、一言で言うと、
教えることや学ぶことを楽しんでいるかどうか
と考えるようになりました。教え方は様々な方法があってしかるべきで、こうしなければいけないということはありません。英語教師としてのプロフェッショナルは、生徒の英語力の向上をサポートすることだと思います。模擬授業を楽しく思った人はぜひ教師という職業を選んでください。
ちなみに、私はこの授業をするのが一番の楽しみでした。ありがとう。





2013年1月14日月曜日

模擬授業第6回目

19 SJ先生の授業

SJ先生は中学校3年生を対象とした授業で、パワーポイントなども使い、工夫をこらした授業でした。指導案もよく考えて構成されていて、授業をすることに対する熱意を感じました。実際に教師となれば、SJ先生に教えてもらう生徒は熱心に英語を勉強するのではないでしょうか。英語も自然に使われていて、生徒は最初とまどうかもしれませんが、次第に慣れてほぼ理解され、スムーズに「英語で授業」はできると思います。

さて、授業ですが、やはり全体の授業の流れ、つながり、がちょっと分かりにくかったという印象を持ちました。挨拶の場面とその次に続くスモールトークから生徒同士のペアワーク。ここは、ねらいを明確にして、その授業の目標と関連させる必要があります。ペアワークを中学生が行う場合は、ある程度準備が必要です。つまり、活動をかなり明確に設定しないとうまくいきません。

What did you do in your New Year holidays?

だけでは、会話が成立しないでしょう。想定する会話を考えて、モデルを示し、活動を行うようにします。どうしてかというと、クラスの全員が楽しまないとその後の授業に意欲が湧かないからです。授業のはじまりで盛り上がらないとよい授業にならない可能性が大きいと思います。

たとえば、私でしたら、

A: Hello. How are you today?
B: I'm fine. Thank you. How about you?
A: Good. Did you enjoy your winter holidays?
B: Yes. / No.
A: What did you do?
B: I visited XX Shrine with my family* /  I had a cold.*
(ワークシートにいくつかヒントを出す)
A: That's nice. / That's terrible.
B: Did you enjoy your winter holidays?
  .....

というパタンを提示し、それからペアワークをします。目的は、後置修飾の分詞を導入する下地をつくることです。つまり、この活動を受けて、

Who visited a shrine on New Year's Day?
You did. Taro is a student visiting a shrine.

Who wrote New Year cards?
You did. Yoko is a student writing New Year cards.
Yes. I got a card from Yoko. I have the New Year card written by her.

などと、次の活動につながるように設定します。SJ先生は、whichをここで取り上げましたが、効率性からすると、分詞をそのまま出したほうがよかったと思います。

しかし、実際の授業では、想定どおりにいかない場合も多々あります。それでも、そういうことを準備することが大切だと思います。その点、SJ先生はよく考えていました。授業案にもよく表されていました。経験を積んで、工夫を積み重ねていけば、すぐにもっとよい授業ができるようになるのではないでしょうか。

あえて、もう一つ付け加えておくと、教えることの基本を確認しておくことをアドバイスしておきます。いままでのブログの中でも書きました。たとえば、

板書
教科書題材の扱い
教材研究

などです。

ぜひ英語の先生になってください。

20 SC先生の授業

SC先生は、中学校2年生の授業でした。テンポがとてもよい授業でした。英語と日本語が自然にコミュニケーションの道具として使われていたと思います。あえて、英語で授業をしなければいけないとか、英語をうまく使わなくてはいけないとか、そのような思い込みはなく自然でした。人とのコミュニケーションが上手で、生徒もその雰囲気に入ってしまうような感じでした。授業は生き物ですので、いつもそのようにうまくいくかどうかは分かりません。授業案をていねいに準備しておくことは当然必要です。

SJ先生と同様にペアワーク活動がありました。これについては生徒に丸投げしてしまうことは危険です。特に中学校2年生ではていねいな指示が大切です。中学校の授業では、かなり効率よく学習計画を立てることが、つねに要求されます。文法や訳読に偏ってしまう理由の一因は、そこにもあるように思います。つまり、復習は当然重要なのですが、復習ばかりしていたら、先へ進むことができません。また、教えることにおいて、復習活動はそれほど難しいことではありません。それよりも習っていない新しいことを教えるときの工夫が大切です。

授業案を考えるときに最も工夫を要することは、

生徒が知らないことをどうやって教えたらよいか

です。たとえば、次のような韓国語を初めて教える場合どうしますか?それも韓国語で教えるとしたらどうしますか?

안녕하세요

これが使われる状況をまず示し、音声を提示し、意味を確認し、文法を確認し、文字を確認し、練習をして、定着を図る、などと考えます。

あるいは、それぞれの文字と読みを説明し、訳と文法を教えて、あとは生徒が自分で学習する、などと考えます。

あるいは、。。。

私は、個人的には、まず音声と意味から入ってもらったほうがうれしいです。つまり、ことばを学ぶことは、コンテクスト(状況、文脈)がとても大切だと思っています。これは、例文を選んで生徒に提示する場合もいつも意識しておく必要があります。

This is a pen.
I am a girl.

という文がよく意味がないと批判されることがあります。その批判の意味は、実際にどういう場面で使うのかということです。でも、この表現も状況によっては当然必要です。ことばを教える場合はたえずそのことを意識しておくことが必要でしょう。

SC先生は、指導案もよく考えてあり、実際の生徒とのやりとりも上手です。私があまり述べる必要もなく、教育実習でも、同様の姿勢で授業を工夫すれば、生徒の信頼は厚いでしょう。ぜひ、実際に先生になっていただきたいと思います。

あえて一つお願いするとすると、

自分が如何に話さずに生徒に発話させるか、生徒の発話を促すか

でしょう。それと、やはり教科書の内容を最大限に利用して教えることでしょう。教科書内容からあまり離れてしまうと、生徒は混乱する可能性があります。生徒の「学び」を優先し、生徒が活動する場を与え、生徒がどう英語を学べば効率よく英語力が伸長するのかを考えることです。SC先生は、それがきっとうまくできると確信します。

だれにでも言えることですが、一人よがりにならずに、いつも試行錯誤をくり返し、よい指導法があれば、一つの教え方に偏らず、常に柔軟に対応し、考えることです。教育実習でもそうしてください。答えはたくさんあります。

21 SE先生の授業

SE先生は、教育実習をすでに経験しているので、落ち着いて授業ができていました。実際に教えることを経験することは、大切だと改めて思いました。高校1年生の授業で、具体的に生徒を意識しながら授業を進めていたと思います。しかし、授業案で想定したようには、やはりうまく行かなかったのではないでしょうか?

教科書が扱っている内容に焦点を当てることは重要です。英語の授業は単に文法や語句を教えることだけではありません。また、コミュニケーション活動をしていればよいというものでもありません。生徒の思考を考慮する必要があります。内容は彼らの思考や情意にも反映するもので、学習意欲とも大きく関わります。その点から、授業では、Yukina's messageに焦点を当てることは最も重要です。その内容をどのように英語を通して扱うかが、この授業のポイントです。多くの場合は、日本語で扱ってしまうと思います。日本語の詩があるわけですから、それは当然です。

おそらく、詩の朗読は日本語でよいと思います。ポイントは、そのメッセージの背景とそれをどう互いに考えるかでしょう。授業のポイントはそこにおく必要があります。ただ、SE先生もそうしようと指導案では考えたようです。しかし、教える言語材料の方に焦点があたりました。これは致し方ないです。

授業後にちょっと質問しました。発音記号についてです。発音指導はたいへん重要です。当然、正しい発音、きれいな発音を指導することは望ましいことです。先生はそうしなければいけないかもしれません。その点からすると、発音記号を先生が理解しておくことは大切です。生徒はそうでしょうか?英語のアルファベット自体で苦しむ生徒もいます。さらに発音記号をノートに筆記することは果たして必要でしょうか?発音記号も、教科書に使われている発音記号と英英辞典で使われている発音記号は同じではありません。発音記号が読めたとしても正しく発音されているかはどうかは別です。発音に馴染むためには、何度も聞いて、何度も発音するしかないように思います。この点は、しっかりと考えていく必要があるでしょう。

SE先生は、語句の指導をていねいにやっていました。また、予習などについても配慮していました。実際の指導では、そのような細かい指導が、実は最も大切です。授業はパフォーマンスではないので、信頼される先生はそのように生徒の「学び」をサボートできる人です。SE先生はそのことが分かっているようでした。ぜひ、先生になってください。

さいごに

本日の3人の先生でこの模擬授業は終わりです。都合21人が授業をしてくれました。ありがとうございます。目的は、様々な授業を見て考えることです。授業がうまくできたかどうかは問題ではありません。

授業は芸ではない

は、私の持論です。授業に「達人」は必要ありません。教師は目立つものではありません。パフォーマンスでもありません。たしかに、授業がうまい先生、面白い先生、英語の上手な先生、意欲を喚起する先生などなど、見習うべきすばらしい教師はたくさんいます。しかし、みなさんは、人のまねをする必要はないと思います。自分らしい授業をすればよいと思います。その際の「ものさし」は、

対象となる生徒 と 目的

です。目指すべき目標をしっかりと設定し、そこに生徒をどう導くかということが大切です。学習指導要領の外国語の目標は何でしょうか?

コミュニケーション能力の育成

です。英語が使えるようにすることが、やはり、目的です。多くの生徒にとっても望ましいことではないでしょうか?では、どうするか?

答えは簡単です。私は、生徒に英語を使わせる ことだと思います。使う機会を与えるためには、授業は、英語を使う環境であり、学ぶ場であり、理解を確認する機会である必要があります。

先生が話す、説明する、講義する場ではありません。

しかし、説明も当然必要です。そこをどう工夫するかが英語授業ではないでしょうか?

この続きは授業でしましょう。みなさんのレポートに期待します。

いつもながら雑文で失礼します。