2015年12月19日土曜日

模擬授業7

たいへん興味深い模擬授業の機会をありがとうございました。みなさんにとっても授業を考える上で、役立ったことを期待します。

現在は、職人としての授業研究やある指導法の追求という授業研究ではない時代だと考えて、このような「いい加減」で「丸投げ」の授業を展開しました。ある面で不満を持つ人もいるでしょうね。その場合はたいへん申し訳ありませんでした。

私は、「省察を通して授業を考える」ということをこの授業で展開しました。授業に正解はなく、指導法にも、好みや良し悪しはありますが、正解はないと考えるからです。おかげさまで、今回もいろいろな発見ができました。私にとっては「おもしろい」模擬授業でした。それは感想に書いたとおりです。

「教える」ということはおもしろいプロセスであり、自分を育てるプロセスでもあります。みなさんの「教える」姿勢から、学習者は刺激を得て、「学ぶ」というプロセスを育みます。私はそれが大切だと思うし、それしかないのではないか、と考えるようになってきています。教師は、目立つ存在である必要はない、人を強制する存在ではない、ましてや、人の上に立つものでないと思います。つねに、学習者とともにあるという気持ちでよいのではないでしょうか?


17 YK先生の模擬授業

YK先生は自分の思想とかものの考え方にある強いこだわりがあるのでしょう。授業でもその姿勢が出ていました。教師にはある面でそういう姿勢が必要ですが、それが授業の前面に出すぎると、生徒には多少よくわかりにくいことが生じます。それが模擬授業で出たように思います。おそらくYK先生の授業スタイルは変わらないし、変える必要もないかもしれません。問題は、英語授業の目標とYK先生が教えようとしていることが合っているかどうかです。英語授業の目標は、「コミュニケーション能力の育成」です。授業で英語を使うプロセスを単純に考えた場合、教師が英語を使い、生徒が英語を使えるプロセスをていねいに授業で提示し、その場を与える必要があります。伝統的なPPPもtask-basedもCLILなども現在よく言われている指導法はみんなそのプロセスをどう実現するかを考えています。文法訳読もある面ではそれを目標にしていますが、実態はそうなっていません。YK先生の意図をどうコミュニケーション能力の育成という目標につながえるが今後のカギです。

授業がうまくいかなかったもう一つの原因は、指導案で表している流れをスキップして展開したことにあります。指導案どおりに展開しているともう少しYK先生の意図は理解されたでしょう。それから、時間配分などの具体的な展開が十分に準備されていない点です。頭の中で考えて、それを実際に練習してから、改善して授業を実施していないことがよくわかります。これでは同じ誤りを繰り返します。授業は理屈ではなく、実践です。うまくいくかいかないかは指導案の段階でほぼ決まります。教育実習ではていねいにその点をやってほしいと思います。

YK先生がしたい授業の展開は、私は大好きです。なんとか英語でそれを実施していただきたいと思います。それはそれほどむずかしいことではありません。教科書内容からそれほど離れないで、展開できます。It's important for us to think about peace.に焦点をしぼって、広島、長崎のことをもう少し深めるためには、YK先生自身のことばで英語で導入することです。ぜひ、教育実習で考えてみてください。

18 IS先生の模擬授業

IS先生は、すでに教育実習を終えているので、落ち着いて展開していました。いい先生になるとは思いますが、先生という職業には就かないようです。その点から、ここではIS先生の授業展開自体にあまり言及せずに、授業を見ながら私が考えたことを書いておきます。それは、英語の技能を中心とした活動と、文法や語彙の提示についてです。授業対象は高校2年生ですから、文法や語彙についてはあまり制限なく使ってよいでしょう。また、4技能も併せて統合的に学習する段階です。取り上げたのは、If it were not for 〜という文型です。いわゆる仮定法(subjunctive mood)ですが、最近ではあまりとりたててこの仮定法という用語をあまり使わなくなっている傾向があります。日本の学校文法では常識的につねに取り上げ、大学入試などでも触れられることが多いのです。しかし、それほどとりたてて、このような文型を扱う必要がどれだけあるだろうか?ということです。

言い方としては、Without the eyes (ears), If you didn't have the eyesなどと言う方が自然かと思います。実際にどの程度使うのかということを考えると、聞く、読む、話す、書くという活動のどの段階でどう取り上げるかを考えることも大切です。口語的な言い方、話し言葉と書き言葉、アカデミックな英語などなど、高校段階になると考える必要があるでしょう。教師としてのおもしろみは、そのようなことを考えることにあります。教師にならなければ、あまりそのようなことは考えません。留学したとしても同じです。目の前の課題の処理を通して経験的に学びます。親しい人と話すとき、プレゼンテーションをするとき、ビジネスの際に使うとき、などなど、英語は経験的に学びます。

日本の高校でも、学習者のニーズが高ければ、それを考える必要があると思います。What is uniquely human?という教科書の題材(元が授業の際に配布されていないのでわかりませんが)のテクストを見るかぎりでは、教科書内容は読んで理解し、それに対して英語で自分の意見をまとめ、発表する、などの活動で、私は十分だと思いました。指導案だけを見ると、文法訳読的な展開になっています。コミュニケーション能力という目標を考えれば、仮定法の文型に特化した活動をあえてする必要はないと思いました。

19 HH先生の模擬授業

HH先生は、生徒に、何かおもしろいことをしてやろう、という姿勢のある教師にとっては最も大切な素養を持った人だと思いました。いろいろと工夫してあり、よかったと思います。指導案は、教育実習の際にはていねいに書いておいてほしいと思います。グループワークなど実際に中学生を対象として授業をした場合、ていねいな準備が必要です。

授業のアイディアは、なるほどと思いました。着眼点がよかったです。展開にも工夫されていました。文法は、現在分詞です。指導案には、現在分詞をどのように使うのかを生徒にどう提示するのかが示されていませんでした。また、適切に文のかたちを板書したりしてていねいな提示がなされていませんでした。そのあたりの展開が指導案でも実際の授業でも多少わかりにくいものとなりましたが、アイディアはよかったと思います。教育実習では、提示のしかた、練習のしかた、ポイントの示しかた、活動にあたっての言語材料の準備などていねいにする必要があるでしょう。

活動は、教科書内容に沿っていたのでわかりやすい内容ですが、場面をつくることを考える必要があったように思います。絵を提示して、Who is Nobita? と聞きました。指摘もあったように、Which (one) is Nobita?などが適切だったと思います。あるいは、現在分詞の提示だとしたら、教師のほうから、Who is the boy wearing a yellow shirt? He is Nobita.などとしてもよかったでしょう。また、 describing your friends も場面を示して、Who is the man eating Yakitoridon?  -- He is 〜.  ◯◯ is the man eating Yakidorido.は場面がはっきりしないとよくわからない言い方だと思います。たとえば、

Mr Sasajima is the professor teaching English teaching methodology.(?)
Mr Sasajima is a professor teaching English teaching methodology (◯)
The professor teaching English teaching methodology is Mr Sasajima.
A professor teaching English teaching methodology is Mr Sasajima.(?)

例文をつくる場合は、ある程度複数の人に確認して作成する場合がよいと思います。また、場面を考えて提示しないと、意図しない誤解が生まれるかもしれません。その点で、教科書の英語はおもしろないなどと、多少誤解がありますが、よく考えられているので、できるかぎり学習者のことを考えても教科書などの英語は利用するようにしましょう。

3人の先生、いずれにしてもありがとうございました。また、みなさん、ありがとうございました。今回も興味深く模擬授業を見ました。どうしてかはわかりませんが、ちょっと忙しかったですね。ゆっくり授業について話し合う時間がありませんでした。

年を越して、全体でゆっくり議論しましょう。疑問に思うことなど、ぜひお願いします。

また、最後のレポートは期待して読ませてもらいます。

乱筆乱文にて失礼。









2015年12月13日日曜日

模擬授業6

模擬授業も終わりに近づくとともに、この授業もそろそろ終盤です。レポートも気になるようになりました。質問もありましたので、確認しておきましょう。

提出は、1月22日です。授業の時に提出してください。表紙をつけて紙媒体でお願いします。特別な理由がないかぎり、それ以前も以後も受け取りません。

レポートの目的は、英語授業に対する

授業者は、すべての人の授業が終わった後に次の点を含んで、自分のテーマにそったレポートを提出する。
模擬授業を通して、自身でテーマを持ち、それについて、調べて、考えたことを論じる。その際に、下記の4点について必ず触れること。みなさん自身の理解を深めることであり、授業の計画、実施、省察のプロセスの基礎を経験し、また、それぞれの授業を観察し、自分自身の関心をもとに探求することです。私はその点を評価します。

レポートの要点は下記の通りです。
ーーーーーーー
1) 指導案と実際に授業をした後の結果の比較
2) 指導にあたって、どのように準備して、どのように反省したか
3) 自分の授業と他の人の授業を比較して考えたこと
4) 自分のテーマの観点で、この模擬授業をもとに思考すること

言語は、英語、日本語どちらも可。資料なども含めて、A4用紙10枚程度。
テーマ例)生徒の英語学習意欲をどのようにして高めるか?
評価のポイント:内容、思考、構成、意欲など。
ーーーーーーー

みなさんは、自分で授業をして、クラスの他の人の授業を生徒として受けて、また、観察者として見ました。その点は、当然触れることが大切です。また、どのような視点で、それらを見たのかを考えることです。それに当たっては、それなりの文献(根拠)をもとに思考することが求められます。

それを私は評価(内容、思考、構成、意欲など)して成績をつけます。

また、1月8日に一度話し合う時間がありますから、その時間の議論も踏まえて、レポートをまとめてください。

また、1月22日は、自分のレポートについて3分程度でまとめて話してください。よろしくお願いします。

さて、感想です。

14.  SR先生の授業

指導案や資料を見ると、よく準備したことがよくわかります。SR先生はそのことだけでいい先生になると思いました。たくさんのアイディアがあり、「あれもこれも生徒に教えたい」と考えるのは教師の基本です。パワーポイントを使ったり、映像や音声を使うときは、環境によっては多少手間がかかりますが、可能なかぎり様々なことを生徒に提示することは、教師としては大切なことです。SR先生はそのような気持ちを持っているので、教師になれば絶対に成功するでしょう。

模擬授業自体は思ったように行かなかったようです。そういうことは実際にはけっこうあります。授業はプレゼンテーションではないので、どうしてもそういうことがあります。失敗を可能なかぎり少なくするためには、結局失敗から学ぶしかありません。どうして失敗したのかを考えて、原因を理解し、次はこうしようと策を考えることです。そのためには、それなりの努力をしなくてはいけません。本を読むことも重要ですが、観察することが最も有効です。教育実習では、まず授業を観察することです。それと、わからないことは質問することです。また、ある程度シミュレーションすることが失敗を防げます。SR先生はとてもよく準備したのですが、たぶん頭の中だけで計画したのだと思います。これは経験のある人はそれでもうまくできるのですが、経験のない人ではむずかしいです。

もう一つ大切なことは、「英語表現」という科目を選びました。「英語表現」の目標は、「英語を通じて,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成するとともに,事実
や意見などを多様な観点から考察し,論理の展開や表現の方法を工夫しながら伝える能力を養う」となっています。しかし、実態は、多くの学校では、文法学習の時間となりつつあるようです。だからと言って、仮定法に焦点を当てて展開するというのは、従来の英語教育の間違いを追随するだけです。その点をしっかりと考えるべきでしょう。授業を計画する場合は、やはり目標(何をどう教えるか?)をしっかりと設定することだと思います。

SR先生は、教えることが好きな人だと思います。教師の資質の第一歩はそれです。教えることが好きで、こどもが好きで、何かおもしろいことを生徒にして、学ぶことを楽しんでほしいと考えれば、教師はいい仕事だと思います。

If I am a teacher of English, I will teach English like ....

であってほしいと思いました。ありがとう。

15. KN先生の授業

KM先生は別のクラスでも模擬授業をしました。なかなかいいキャラクターで教えることがうまくなると思います。前回に比べるとちょっと遠慮したかなと思いました。が、生徒とのinteractionがよくできていました。生徒の発話をよく聞いて、それに対してていねいに対応していました。いつも思うことですが、生徒役の人がどうしても大学生で大学生のように対応してしまうので、英語がむずかしくなってしまいます。実際に中学生や高校生を教える場合はそうはいかないでしょう。KN先生はそのことにうまく対応でき、生徒の気持ちのわかるいい先生になると思います。

そのことを前提にいくつか思ったことを指摘しておきたいと思います。まず、他の人にも同じことを言っていますが、「板書計画」ということをいつも指導案作成の際に考えてもらいたいと思います。基本は、黒板に書くことは生徒はノートをとる必要があり、それをノートにとるということは、どこかでノートをとる時間を設定する必要があるということです。また、ノートばかりとっていると言語活動がおろそかになります。つまり、板書は必要なことを精選して整理して書くことが大切なのです。殴り書きは避けるべきでしょう。指導案作成の際に必ず「板書計画」を考えましょう。

もう一つの理由は、ワークシートは便利ですが、生徒の学習や教室活動の活性化を考えると必ずしも有効ではありません。ワークシートだけではなく、生徒の顔が前を向くように板書やプロジェクターは必要です。ワークシートに書いてあることは、板書などでもきちんと提示する手間を省略しない工夫が、授業の成否を決めることもあります。

それから、robotの話題はたいへんおもしろく、私は教科書内容を広げることには大賛成ですが、まずは教科書の題材を大切にしてください。

授業の基本は、基礎基本を大切にすることです。

だれもが英語学習を好きとは限りません。また、みんなが意欲があり、なんでもすぐに理解できるわけではありません。まずは教科書で扱われている内容をていねいに興味を持てるように授業を工夫することです。扱った教科書題材の学習ぽいんとは、I (don't) think (know, hera, ...) thatをもとにして、自分の意見を述べ、それに対して議論することです。おそらく、KN先生もそう考えたはずです。しかし、それがちょっとうまくいきませんでした。少し内容を盛り込みすぎて、焦点がすこしぼけました。大学生でもそうですから、中学生ではなおさらです。展開はもっとすっきりとする必要があったと思います。そのためには、やはり目標をきちんと設定することです。

KN先生の授業は二つ見ました。たいへん勉強になりました。ますますがんばって教育実習でもさらに活躍してください。きっとうまくいきます。

16. TH先生の授業

TH先生は授業を実施するにあたって一所懸命考えたと思います。しかし、ひょっとすると、この模擬授業だけを考えたのかもしれません。もう少し広く、教科書全体、教育実習、中学生の実態、英語学習の目的などなどを、興味をもって、自分にとってもプラスとなるように、創造的に考えると少し違った展開になったかもしれません。

指導案や用意した資料を見ると、TH先生がよく考えたことがよくわかります。私はTH先生の授業を見ながら、sign languagesのことに興味を持ちました。教科書の例は日本語のsign languageが示されていました。では、英語で「はじめまして」Nice to meet you.はどうするのだろうか?と考えました。教科書の内容はとても簡単に書いてありますが、けっこう奥が深いような気がします。

ついでに次のサイトを参照しました。

American Sign Language

British Sign Language

ぜひ見て研究してください。面白いですね。生徒もそれに興味を示すのではないでしょうか?

受動態に焦点を当てていました。ここの文法項目は、おそらく、make me happy です。それ以外はそれほど焦点を当てなくてよいのではないでしょうか?それよりも教科書の内容に焦点を当て、意図したとおり、sign languageに焦点を当てるべきでしょう。しかし、それが日本語だけではあまり意味がありません。日本語と英語を取り上げるべきだったのではないでしょうか?

指導案を考えるときには、教材を見て、目標をどう定めて、どこに焦点を当て、どのように展開するかを工夫することです。一人で考えるよりは、多くの人の意見を聞いて、考えるほうが絶対に成功します。指導案を作るだけでは意味がありません。また、授業の中の活動として、模擬授業をすることも意味がありません。あるのは、やはり、英語の授業を実際どうするかです。

TH先生の真摯な姿勢は必ず教育実習でも生きるはずです。ぜひ自分のために、また、生徒のために、授業をしてください。ついでにsign languageも研究してはどうでしょうか?

みなさん、ありがとう。あと1回です。おもしろい授業を期待します。

2015年12月6日日曜日

模擬授業5

模擬授業もいよいよ後半です。実際の教育実習や授業を想定することはやはりむずかしいことですが、大切なことは模擬授業で、授業を実施するためのプロセスを学ぶことだと思います。私にはそれを「教える」ことはできません。自分で掴むしかないでしょう。プロセスとはざっと整理すると次のようになるでしょうか?

(授業準備)
1 授業の目標設定
2 教材理解のための研究
3 教材を扱うための準備(資料など)
4 学習のための教材の選択と整理
5 目標に沿った授業展開と活動(時間配分)
6 指導案の作成(教材、教具、ワークシート、板書、宿題などの確認)
7 評価の方法の確認

(授業実施)
8 授業展開中の確認と修正
9 生徒とのやりとり
10 生徒の理解の確認
11 活動の確認と評価

(授業後)
12 生徒の理解の確認
13 授業のふりかえり
14 授業の修正点の整理
15 次回への課題

模擬授業には成功も失敗もありますが、あくまでも模擬なので、実験として考えてけっこうです。また、生徒役、観察の立場で授業を見て、何に気づくかが大切です。人の授業を真似するのではなく、常にクリエイティブであるべきだといつも思っています。

その点から今回は面白かったです。以下、感想です。

11 UE先生の授業

思ったとおりいかないということがよくわかった授業だと思います。失敗と言えば失敗ですが、やろうとしたことは大切なことです。これを次に生かしましょう。もし生かせなければ、この模擬授業は無駄だったということになります。無駄にしないようにしっかりと考えてください。ただUE先生の「教える」姿勢はよいと思います。工夫があるからです。Information gapというある意味でCLTでは古典的なタスクを行いました。うまくいかなかった大きな原因は、簡単です。シミュレーションがなされていなかったということです。だれかを相手に一度練習すれば問題が明らかになります。実際の授業では、それを必ず行ってください。一人で頭の中で考えていても、そのとおりにいきません。この点がいわゆるプレゼンテーションとは大きく違います。授業は相手があり、対象となる生徒が授業で設定した目標を達成したかどうかが大切です。自分がやりたいことをやって、「あとは野となれ山となれ」ではいけません。教師の仕事の中心は、生徒の学習の世話をする、支援する、ということです。ただ「教える」だけでは教師としては不十分でしょう。

UE先生は、その準備が少し欠けていました。指導案を見ると、過去進行形の定着を図るための活動を模擬授業では実践してみたわけです。しかし、授業のねらいは、教科書の内容にある春の行事であり、文化的なことなどを考えながら、英語のコミュニケーション能力を高めることです。中学生は、基礎基本がまず大切です。その点をていねいに教え、学びの活動を支援することが、教師の主たる仕事です。UE先生のタスクに対して準備した情熱をぜひこちらにもていねいに向けてください。

ていねいさというのは、板書の書き方に現れます。中学生の学習にとっては、やはり板書したことが、その授業で習うポイントです。

It is Friday. It is September 4th (fourth). It is cloudy. It is 5 o'clock. ....

などの挨拶もきちんと毎回毎回ていねいに、発音、スペル、コミュニケーションなど指導することが大切です。英語が苦手な子は必ずいます。

「なんとかなるだろう」は危険なのでできるかぎり避けるようにしましょう。

でも、UE先生のアイディアと授業に対する姿勢はとてもよいので、めげずにがんばってください。授業は自分も楽しむことが重要です。指導案はよくていねいに書かれていましたが、実際の授業を想定できているかがポイントです。かなり準備したことはよくわかりますので、その気持ちでさらに向上してください。あとはなんでもだれかに質問したり、確認したりすることです。そうすれば、それほど大きな失敗はしないはずです。そのためにはつねに基本に立ち返ることでしょう。

ありがとう。

12 HK先生の授業

HK先生はけっこう楽しんで授業をしていました。とてもよい姿勢だと思います。ただ大切なことは、授業の主役は生徒なので、自分の考え方を生徒に押し付けるのはけっしてよいことではありません。教師の個性はもちろん重要です。また教師の思考は授業の基本です。それぞれのバックグラウンドや文化も当然教師の力量を構成する大切な要素です。そのことを授業で試したみたということでしょう。いい先生になると思います。が、もっと勉強して、授業を考えて、工夫してみてください。ちょっと工夫がたりなかったように思います。個人的にはちょっと面白みに欠けていたと思います。

理由は、やはり、高校時代の従来の授業に引きづられていて、文法訳読の指導法から、あるいは、従来の大学受験の知識を基盤とした知識の構築という教え方から脱却できていない授業構成だったということです。これでは、HK先生の良さが出ていないと思います。もっと勉強して英語教育を考えて、何か変えてほしいなと思いました。具体的に言うと、関係詞のwhichを「どげな」と説明していた点です。「どげな」は面白い考え方ですが、コミュニケーション能力という点ではどうでしょうか?英語力という点ではどうでしょうか?ワークシートもやはり文法理解のための、あるいは、学習のための、という構成でした。教科書は、interesting languagesという内容で、日本の文化がアメリカで扱われるかなどを扱ったものです。これと活動も関連させる必要があります。本文もスピーチです。教科書はやはり基本ですので、単に日本語と英語の対比ではなく展開する必要があったのではと思います。「上を向いて歩こう」には様々な背景があります。生徒はそれに興味を持つかもしれません。

ちょっと厳しいことを書きましたが、それは期待しているという意味で考えてください。アイディアや教える姿勢はとてもよかったです。私自身も「どげな」には考えさせられました。このアイディアは、あまり独りよがりにならなければ、きっと生徒には受けるでしょう。しかし、英語の授業は何が目標を考える必要があります。やはりコミュニケーション能力の育成が目標です。それを忘れないように、様々なアイディアを試してみてください。工夫、工夫、工夫の連続です。

期待してます。

13. TS先生の授業

なかなかおもしろい授業でした。TS先生の個性がよい意味でしっかりと出ていて、芯のしっかりとした安心できる授業でした。しかし、指導案については、単元の目標、指導計画、本時のねらいなどは明確に書く必要があります。再度考えてみてください。たとえば、単元の目標の「基本文」とは何か?「失敗エピソード」を理解するとは何か?失敗から学んだ自分の経験とは何か?など。本時のねらいの「want + 人 + 動詞の過去分詞形(原形?)

しかし、書き方はやはり再考してもらいたいですが、本時のねらいの論理的思考についてのアプローチはとてもよい発想です。日本の授業ではどうしても欠けていることが多いような視点だと思います。実際の授業ではもう少し工夫する必要がありますが、この点は授業の際に、TS先生だけではなく考えて教育実習などで授業を考えるとよいと思います。

歌を扱うことはとてもよいことです。生徒は喜ぶでしょう。ただし、これも様々な使い方があるので、ぜひ研究してください。扱いは授業時間全体の長くても5分程度です。あまり時間を使いすぎると授業になりません。指導案を見た限りでは、教科書の部分がコミュニケーション活動になっていないので、ここは工夫する必要があるでしょう。教科書内容を英語で教え、その中で論理構成を指導することが大切です。教科書内容を軽く扱うことは危険です。

英語の教師を目指すとすれば、どのような生徒であっても、ていねいに、生徒の能力に応じて教えられる必要があります。その際には、教科書題材を大切にして、それを基本として、コミュニケーション能力の育成することです。歌やビデオや新聞記事などオーセンティックな教材は教科書題材と関連して選択する必要があります。ぜひその点を考えてください。

TS先生がやろうとしたことはとてもよいことです。ぜひその発想は大切にしてください。また、授業に対する姿勢も教師向きです。おそらく上手にできるでしょう。ただ、それがよい教師かどうかは別です。教師としてはもっとこの機会に勉強してください。それは様々なことに応用できるはずです。期待しています。

今回は、3人とも実に異なるアプローチで興味深く見させてもらいました。勉強になりました。ありがとう。




2015年11月21日土曜日

模擬授業4

やはり「見て、考える」ことで少しずつ授業が進化していきますね。面白いアイディアが出てきて、工夫してきました。それとともに、みなさん、自分の強い思い込みや自身の経験からは出られないということもよくわかります。それは悪いことばかりではありませんが、教師としては、自分の思いや信念(beliefs)というものが他者(生徒)にもどの程度うまく伝わり、共感を得られるかが、鍵だと思います。

このような授業を、肯定的に捉え、しっかりと自分自身の思考(teacher thinking)と省察(teacher reflection)に生かし、教える知識(teacher knowledge)を高めるために、生かしてほしいと思います。効果的な「学びの共同体(community of learning)」としてください。さて、感想です。

9 AK先生の模擬授業

生徒との英語でのやりとり(interaction)がうまくできていました。Fair Tradeに関して簡単なやりとりがありましたが、あのあたりをもっと練習すべきだったと思います。ワークシートには説明がありましたが、中学生にとってはやはり教師による興味や理解の支援が必要です。教科書の題材としてもそちらの方に重点を置いているのではないかと思いますが、添えられた資料にはそれがないのでよく分かりません。私が教師だったら、文法にばかりこだわらず、Fair Tradeのことなどの理解をふくらませて活動を考えます。

AK先生は、教えることの中心は文法にあると考えているようです。現在完了の経験に焦点を当てました。生徒とのやりとりを上手にしていたのですが、基本は文法構造の説明となり、文法構造の定着を図る練習です。指導案もほぼそのように構成されていました。文法構造に焦点を当てるとなると、Focus on formの考え方を取り入れると、場面や状況をもっとうまく設定する必要があります。Have you ever 〜?だけの練習だと、学習者は、everがいつも必要だと思ってしまうかもしれません。また、継続、経験、完了というような意味の違いも決して明確ではありません。現在完了という時制の理解を長い時間かけて学習する機会を授業で提供することを心がけたほうが、生徒には親切なのではないでしょうか?

生徒との英語のやりとりがうまくできるので、文法や語彙や発音の細かいことばかりを教えることを考えず、広くコミュニケーション能力としての文法や語彙や発音の指導を工夫すると、もっと生徒にとって役立つ授業が展開できると思いました。授業では取り上げられませんでしたが、ワークシートの内容はとても面白くできていました。中学生にはむずかしい内容ですが、授業展開では、ワークシートの内容をもっと中学生でもできるように、また、焦点を当てている文法項目が活用できるように工夫するといいでしょう。

Fair Trade: http://schools.fairtrade.org.uk/resources/lesson-kits

ありがとう。

10. SN先生の模擬授業

英語で授業をするという姿勢は大切です。うまくできました。ポリシーとして「英語で教える」という気持ちをもって授業をすることは、生徒にとっては大きな刺激となります。世界のあちらこちらへ行っていろいろな先生に会うと、「英語で授業をする」と決めて、授業をしている人も多いです。日本ではそれが不自然なように受け取られがちですが、かえって「英語の授業は英語でする」が自然です。ただ大切なことは生徒が英語が理解できない場合にどうするかでしょう。一般的に言って、生徒がわからないのに英語だけで授業をするのは無理だと思います。母語は当然必要でしょう。SN先生は、自然な感じで生徒と英語でやりとりしていました。上手です。特に、ちょっとむずかしい表現が出てきた場合に、上手に言い換えたり、意味の近いことばを使っていました。これは、communication strategiesと呼ばれているコミュニケーション能力の一つです。教師がこれをうまく使うと生徒も理解できるようになり、コミュニケーションは円滑にいきます。SN先生は上手でした。

ちょっと残念だったのは、当初指導案を見せてもらったときにも指摘したような気がするのですが、生徒の活動です。先生がしゃべり過ぎてしまいました。でも、これは模擬授業ですから、よい練習になったのではないでしょうか?実際の授業では、もっと生徒の活動、生徒の発話に工夫すべきでしょう。大学生でも少し詰まっていましたから、高校生ではなおさらです。

挨拶を文化とからめて展開した点はおもしろかったです。生徒にもっと考えさせて、みんなが発言できるようにできたらうまくいくのではないでしょうか?生徒に無理やり英語だけを強制することなく、日本語でも答えてよいというような雰囲気を作ると、先生が英語で話し続けることの意義が出てきます。これって、CLILです。SN先生が興味を持ってくれるとうれしいですね。

指導案全体はちょっと問題があるかもしれません。やはり教科書題材の理解と習熟が第1ですので、それに授業活動をうまく組み合わせる必要があります。今回は一つの実験として評価に価すると思いますが、授業展開については、まず基本をおさえるようにしてください。

ありがとう。

11. SM先生の模擬授業

SM先生も自然な英語の使い方をしていて、私は好きな感じです。実際の高校生でもうまくいくのではないかと思います。大切なことは、ことばを大切にすることと、ことばを意識することだと思います。日本でよく批判される英語教育は、あまりにも知識の正確さに焦点を当てることです。また、授業自体が、文法の細かい知識の蓄積と正確な意味の理解です。それが英語でも日本語でも要求されるので、あまり勉強が好きではない学習者は嫌になってしまいます。また、逆に、コミュニケーションができればいい加減な英語でもよいという指導も批判されます。その点、SM先生は、英語と日本語をきちんと分けて考えるという展開を授業に取り入れようとしました。つまり、目標や活動を生徒に見えるようにしている点でよいと思います。

英語での活動では、特にsmall talkがよかったです。高校生にはもう少しサポートなり、練習が必要ですが、授業でこれがうまくできたら生徒にとっても有益ではないでしょうか?あるタスクがいつも設定され、機械的に何かの目的のためにだけ活動し、評価を気にするよりも英語を使うという目標のためには、このような活動が大切です。最初は、先生がうまくsmall talkをモデルとして示し、そこで使われた表現をまねて、生徒同士でできれば自然なコミュニケーション活動ができるようなイメージを持ちました。

単語のおぼえかたなどの学習方法(study skills)を指導することも教師にとっては重要な仕事です。模擬授業や教育実習では短絡的な指導をせざるを得ませんが、教師にとって最も大切なことは生徒の学習支援です。生徒が自分で学習できるように促す道筋を作ることです。これは、学習者の自律(learner autonomy)として、一つの大きな目標です。SM先生は、日本語でそのことに触れました。よいことだと思います。word formationはprefix, suffixなどの用語を使わなくても具体的に例を示して指導し、推測させることで、興味をおぼえるでしょう。このような学習活動も大切です。

乱筆乱文ですみません。そろそろ出かけなくてはいけません。

World Association of Lesson Studies (Wals 2015)

おもしろい学会です。

一つ言い忘れました。この模擬授業はうまく行ったか行かないかということより、みなさんがこれらの活動を通じてどう考えたが重要です。そのことを忘れないでください。ということでレポートが最も重要です。それがなければこの授業は無意味です。

よろしくお願いします。


2015年11月16日月曜日

模擬授業3

模擬授業も3回目です。授業をした後に直接いろいろと話ができるともっと効果的に授業について考えることができると思いますが、ブログだけだとやはり伝わりにくいです。

現在の言語教育の世界的な流れは、やはり、Communicative Language Teaching (CLT)です。学習者が英語を学ぶ目的は、「英語が使えるようになりたい」です。では、どうするか?ということになります。

それともう一つ考えていただきたいのは、授業の主役はだれかということです。教師ではないということです。もちろん生徒が何をどう学習したかです。生徒役をしている人は、自分が中学生や高校生の立場にたってどの程度考えらえるかがポイントです。自分だけの経験で授業を考えることは危険です。また、頭の中だけで考えた授業もうまくいきません。実践あるのみです。実践してうまくいかないことをどれだけ修正していけるかが、みなさんが「よい教師」となれるかどうかのカギだと思います。

さて、感想です。

6. AM先生の授業

AM先生が実施しようとしたことはよくわかります。発想もおもしろいし、個性豊かで、もっと工夫すると生徒にとっておもしろい授業になるでしょう。問題は、おそらく練習していない、つまり、シミュレーションしていない、ということにあります。これはとても危険です。教育実習では避けるべきです。その点は、実際に授業をしたAM先生が一番よく分かったでしょう。生徒ととのやりとり(interaction)があまり活発ではなく、生徒に「はい、やって!」となりました。

Keep writing (Which color do you like best?)は、おもしろい活動ですが、設定をもう少し明確にしないと高校生は書けないでしょう。書いた内容をペアで共有するとしましたが、もしそうであれば、コミュニケーション活動として、どうペア活動をするのか示す必要があります。また、書いた内容には間違いが当然ありますから、そのフィードバックと評価をどのようにするのかを明確にしなければいけません。その点があいまいでした。

原因は、その前の色の導入(ここは復習でなければなりませんが)の意図が不明確で、内容の興味が不消化だったことです。つまり、活動のひとつひとつが次の活動とのつながりがよくわかりませんでした。AM先生の頭の中では、あるプランができているのでしょうが、実際に実行可能かどうかを検証していませんでした。

授業をどう展開するかをイメージし、実施の手順をシミュレーションし、うまくいかない部分やむずかしい部分の修正をし、さらには、生徒がつまずいたらどうするか?どうフィードバックし、その活動が生徒にとって何の意味があるのか?その活動をどう評価するのか?など、どれだけていねいに展開できるかです。

やはり、AM先生の授業は、その「ていねいさ」が欠けていました。それは用意された資料でもわかります。逆に、その大胆さがAM先生の良さでもあります。そのバランスをうまくとって授業を考えてもらいたいと思いました。

問題も多々ありましたが、期待の持てる授業でした。ありがとう。

7. KY先生の模擬授業

AM先生とは対照的な授業でした。授業は自分の個性を生かすことが重要だと思いました。ただ誰かの真似をするだけでは芸がありません。また、日々よい実践を続けることが大切なので無理をしてはいけません。授業は決してパフォーマンスや芝居だとは思いません。「学び」を演出することです。その点KY先生の授業は個性がよく出ていました。

多少気になったのは、単元の到達目標が多すぎることでした。CAN-DOで設定している点はよいですが、一つの単元で、多くても5〜6程度に設定するほうが、中学生には優しいでしょう。それから指導計画ですが、8時間はたぶん多すぎると思います。本時のSpeaking Plus 1は1時間配当です。ということは、本来の教科書の意図は、文法に焦点を当てることではなく、「話す」活動にあります。

それはさておいて、KY先生の文法指導に焦点を当てた授業はおもしろいものでした。あえて言えば、「話す」ことが活動の主体ですから、英語でやりとりしながら、特に「話す」ことの文法に焦点を当てた展開が可能だったのではないかと思います。と言うのは、「依頼」を扱う教材なので、場面を提示することが大切です。おそらく、「依頼」の場面をたくさん設定して、推測し、考えさせることで、may, can, couldなどの使い方については指導できたのではないでしょうか?実際に場面を意識して、may, can, couldを使うことで定着はより効果的に図れるはずです。

文法は何のために教えるか?ということの基本は、やはりコミュニケーションとして英語が使えるためでしょう。受験のためではありません。でも、生徒の中には、文法という言語のしくみに興味を持つ人もいます。しくみが分からないと先に進めない人もいます。ただ、英語は使えばよい、おぼえればよいというものでもありません。なぜ、may, can, couldという法助動詞の働きが違うのか?また、どう違うのか?など、言語の働きはおもしろいものです。もちろん、生徒の中にはそれが苦手な人もいます。

教師は、自分の興味を生徒に押し付けるのはやめたほうがよいです。自分の興味は興味として多様な引き出しを持つことが大切です。その点、KY先生のていねいさはよかったと思います。授業中に「thank you」と何回も言っていました。これはとても大切です。

ありがとう。

8. IN先生の模擬授業

IN先生は、模擬授業の資料の準備で遅れてしまいました。これも個性ですが、やはり準備はきちんとしましょう。指導案の構成が少しよくわかりませんでした。何が復習で、何が新しい学習なのか?指導案を見ただけではわかりません。また、実際の授業でもその点がごちゃごちゃになっていたようです。中学校2年生では、その点をきちんと整理して、ていねいに提示しないと大きな失敗となります。気をつけてください。

ただ、授業にはそれぞれの活動で工夫がなされていました。よい点が多々ありました。ちょっと自信なさそうに小さい声になりましたが、真摯な姿勢が出ていたので、実際の生徒の前でもその姿勢で授業をすれば特に問題はないでしょう。Small talkも自然に英語を提示していたのでよかったです。ただ、グループ活動の説明はもう少し整理してうまくするべきでしょう。効果的に時間は使うべきです。きちんと考えれば、英語だけでも十分指示できる内容でした。活動自体はとてもおもしろく、工夫された内容です。

授業をするときには、やはりその先生自身の個性や特技は生かすべきだと思います。IN先生は絵がとても上手で、実にていねいにピクチャーボードを作成していました。これはもっと堂々と提示すべきでした。もったいない。

授業は意外と単純で、先生の熱心さが多くの活動の前提にあります。先生が工夫しない、あるいは、いい加減に授業をすると、生徒もいい加減になります。先生が熱心で、工夫をしてくれると、生徒は興味を示し、頼りないと、助けてくれる生徒がいます。生徒のそのような支援してくれる姿勢は、学習としても有効な活動で、ぜひ活用すべきです。先生がすべて仕切らなくてもよいのです。授業の理想は、learner centeredness(学習者中心)です。中学生にとってもそれは重要です。

この模擬授業では、大学生が相手です。どうしても大学生として活動してしまいます。それはそれとしても、これが中学生だったら、これが高校生だったらと、想像できる力、予想できる力、そのために準備できる力が、教師の力でもあります。分からないから「できない」では先に進みません。IN先生は、その点で、中学生を想定してよく考えましたが、授業の展開においてもう少し工夫する余地があります。

IN先生が用意した教材の絵















結構時間かかったと思います。が、これって生徒は喜びます。ありがとう。

次回も期待しています。それぞれが勉強して、工夫して、よい時間としてください。


2015年11月8日日曜日

模擬授業2

最初に述べたように、模擬授業の良し悪しでこの授業が評価されるわけではありません。ですから失敗してもかまいませんが、工夫のない授業、楽する授業、適当にやる授業、なんの意味もない授業、チャレンジしない授業、準備不足の授業などは、この授業を受けている人にとって何の意味もない無駄な時間となります。

それは絶対にやめていただきたい

私は、あえて「こうしなさい」とは言いません。適当にやるのならば、それはそれで評価します。ただ誤解しないでいただきたいのは、私もこの授業でみなさんの模擬授業を見ながら考えています。勉強しようと思っているわけです。ぜひ工夫してください。よろしくお願いします。

今回模擬授業をした3人の人は自分なりに考えて努力したことは認めます。授業の際は多少失礼な言い方になったかもしれません。その点はぜひ最終のレポートに反映させてください。反論も堂々としてください。みなさんがこの授業を通して自律して学習(learner autonomy)しないかぎり、日本の英語教育は何も変わりません。本を読み、人の意見を聞いて、議論して、実践して、また、それを省察(reflection)して考えてください。

また、CLT (Communicative Language Teaching)について再度(?)(当然理解していると思っていたのですが)確認してください。日本の学習指導要領も基本はCLTです。世界の言語教育もそうです。それに反発することは、私は教育者として納得できません。よく理解できない人は次の文献を一読してください。

CLT
(クリックして、ダウンロードして読んでください。)

授業に正解はありません。あるのは結果です。

前置きが長くなりました。3人の授業の感想です。

3 KT先生の模擬授業

授業案はよく書かれていてとてもよかったです。ただ少し相談してもらえればアドバイスできました。KT先生のやろうとしていることは間違っていません。教科書の教材を基本として海外旅行やロンドンのことに興味を持たせるという考えはとてもよいことで、まったく間違っていません。しかし、教科書の教材をもっと研究して、ロンドンのことを活動の題材とすれば、おそらく展開は違っていたのではないでしょうか?London Travel GuideやLanding cardを用意しましたが、提示のしかたを考えるべきでしょう。LondonはPicture cardなどできちんと紹介し、生徒の興味を引きつけることです。そこを省略してはいけません。生徒はロンドンにも行ったことがないのですから、ビデオも見せることもできたでしょう。YouTubeにもかなり映像があります。教科書のTakuはおばさんの家に行くとい設定です。それも一人で行くという設定です。その話しと関連させて活動を行うことが大切です。指導案にはそれらしい設定が書いてありました。しかし、展開は違ってしまいました。これは1準備不足です。だれかを相手に授業をしてみれば、何がいけないのかがわかります。
それが足りなかったと思います。

英語授業で大切なことは「英語によるコミュニケーション能力の育成」です。ということは、英語によるやりとりを生徒に指導しなければいけません。KT先生がペア活動の中でさりげなくやっていたやりとりがありました。あれをきちんと生徒に見せて、練習をして、生徒にそのやりとりの機会を与えなければ、言語活動あるいはコミュニケーション活動をしたことにはなりません。この授業で学ばなければいけないことはそれです。

KT先生の意識の中に文法指導が強いようです。簡単に言うと「教える」という意識が強いようです。「教える」=「説明する」あるいは、「学ぶ」=「書く」というような意識が強いような気がします。それとともに、「活動する」= 「ペア、グループワーク」「発表する」ということの大切さも理解していますが、その「学び」と「活動」が結びついていないようです。しかし、教師はそれをしなければいけません。それを考えなければいけません。「この言い方を使って活動してください。わかった?何か質問ありますか?なければはいどうぞ」ということでは中学生はまったくできないでしょう。

その点を考えてください。すぐに分かります。が、「分かる」と「できる」は違います。工夫と練習しかありません。発想や準備した資料は決して間違っていません。ちょっと変えるだけでこの授業は極端によくなります。やろうとしていることは間違っていないので、ぜひ努力してください。期待しています。

4. NY先生の模擬授業

多少厳しいことを言ってしまったようですが、英語授業に対する考え方がやはり問題だと思います。以前に話したことがあるので、だいたいわかりますが、NY先生の言いたいことは半分事実です。中学校でも高校でも、文法訳読は相変わらず行われています。そのことをNY先生は盛んに強調します。それも一つのニーズです。悪いことではありません。しかし、私がお願いした模擬授業の課題は、「英語で授業をしてください。コミュニケーション能力を育成するためにコミュニケーション活動を入れて、授業を工夫してください」というような趣旨です。果たしてそれに応えたかどうかを考えてください。

「自分はこうして教えられたからこのような授業しかイメージできない。コミュニケーション授業とはどういうものかわからない」ということでした。中学校でも多くの先生が英語を使った活動を重視した授業を展開しています。YouTubeでもたくさん見られます。たとえば、

例1

例2

例3

私が言いたいのは、これを真似て授業をしなさいではありません。それではつまらないでしょう。NY先生の考え方をもとにした授業を開発すべきでしょう。

NY先生の授業を1年間受けたら、英語がどのくらい使える(聞く、話す、読む、書く)ようになったか?文型を理解して、単語を理解して、海外に行く手続きを知れば大丈夫でしょうか?読んで、訳して、問題をやって、テストで100点取っていれば、英語は使えるようになるでしょうか?英語の先生というのはそれでよいのでしょうか?もし、そうであれば、この授業で学ぶ意味はないでしょう。

NY先生がそうは考えていないことはよく分かっています。模擬授業でも多少それは見えました。ただ忙しかったのか?工夫がありませんでした。それがいけないと思います。文法訳読でも工夫をすればもっと面白い展開をしなければいけません。生徒をなめてはいけません。

NY先生には期待しますので、少し厳しい言い方ですが、もっと研究して、質問して、考えてください。最終レポートでそれを示してください。模擬授業をして、「これではいけない」と理解したはずです。それができるはずです。

5 WM先生の模擬授業

とてもよい発想だったと思います。WM先生のやろうとしたことはまったく問題ありません。その姿勢を大切にしてください。少しむずかしい問題でも、それを生徒にぶつけて考えさせることはとても大切です。原爆の問題もただ「かわいそう」「戦争を二度としてはいけない」と終わらせるだけでは、生徒も満足しません。私は大賛成です。その意味でWM先生の試みはおもしろいと思いました。

問題は、指導案にはっきりと出ていましたが、生徒の活動をイメージできていないことです。「大学生相手だからなんとかなるだろう」というように考えたかもしれません。あるいは、まったくの準備不足だったのかもしれません。本人だけが知っているでしょう。教材を準備するだけでは授業ではありません。授業では、生徒への指示、活動のための工夫、その気にさせるための展開と教材の扱いなどなど、多くのことが要求されます。適当にやれば適当な結果しか帰ってきません。

Trumanが、教科書の内容とどう結びつくのか丁寧な展開(シナリオ)が必要です。英語で授業をするということの意味は、生徒がその授業のときだけでも英語に触れる時間をつくることです。英語の授業で英語を聞き、話し、読み、書くということが、コミュニケーションとしてなければ、生徒の英語力はつきません。個人個人で英語を使って、授業では先生が説明し、課題を与えるというだけでは、やはり無理でしょう。

原爆の写真、Trumanがだれかなど、英語で紙芝居のようにして提示できたのではないでしょうか?生徒が自分で読んで自分で理解できるということはまずありません。大学生を相手にするということを前提とした模擬授業になってしまいました。

オーセンティックな教材を使うときでも、教科書内容との関連を生徒が納得できるような導入をすべきです。また、授業は、やりとりを工夫しながら、QAで進む方がよいでしょう。問いに対する答えを聞くでは、コミュニケーションとはなりません。英語授業はコミュニケーション活動が基本です。日本の英語授業がどうであれ、ELTの流れは、communicative language teaching (CLT)です。学習指導要領もそうです。それに対して、もし反発するならば、CLT に負けない授業を考えるべきでしょう。

WM先生の発想はけっこうですが、中途半端ではいけません。期待します。

さて、今回は厳しいことを書かなければいけませんでした。すべて私の責任です。私の意図することがまったく伝わっていなかったということです。もう少し率直に話す必要があったのかもしれません。みなさんの意欲をもう少し喚起する必要があったのかもしれません。私がちょっと忙しく疲れていたせいかもしれません。原因がわかりませんが、一つ言えることは、確かにみなさんとの交流が不足していたことです。確かに私の意図は伝わっていなかったようです。

とにかくみなさんに期待するしかない。反省しきりです。

ざっと思いつくことを書きました。誤解もあるでしょう。反論もあるでしょう。私を信頼しないということもあるでしょう。とにかく、この授業をとることによって、みなさんにとって意味ある時間にしてください。どうか宜しくお願いします。

乱筆乱文にて失礼。これは私の感想です。メモです。






2015年11月1日日曜日

2015年度模擬授業1

いよいよ模擬授業の開始です。いつもどんな授業をみなさんがしてくれるのか楽しみにしています。よろしくお願いします。よい時間としましょう。

目的は、「授業を考える」です。それぞれの視点で授業を考えましょう。それが最終レポートにも反映されることが大切です。授業をする人、授業を受ける人、その授業を観察する人の3つの視点で、何をどう考えるか、どう省察 (reflection)するか、あるいは、他の人の考え方と自分の考え方を照らし合わせて考えることができるようになることを目標としています。このようなことは、私は教えることはできません。みなさん自身が見つけることです。教師を目指し、よい教師となろうとする人は、そうであってほしいと思う訳です。

さて、このブログは、授業のときはなかなか言えないことを、私の個人の感想として述べる場所です。一応、授業をした人は参考にしてください。合っていることもあれば、会っていないこともあるでしょう。私も推敲しないで、そのまま書きます。誤字脱字などは許してください。

一つ指導案について質問があったので、補足しておきます。指導案の書き方は別にきまりがありません。こうでなければいけないということはありません。ただし、授業の際に言ったように、やはりどのような授業をするのかわかるように書いてください。特に、生徒の活動です。「大きな声で音読する」だけではわかりません。最低でも、どのように音読するのかは、必要です。「新語を導入する」とあれば、どれば新語ですか?などなど。ある程度実際に授業を想定して指導案を書いてください。それはみなさんにとっては必ず役立つことです。「20分やればいいだから、そこだけ考えて、あとは適当に」とは考えないでください。お願いです。

では、感想です。

1  K.S先生の授業

授業の際も言いましたが、先生になったらきっと生徒には慕われる先生になることは間違いないでしょう。いい資質を持っています。理由は、なんとか生徒の興味を引こうと努力していることです。思った通りできたかどうかは別にして、アイディアがよいです。それはよく伝わりました。ぜひ、もっともっと深く考えて教材研究をして授業に臨むようにすれば、よい授業ができるでしょう。

トップバッターということもあり、雰囲気を作るのにたいへんだったと思います。これはKS先生だけの問題ではありません。しかし、対象となる生徒はいつも違うので、思ったようにいかなかったのはなぜだろうと考えてください。大きな問題は、おそらくシミュレーションが足りなかったことです。つまり準備不足です。パワーポイントを使うとすると、提示のしかた、文字の大きさ、提示した際の説明、指示、それを提示した際の生徒に対する問いかけなど、やはり、基本的なことの想定がうまくできていませんでした。結局、生徒の反応が今ひとつ盛り上がらなかった原因は、やはり、生徒とのやりとり(interaction)がうまくできなかったことです。

英語の授業の良し悪しは、言語活動あるいはコミュニケーション活動がうまくできたかどうかです。大学生相手だと指示が曖昧でもなんとかなってしまいますが、高校1年生ではそうはいかないでしょう。高校1年生を想定して「ていねい」な指導が大切です。

教科書の内容に焦点を当てて活動を展開したことは、私はよいと思います。文法に焦点を当てずに、Couldを多用して生徒に活動を促したことはとてもよいことです。新語の導入もとてもい考えです。しかし、授業ではやはり間違いをできる限りしないことです。そのためには、だれかにチェックしてもらうことが必要です。信頼できる人にチェックしてもらうことです。ワークシートに間違いがあると生徒からの信頼を失います。これは気をつけてください。活動も同様です。「コミュニケーション活動となっているかどうか?」をいつも考えてください。

あれこれと指摘するとキリがありませんが、でも、よかったです。その調子で研究してください。人間は間違うのは当たり前です。しかし、間違いをずっと続ければ進歩はありません。人に質問して、意見を聴いて、自分の知識や考えが違っていれば、素直に直すことができるかどうかがカギです。自分を変える必要はありません。とてもよい資質を持っていますから、そのまま進んでください。しかし、人の意見も聴きましょう。

一つ思うことは、やはり「同性愛」まで持っていくのはちょっと無理があるかなと私は思います。しかし、逆にそれがKS先生の良さだと思います。考えてください。トップバッターありがとう!面白かったです。

2. TK先生の模擬授業

TK先生は教え方はうまいと思います。生徒とのやりとりもうまいし、コミュニケーション能力もあるようです。教師としては大切な要素を持っています。声も明るいし、はっきりとしていました。生徒一人ひとりにも目が向いていました。とてもよいと思います。たぶん、教育実習でも、実際に教師になってもうまくやっていけるでしょう。

問題は、やはり準備の不足です。コンビニエンスストアの成功と、自分の夢の成功とを結びつけることは、やはり無理があります。内容に焦点を当てるならば、コンビニエンスストアのことです。ラグビーのことを取り上げることはトピックとしては面白いですが、教科書の内容とはかけ離れてしまいます。ワークシートは、もう少していねいに、語句や例を示し、PPPの手順をきちんとすべきでしょう。

教師が、英語で見本を示し(presentation)、練習をして(practice)、実際に自分たちで作成する(production)をする。指導案を見ただけでは、そのあたりが不明確で大雑把でした。実際の授業ではちょっとうまくいかないと思います。その点について、よく考えてみてください。

あくまで授業なので、生徒が何を学ぶのかを考えることがまず第1です。内容に焦点を当てるのか、文法に焦点を当てるのか、あるいは文化的なことに焦点を当てるのか、など視点をしっかりとすることです。英語では、4技能を総合して活動することが期待されています。書くことももちろん大切ですが、書くことの指導は思うほど簡単ではありません。そのための教材研究は他の活動の何倍も準備しておく必要があります。その点についても考えてください。

あれこれと述べましたが、TK先生もとても魅力のある先生になることは間違いありません。しかし、よい先生になるためには、やはりもう少し教材を理解して、準備をしてください。その場でなんとかなるは危険です。それよりも、教材の理解と教えることの目標を間違えてしまうと生徒にとっては不幸です。教科書を使うということは、その言語材料の指導が基本です。その先に生徒の興味関心でしょう。手を抜けば手を抜いただけの結果しか得られないと思います。

期待してます!ぜひしっかりと研究してください。ありがとう。

乱筆乱文はご容赦ください。次回楽しみにしています。


2015年10月2日金曜日

2015年度はじまり

それではいよいよ2015年度の授業のはじまりです。

例年と同様で、みなさんで模擬授業しながら考えましょう。実践から学びましょう。

すでに他の授業でも、模擬授業は実施しているはずです。模擬授業は何度やっても勉強になります。が、実際の教育実習の授業とは違います。

では、どうして模擬授業をするのでしょうか?

まずはその点から考えましょう。

この授業でいままでやったことはこのブログを見ればわかります。一度ざっと見てください。

では、よろしく。

2015年2月6日金曜日

まとめ

だいぶ時間が経ってしまいましたが、今回の模擬授業とみなさんのレポートについて感想をまとめて、この授業の締めとします。

いつもながら、模擬授業をしていただき、それについて勝手な感想を書き、さらにみなさんがそれについてレポートを書くという単純か活動ですが、私個人にとってはたいへん勉強になる作業です。ありがとうございます。このブログの主たる目的は私の「こころ」の奇跡を、みなさんの模擬授業を題材として残しておくことです。

簡単にレポートの感想をまとめて書いておきます。個人的に確認したい方は遠慮せず問い合わせてください。タイトルは、「英語での英語授業」「生徒参加型の英語の授業をしていくために」第2言語習得論から見た生徒の動機付けと英語の授業における指導言語」「授業内における教師の指導言語」「英語教育における言語活動」「英語模擬授業を通して」「生徒の英語学習意欲の高め方」「模擬授業の省察と新しい英語教育観」「コミュにカティブな言語教育(CLT)と生徒の動機付けについて」「教科書の使用と発展」「タイトルなし」「教科書を用いた生徒の動機付けについて」「レポート」「国際言語として教える英語」「レボート」「生徒にとって英語学習とは」「模擬授業を通して考える生徒が主体的に取り組む英語授業」「英語の授業における言語活動の分量と方法、教師の役割について」です。

今回一番興味深かったのが、私がここで書いた感想とビデオについて言及した人がほとんどいなかったことです。いままで大きく違ったことです。ひょっとすると多くの人が読んでいないし、自分の授業のビデオも見ていないのかなと残念に思いました。私の感想はともかく、ビデオについては自分なりに分析することはとても大切だと思って、ずっと撮っていたのですが、私もその点にあまり触れなかったかもしれないと反省している次第です。

そのせいかどうかわかりませんが、レポートの全体的な印象は、少し頭でっかちな感じがしました。着眼点はそれぞれ面白かったですが、多少深みにかけるものが多かったように思います。それでも、「あ、こんなふうに考えるんだ」あるいは「こんなことを他の授業で勉強しているんだ」「模擬授業のときはこんな考え方をしたんだ」などなど、楽しく読ませてもらいました。ちょっと不満だったのは、みなさんの本音、というか、率直な疑問や思いというものがあまりなかったような気がしました。たぶん、この授業に対する不満もあるだろうし、もっとこんなことがしたかったというようなこともあるでしょう。あまりインパクトがなかったのかもしれません。

「教える」ということはけっこうたいへんです。表面的にはわかるけれど、奥は深いと思います。教育実習に行っても、それぞれの経験はその現時点での「教える」ことの理解にそって認知されると思います。多くの本が出ています。いろいろな人がいろいろに言っています。文献を参考にする場合は、関連のものをたくさん読む必要があります。が、みなさんにはその時間はおそらくないでしょう。ある文献に書いてあることをそのまま鵜呑みにするのは危険です。ぜひ探求したいことがあれば突きつめてください。

英語教育関連でなくても文学でもかなり参考になります。人は自分の頭でまず考えることが大切だといつも思います。私ができているかどうかは別ですが、できるかぎりそうしたいと思っています。その際に、自分がいま考えていることは本当にどの程度有効なのか、あるいは、本当にいいのかどうか、を常に把握しようとすることが大切だと考えています。そのために様々の意見を聞き、本を読み、議論をします。頑なこころは正しければ問題ありませんが、何か壁にぶち当たったときに弱いでしょう。

生徒も多様です。自分と考えが合う人もいればそうではない人もいます。教師は生徒の思考までをコントロールする必要はないし、それは危険なことになるかもしれません。しかし、人間の信念や考え方はあまり変わりません。ころころと変わってもまた困ります。「教える」ということを探求する場合はその点に注意する必要があるように思います。たかが英語を教えることですが、英語を教えるということは、ことばを考えることです。みなさんのレボートでは、かなりその点に触れられていたように思います。「英語を英語で教える」ということの意味は何か?英語を学ぶ必要性や動機付けがないのに英語をどう教えるかなどは、実際に教師となったときに常に考えることです。

私はかなりあちらこちらの授業を見ました。「この授業はすばらしい!」「このように教えるべきだ!」などと思うことはほとんどありません。逆に、どのような授業でも学習者は学ぶものだと思うようになりました。しかし、問題は、学習者は学び方がよくわかりません。また、わからなくてもそのままにします。疑問も持ちません。そのような学びの場で教師がどうするかがとても大切だと思うようになりました。実際にどうしたらよいか答えがあるわけではありません。

模擬授業をこの授業で主たる活動としていることも、そのような理由です。私が教えられることは微々たるものです。お互いに考えて、「あっ!」と気づいたという瞬間がちょっとでもあれば、この授業は価値があったでしょう。なかった人は残念でした。それは私の責任でもありますが、私にはそれ以上はできません。みなさんに期待するしかありません。

とりあえず、ありがとうございました。英語力を高めることはもちろんです。しかし、その英語力は多様です。語彙、文法、発音、4技能などなど、細かいことを言えばきりがありません。大切なことは実践的な英語力です。使えなければ意味がありません。それとともに、わからないことがあったときにきちんと調べる力が必要です。教えているとけっこう知らないことがあることに気づきます。ごまかさずに調べて理解することです。教師はその点が楽しみです。ぜひ教師となって若い人を育ててください。期待します!

いつものことですが、雑文です。ご容赦ください。

では、また。