2012年10月28日日曜日

教科書について(教えることを中心に)

教科書については、もうすこし深く考えるべきでしたが、授業予定を間違えており、省略してしまいました。以下を読んで、これからの模擬授業の計画をしながら、教科書について考えてください。

中学校の教科書販売は下記のアドレスで確認してください。

http://www.tokyo-kyoukasyo.co.jp/

いずれも1冊310円です。

高校の教科書もたくさんありますが、高校の教師になろうという人は何か買うか、

教科書センター

のような場所もあります。卒論の研究としてもおもしろいでしょう。

授業では触れることができなかった補足を4点あげておきます。

1 教科書で教える

教科書の英語は題材です。言語材料と内容(文化など)を提供する題材です。それをどのように料理するかが教師の役割です。

どの生徒でも分かるようにするにはどうしたらよいか?
どの生徒でも興味を持つようにするにはどうしたらよいか?
どの生徒も自分で英語を勉強する力を身につけさせるにはどうしたらよいか?

を考えて、目標(ねらい)、指導項目、指導方法、評価などを設定し、実際を想定して、指導案をつくり、教材研究をし、授業を行なう、ということを考える。

教科書は一つの題材です。

2 教科書は言語材料を提供する

教科書は、文法や語彙や発音などの言語の形態を提供してくれます。それをすべて教えることはかなりむずかしいと思います。どこにポイントを置くか、時間配分を考えて、授業をデザインします。

教科書は指導する言語材料の指針です。

3 教科書はコミュニケーションとして英語場面を提供する

教科書を利用して、コミュニケーションの状況をつくり、それを授業で演出することが大切です。コミュニケーションには、話す聞くだけではなく、読む書くもあります。その演出を考えるのが、教師の仕事です。

教科書、教室のコミュニケーション活動を考える上での基盤です。

4 教科書は生徒の学習を支える

教科書だけを見ても、生徒は自分で勝手に学ぶことはむずかしいので、生徒が自分で学習するためのサポート(てだて)をしなければいけません。また、教室での言語活動を工夫する必要があります。単語をおぼえるとしたら、単語をおぼえるための何か工夫が必要です。おぼえ方、練習の仕方、使い方など、その提示のしかたが生徒の学習を支えます。

教科書をもとに生徒の学習ストラテジー(学習方法)を考える

教科書の中には、それらのエッセンスがコンパクトに配列されています。それを読み解けるかどうかが、みなさんがよい教師となれるかなれないかのポイントでしょう。そのためには、いくつかの教科書を見てください。

教科書を一応いくつか見てから、その他の教材を見てください。自分の中学や高校時代の経験だけをもとに考えることは、ちょっと危険です。自分の経験のくり返しをすることは何も進歩しません。

「教える」ことは、「不易流行」です。本質は変わらなくても、新しいことにチャレンジしないと、進歩しません。それが「教える」ことの面白さにつながるはずです。だれかの教え方をまねしたり、型通りに教えることだけでは、「教える」ことに魅力は感じないでしょう。

学習指導要領に則った科目を教える場合、それに付随する教科書があり、生徒がそれを購入し、使う必要があれば、それを最大限に生かすことを考える。それも、みなさんが先日述べたように、動機づけをし、学びを促進するためには、どうしたらよいのかを、しっかりと考えることが、大切です。

模擬授業を通して、それを考えましょう。





2012年10月23日火曜日

指導案と教えること

「教える」ということは、学習者から見れば「学ぶ」ことです。授業でだれかが言いました。「学び合い」をつくることが「教える」ことだ。

たしかにそうですが、これは言うのは簡単で、行なうのはむずかしいことです。生徒が自分で勉強するという状況はなかなかつくれません。授業中に「自律学習(autonomous learner)」ということを言いました。また、「動機づけ(motivation)」の重要性をだれかが指摘しました。つまり、「学ぶ」ということは、

目的があって、動機づけがあって、自分で学べる状況にあれば、学びは発生する

と言えるかもしれません。

しかし、
人はなぜ学ぶのでしょうか?
学ぶ目的はどうやったら形成されるのでしょうか?
人は自分で学ぶものでしょうか?

英語教育に話を戻しましょう。

英語はおもしろいですか?
どうして英語を学ぶようになったのでしょうか?
最初から自分で学べたでしょうか?

やはり、教師(学校、塾、親、大人の人など)が大きな要因です。たとえば、多くの人が最初に英語を教えてくれた人のおかげで興味を持つようになったと言っています。

また、多くの文献が、入門期の重要性を指摘しています。

入門期の英語指導は、けっこうたいへんです。ていねいな指導が大切で、指導案は欠かせないし、授業の目的を明確にして、教材を用意して、指導項目を丹念に調査しておく必要があります。いわゆる教材研究です。

教材研究は、教師にとってたいへんですが、最も教師が勉強するときです。あれもこれもと自分の知識のあいまいなところを突き詰めておく必要があります。それでも、分からないことがあります。

Native speakerならば分かるかというと、そんなことはありません。日本語を母語とする人が、「は」と「が」の区別をうまく説明できないのと同じです。英語で言えば、冠詞の使い方は多くの人にとってむずかしいことです。これは、Native speakerもうまく説明できる人はあまりいません。

教材研究の基本は、教科書を理解しておくことです。教科書教材が分からなければ「教える」ことはうまくできないし、ましてや「学び合い」も演出できません。

ということで、次回は、教科書を題材にみなさんで考えてみましょう。

基本的な質問は、

教科書の何をどう教えるのか?そのためにはどのような教材研究をして、どのような指導案を組み立てて、どのように実際に指導し、どう評価し、次の授業に生かすのか?

というようなことです。

また、多くの疑問を持ち、みなさんで考え、解決しましょう。

2012年10月15日月曜日

指導案は何のために書く?

指導案(学習指導案)とか教案(授業案)とか呼ばれるものは、単純ですが、授業をするための準備に必要な「授業をどう進めるかを書いておくもの」です。

実は、形式なんてありません。が、教育実習や研究授業では多くの人に分かってもらうためにきちんと書きます。英語で書く場合もあれば、日本語で書く場合をあります。

個人的な経験ですが、いろいろな国に行って、いろいろな先生と話すと、紙切れを渡されて、「This is my lesson plan today.」と言われることが、実は多いです。

いずれにしても、大切なことは、授業そのものです。案ではありません。

批判するわけではありませんが、無意味なことを形式だけで書いてある指導案は、果たして何のためでしょう。

次の授業は、実際の授業を考えましょう。指導案と授業のことを考えましょう。どのような英語授業をすることが生徒のためでしょうか?教えるためには何が必要でしょうか?次はそのことを考えましょう。

そのことを前提に、指導案は、

だれが、いつ、だれに、何を、どのように、どこまで、教え(学ぶ機会をつくり)、どう評価するのか

を書いてある授業計画書です。

私は、教師になるみなさんを応援します。


2012年10月11日木曜日

ボスニアヘルツエゴビナリポート

ボスニアヘルツエゴビナでの教員研修調査に行ってきました。

LSNCという国際交流基金の事業です。詳しくは下記のウェブを見てください。

Japan and BiH Lesson Study Network Committee (LSNC)

サラエボと言えば何となくイメージが湧きます。ほとんどの人が知らないのではないでしょうか?実際に、日本人はほとんどいませんが、日本から協力は貴重で、日本に対するイメージはとてもよいです。

今回は、いくつかの学校と教育機関を訪れ、今後の協力関係を維持しようという趣旨です。

日本の授業研究の手法をボスニアヘルツエゴビナと協力して行なうことを目的としています。興味のある人は協力してください。

直接この授業とは関係ありませんが、教員は広い視野に立つべきと考えています。多少みなさんの教科教育の学習にも役立つと思います。

詳細は授業で。