2011年12月30日金曜日

模擬授業7回目を終えて

ようやく21人が模擬授業をしました。一人ひとり違う教え方をしたことが当たり前のようですが、とても興味深かったと思います。意図的に、みなさんの創意工夫を優先しました。その際に、考える基盤があります。一つは、自分が教えられたように教えるということです。これは、Lortie (1975)という人が述べる「観察の徒弟制(apprenticeship of observation)」で有名な考え方です。もう一つは、手近なモデルをもとに教えるということです。モデルは、これまでの教科教育の授業や本などで知ったこと、実際に見た授業などになります。

私は、一応「英語で授業をする」ということを基本にするように指示しました。それ以外はあまり詳細に指示しませんでした。また、20分という時間と教師環境が制約したかもしれません。が、みなさん、それなりに自分の考えをもとに授業をしました。意外に思うかもしれませんが、その教え方は、実際に教師になっても、今後もあまり変わらないかもしれません。教師は、その多くのことを自己決定しなくてはならない仕事です。その際に大切なことは、「何を目標にどのような活動をするか」ということに、結局なります。

教師はおそらくだれでもできる仕事ですが、「いい先生」になるのはむずかしいことです。「いい先生」の定義もはっきりしません。評価の基準が様々だからです。その分、やりがいのある仕事です。21人の人の模擬授業を見て、私は多くのことを考えました。この後の授業ではそのことを議論できるとよいと考えています。

さて、コメントです。

D先生の授業について
授業での生徒に対する語りかけが自然でよいと思いました。指導案の「ねらい」のところに、「文脈から意味を推測する」とありました。この考え方はとてもよいです。では、どうするか?が課題です。おそらく英語で文脈を提供してその文脈の中での生徒とのやり取りの中で理解を図ろうとしたのではないかと思いますが、実際に意図したとおりにはいかなかったのではないかと思います。そこをどうするかが課題でしょう。D先生だけではなく多くの人に言えることですが、生徒とのやり取り(interaction)がうまくできていません。これは授業の中で経験から養われていくことです。D先生は基本的に生徒とのコミュニケーションは上手だと思うので、コツが分かればきっと「いい先生」になります。ポイントは、生徒の立場にどの程度立てるかということです。(日本語でも英語でも)説明した後に、「分かった?さあ、やって!」ではなく、生徒に一度練習を体験させることで、言語活動はうまく行きます。

O先生の授業について
D先生と同じ教材を扱っていましたが、アプローチが異なっていました。O先生は教師としての姿勢がとてもよいと思いました。教材選択でも生徒のニーズにあったTwitterを扱おうとする考え方はよいと思います。これは教師としては一番重要なことの一つです。それとともに、大切なことは、それをどう扱うというていねいな教え方です。実際に生徒に教えてみると分かりますが、生徒はみんな英語ができるわけではありません。あまり意欲がなく、英語がむずかしいと考えている生徒をどうするかが、教師の大きな仕事です。意欲のない生徒は放っておくという姿勢は、中高の教師としては失格です。O先生は、教材にも工夫してありました。特に、be going toの認知的なとらえ方を導入した点は評価できます。これを説明ではなく、体験させることで理解できるように工夫したらよかったと思います。粗っぽいことが多少ありましたが、O先生が実際に先生になったら生徒はきっと楽しいだろうなと思いました。

N先生の授業について
N先生の授業を見ていて、ちょっと迷っているかなと思いました。教育実習での経験と自分があるいはこの授業で期待される授業とのギャップが、自分の中で整理できていないように思いました。たとえば、日本語訳の問題ですが、高校生ではある程度重要な技能です。生徒も必要と考えるでしょう。しかし、授業でそこに焦点を当ててしまうと、英語授業の本来の目標(コミュニケーション能力の基礎)がおろそかになります。日本語に訳すことや文法理解はその延長線上にある必要があります。そのことを前提にすれば問題ありません。ただN先生の教え方は、ていねいで、生徒のことをよく考えていることがよく分かります。実際に先生になれば、生徒の多くは慕ってくるでしょう。やはり、ていねいで親身な指導が教師の基本です。N先生はその基礎が分かっています。あとは、英語によるコミュニケーション活動をどう演出するかでしょう。

本日で模擬授業はさいごです。大切なことは、一人で考えて模擬授業をしたという事実を忘れないことです。いい加減にやればそれなりに、一所懸命やればそれなりに、失敗すればそれなりに、評価されます。それはもう二度と取り返しがつきません。授業とはそういうものです。自分のしたことには自分で責任を取るしかない。その責任の取り方は、

それでは次にどうするか

でしょう。

2011年12月22日木曜日

レポートについて

提出期日:1月19日(木)授業時


テーマ:模擬授業を通して考えたこと:どのような授業をしたいか?


提出方法: A4用紙10枚以上。 表紙に氏名を書き、ホチキスで止めて提出。返却はしません。


趣旨:


この授業では基本的に実践的なことを行ないました。理論的なことにはあまり触れていません。どのようなことを学んだかはブログの記録を見てください。笹島の視点で記録されています。授業のほとんどが模擬授業です。授業を実施し、観察し、生徒となり、参加しました。合計で21の授業体験ができたことになります。一つ一つの授業はすべて違います。それぞれの人の特徴が現れました。成功したように見える授業もあればそうではない授業もあります。よく考えた授業もあればそうでない授業もあります。その過程でみなさんが思考したことをまとめてください。それを踏まえて、どのような英語授業をしたいのかに言及してください。


内容と構成:(どのように書いてよいか分からない人へ)


どのようにまとめて結構です。が、一応の内容と構成を参考に書いておきます。必ずしも従う必要はありません。


1模擬授業をする前の考え方(自分の英語学習をふりかえって)


2模擬授業について
 1)自分の模擬授業について考えたこと
 2)観察者として授業を見たこと
 3)生徒の立場から見えたこと


3模擬授業後のふりかえりの会での議論


4英語教師の専門性
 1)英語授業で生徒は何が出来るようになればよいのか?中学生や高校生の目標は?
 2)学習指導要領と実際の英語授業はどう関連しているのか?受験対策をすればよいのか?
 3)現在の学校英語教育の問題点と課題は何か?教師としてどう対処すればよいのか?


5 実際に英語を教える際には、どのような授業をしたいと考えるか?できるかぎり具体的に。


評価のポイント:
1 内容 ポイントが明確か? 論理的思考がされているか?
2 知識 知識があるか?
3 形式 分かりやすく書いてあるか?


最終的な成績の基準:


授業への参加、模擬授業と授業観察の結果、レポート


以上。

2011年12月21日水曜日

模擬授業6回目を終えて

6回目ともなると、徐々に授業というものの扱い方が分かるようになりますが、それとともに見えなくなることも多くなります。授業の表面的な部分はそれほどむずかしいものではありません。大きな声が出て、表情も豊かで、人を引きつける人がいます。緊張しやすい人とそうではない人がいます。ミスを気にする人としない人がいます。生徒に声をかけるのが得意な人とそうではない人がいます。

授業は、教える目標があって、生徒がそれを達成できているかどうかですから、展開は様々です。しかし、それを評価する方法は実はかなり多様です。テストと評価は違います。評価は客観的な評価が大切ですが、主観的な評価も大切です。いわゆる形成的評価(formative assessment)は言うのは簡単ですが、実際に授業の中でどのように扱うかはかなりむずかしいことです。授業を見ながらそんなことを考えました。

さて、コメントです。

F先生の授業
F先生は人が好きなんですね、きっと。楽しそうに授業していました。ところどころに優しさが出た授業ですね。ただ、少し無理して英語でやり過ぎたかなとと思います。それとすでに学んでいることとこれから学ぶところを明確にするとよいと思いました。ただこれはF先生だけではなく他の人にも言えることです。実際とは違う模擬授業では少しむずかしいのかもしれません。実際の生徒を相手にするときにうまく判断できるかどうかかがカギでしょう。それに、F先生は、思ったようにうまく行かないこともよく分かったと思います。が、何か工夫しようとしている姿勢が見られました。それはとてもよかったと思います。Why is it summer in Australia now?という質問の答えはけっこうむずかしいです。これをもっと発展させたらきっとおもしろい授業になります。

N先生の授業
授業への入り方は自然でよかったと思います。授業は自分の経験がどうしても基盤となってしまいます。その点、自分の経験をうまく導入段階で示したのはよい考えです。遠慮しないでど〜んと出したほうがよかったと思いました。生徒は授業の中で先生が経験したことをバーチャルに体験する場でもあります。自身の経験はどんどん積極的に利用したほうがよいです。N先生もF先生と同じで学んでいることとこれから学ぶことを明確に区別して教材を提示したほうがよいでしょう。さりげなく自然な発話をしているときはあまり意識しなくてもよいと思いますが、指導目標である場合は生徒に分かりやすくしなくてはいけません。たとえば、have to と has to はけっこう大きな違いがあります。発音も気をつけなくてはいけません。授業は文法を教えることだけではありませんから、題材の内容に焦点をあてると導入も生かされると思います。

I先生の授業
I先生は高校1年生を想定した授業でした。英語の読み方の視点を、単に英文を細かく見るよりも少し大きな視点から見る工夫を分かりやすく導入しようとしました。おもしろい方法だと思いました。文⇒談話⇒ジャンルという構成です。リーディングを扱う場合、高校生の段階で読むことの楽しさを教えられると大成功ですね。日本語でも英語でも読むことは言語学習の基本ですから、これをうまく教えられることができれば英語の授業はある程度達成できたと考えられます。I先生のアプローチは失敗する可能性は大きいと思いますが、チャレンジ精神がよいと思います。生徒は先生の気合いのようなものをよく感じ取ります。あまり科学的ではありませんが、先生の意気に感じるのです。それとともに大切な点はそれをするために自分自身の知識をしっかりとしたものにすべく努力しておかなくてはいけません。教師のおもしろさはそこにあると思います。I先生を見て私はよい勉強になりました。

たびたびの乱筆乱文ご容赦ください。

※内容に関してよく意味が分からなかった質問してください。

2011年12月14日水曜日

模擬授業5回目を終えて

授業というのは、相手あってのことですから、「模擬授業」となると別のむずかしさがあります。どこかの本に書いてあったことをうまくまねて実施することも、マイクロティーチングなどでは可能でしょう。あるいは、少しプランが雑でも生徒がフォローしてくれるかもしれません。そんなことを考えるといつも思い出すことばがあります。「大切なことは目には見えない(Le plus important est invisible)」という『星の王子様』の一節です。


そろそろ、授業の最後のレポート提出(A4 10枚以上)のことも考える時期になりました。当初述べたとおり、模擬授業がうまくできたかどうかはあまり意味がなく、その後、あるいは、模擬授業をして、生徒役をして、観察をする中で何が見えたかが問題です。レポートのテーマは「」模擬授業を通して考えたこと:どのような授業をしたいか?」でした。どう書いても自由ですが、やはり、アカデミックにお願いします。

私は前期に「言語教師認知論」という授業をしています。英語の教師の成長や授業についての意思決定を少しでも理解したいという思いで探求しています。興味があれば、来年の授業に加えてください。教師認知(teacher cognition)はとても重要なコンセプトですが、とても分かりにくいのです。なんとなく教師をした人や教師を目指す人はばくぜんと考えていることですが、つかみ所がないということかもしれません。

興味があれば次のブログを見てください。
http://ltcjapan.blogspot.com/

また、スコットランドのスターリング大学のRichard Johnstone先生の講演の案内を右に掲示しました。恩師です。時間があれば聞きにきてください。

さて、コメントです。

KH先生の授業
率直に言って、うまく授業をしたと思います。英語で授業をするという場合、その雰囲気を作ってしまうということが大切です。それをKH先生はとてもうまくやりました。なぜかな?と思ったら、やはりそういう授業を経験したということらしいです。KH先生の授業はよい手本になると思いました。しかし、その場合も題材によって工夫しなければいけません。題材はshoppingで会話教材でした。比較的やりやすいかもしれません。それでもよく準備しておかないととんでもない間違いをしてしまいます。さいごの「I'll take it.」と[ I'll take one.」の違いなどはうまく教えないとけっこうむずかしいですね。低学年を教えるほうが高学年を教えるよりも意外にむずかしいことが多いのです。実際に教師になったらきっといい授業をしてくれると感じました。

MY先生の授業
これもとてもいい授業でした。気合いが入っているという感じでした。うまく言い表せませんが、オーラがありますね。また、とても授業を準備していたことがよく分かりました。ちょっと失敗した所がありましたが、「気にしない」「気にしない」です。原因をよく分析すれば次はないような失敗です。そのことは授業の後にちょっと説明しましたが、それなりの小道具を用意しておくとまず間違いは起こりません。そんな些細なことより、MY先生の考え方がよかったと思います。おもしろいタスクを授業の中で実施しようとしたことです。前に向かっているときは、何かをやろうとする姿勢はとてもいいです。そういう先生は間違いなく生徒は大歓迎です。教師は、クリエイティブな仕事ですが、結果が見えにくいことが多いので、自分で成功したと思っても結果に反映されないことが多いのですが、失敗したことのほうが、逆に効果をあげることも度々です。MY先生はそういうものを持っています。

YK先生の授業
授業では、4技能の活動を総合的に行なうことが重要ですが、時間が限られているので、教室で何をしたらよいかを考えると、個人でできるようなことは家庭学習に回したほうがよいですね。書いたり、読んだりすることは、教室でみんなでするよりも、個人で行なうほうが効果的です。教室では、やはりコミュニケーションでしょう。題材は、沖縄のことでした。生徒は沖縄で授業するときは別ですが、沖縄には興味があります。教科書をざっと読むだけではあまりおもしろくないかもしれません。教科書内容と関連した活動を工夫することが大切かもしれませんね。ただ、YK先生にはいい所があります。大様なところです。小さいことは気にしないということでしょうか?教師となって、その個性に「ていねいな」指導が加わればよい授業ができると思います。

本日もたいへん勉強になりました。


2011年12月7日水曜日

模擬授業4回目を終えて

模擬授業は、英語ではなんて言いますか?Mock Teaching? Micro Teaching, Lesson Study? ... 定義はさておき、みなさんがどう考えてこの機会を利用しているかが大事だと思っています。

さて、私は今日も勉強になりました。「どうしてこの人はこのような授業のやり方をするのか?」ということが、私の一つの興味です。その点から実に勉強になります。

KD先生の授業
KD先生の英語はきれいでしたね。たぶん生徒のよい手本になるのではないでしょうか?その武器を使わないのはもったいないと感じました。イントネーションを扱ったのはよい視点です。この場合は説明よりも「見せる」「示す」ことでしょう。感情を込めるとなると、それなりに演技力が必要です。自分が得意でない場合は、ビデオなどを使うよいでしょうね。生徒はきっとおもしろがって上手にできます。生徒で上手な子がいたら、ほめて、やらせるとさらに効果的です。全体的にもっとていねいに教えることを心がけることが大切と思いました。生徒は自分が思うほどできません。一度「できない」と思ったら、生徒は意欲を失います。意欲を失うと授業はうまくいきません。KD先生は笑顔もいいし、声もきれいだから、自分の個性を生かした授業をしてほしいと思いました。

H先生の授業
題材として選んだ教科書がどのような教科書か判断がつきませんでした。ふつうのLessonでテキストがある場所を選ぶほうが練習にはなったと思います。授業のアイディアは一杯持ってます。あとはそれをどう展開するかでしょうか。H先生だけではありませんが、ちょっと気になったのは、みなさん、文法を教えようとしているように感じました。別に文法を教える必要はないので誤解しないでください。「英語によるコミュニケーション能力の基礎を養う」が目標です。さて、H先生の授業ですが、KD先生と同様にきれいな発音をして声がいいです。生かしてください。タスクのMy Favorite Bookはおもしろいと思います。やり方を考えるともっとおもしろくなります。できればもう一つ用意したドラえもんをやって欲しかったですね。きれいな発音で英語をもっと使うことが、生徒にとってはすごい動機づけになります。

KB先生の授業
KB先生はこの模擬授業にあたり自分で課題をもって取り組みました。忙しい時間を有効に使おうとする姿勢は見倣わなくてはいけません。授業は来年から展開される新学習指導要領に準拠する内容です。来年から中学校のカリキュラムが大きく変わります。小学校の外国語活動を受けてそうなるわけですが、実態がどうなるかはふたを開けてみなければ分かりません。楽しみです。さて、KB先生は、さすがに現職で教えているので、要領がいいし、テンポがいいです。「教えることは経験がすべてだ」などと言われますが、まさにそれを実感しました。かならず場面を設定し、考えさせて、練習をし、ポイントを明確に示し、指示が的確でした。ちょっと早口かなと思いましたが、慣れれば心地好いと思います。資料で配布された「生徒の授業ノート」は貴重です。ぜひ他の人もよく見ていただきたいですね。しかし、人のまねをしてはいけないと思います。授業はクリエイブであるほうがよいです。自分の個性を生かして、かつ、生徒にとって効果的な学習の場を提供するためにはどうしたらよいのかを、自分で探すことに、教えることのおもしろさがあると思います。

本日も実に多くのことを勉強しました。しかし、ちょっとチャレンジ精神に欠けていることが残念です。また、「英語で授業をする」ことは一つの課題ですので、追求してほしいと思います。文法については、大学生が思っているほど説明はあまり必要ありません。大切な点は、英語がどう使われていて、どう使うかです。CLILの理念を思い出してください。ことばの構成だけを分析しても答えは見つかりません。教師としてそれを理解しておくとは大切ですが、それは教えることでは必ずしもありません。

模擬授業を通して、みなさんがどう成長するかは、みなさん次第です。私は期待しています。

2011年11月29日火曜日

模擬授業3回目を終えて

模擬授業をすることの意義をもう一度考えてみましょう。

人は自分で気づかないかぎり変わりません。いくら授業をしても、見ても、話し合っても、自分が変わらないかぎり、同じことをくり返します。基本的には楽をしたいし、自分の好みがあるし、ビリーフ(自分が強く正しいと信じていること)があります。
模擬授業は、どのような視点で授業を考えているかが、大切だと思っています。私は自分で自分なりに、この模擬授業の機会を利用して考えています。いつもどのような授業を見ても考えさせられます。

授業を終えたあとに話し合う時間がたくさんあるといいですね。

さて、コメントです。評価ではありません。

K先生の授業
いい感じでしたね。慣れている感じがしました。たぶん教えた経験があると思います。落ち着いて生徒が勉強できます。指示も的確でした。指導案もよく書かれていて何をするかがよく分かります。ちょっとたくさん盛り込み過ぎた印象がありました。生徒がついてこられるかがカギです。競争もありました。生徒同士がゲーム感覚で競うのは授業を盛り上げるし、生徒の学習動機を高めます。ちょっと気になったのは、生徒が発話する前の練習が少し少なかったことです。もう少し、「口慣らし」的な練習をすれば活動はそれぞれうまくいくだろうと思いました。生徒一人ひとりが見えるようになればほぼ問題なくよい授業ができると思います。たぶん自分でも分かっていると思いますが、何か一つ大事なことを掴むと生徒にとってはかけがえのないいい先生になると思います。

S先生の授業
やはり英語の授業は、英語のコミュニケーション能力の育成を心がけたほうがいいと思いました。文法も確かに大切です。ていねいに文法のルールを理解させることも重要です。しかし、ちょっと考えてみると、本当にそれが多くの生徒が英語の授業に望んでいることかなと思いました。S先生のような授業は実際にはたくさん行なわれています。生徒のニーズがあるからです。それはそれとして、何か別のやり方はないものでしょうか?私は授業を見ながらそれを考えていました。現在完了の継続と完了の違いはそれほど重要でしょうか?現在完了の文をどう理解しどう使うかが大切なのではないでしょうか?S先生はその点をしっかりと考えるといい先生になると思います。文法の質問に熱心に答えようとする姿勢が真摯でした。これは教師としてもっとも大切なことです。

G先生の授業
おもしろい授業でした。やりたいことがたくさんある、教えたいことがたくさんある、できることもたくさんある、が、なんとなくまとまらなかったという授業でしょうか?方向性としてはとてもいいと思います。先生の意欲が伝わってきました。模擬授業が終った後、「英語ですべて授業をすればよかったのに」とG先生に言いました。「中学生だから分からないかもしれない」という答えでした。おそらく、そこがポイントだと思います。ひょっとするとやり方によってはこどもの方が理解して吸収するのが早いかもしれません。感性が豊ですから、英語だけでもけっこう分かるし、刺激を受けると考えられます。それと日本語のサポートをどうつなげるかがカギですね。G先生は、先生としてよい雰囲気を持っています。それがまた悩みの種かもしれません。一見するとまとまらない授業でしたが、やろうとしていることがよく分かりました。熱心に考えた成果です。それは無駄にはなりません。

本日も勉強になりました。K先生、S先生、G先生のそれぞれが自分なりに考えて授業をしました。どれがよいとか、どれがわるいという問題ではありません。たぶん、何も考えないで体験していると気づかないことがたくさんあったように思います。「大切なことは見えない」ですね。「見ようとしないと見えない」1人で見ようとしても見えない。

いままで授業をした先生で、楽しんだ先生はきっと先生には向いていると思います。ただなんとなく授業した人は少し考えたほうがよいです。授業観察した人も、生徒役の人もその瞬間を楽しむことが大切だとつくづく思いました。また期待しましょう。

誤字脱字、意味不明はご容赦ください。



2011年11月23日水曜日

模擬授業2回目を終えて

授業というのは、おもしろいものです。場所や人が変わると変わるし、同じものはありません。演劇に例える人もいますが、演劇でもありません。やはり、授業なんですね。授業の中の「ことば」についても、人によって考え方がちがいます。大きくは、日本語か英語か?ということがあります。名前の呼び方、板書のしかた、説明のしかた、指示のしかた、一人に話すか全体に話すか、などなど、考えると悩んでしまいます。おそらく、正解はないので、自分で見つけるしかありません。しかし、その際に大切なことは、やはり、科学的な視点で見ることでしょう。勝手な、独りよがりの考え方は、生徒を不幸にします。

Y2先生
私は後にいて耳が悪いせいか、BGMの「We are the World」が最初なんだかわからなかったのですが、携帯から流れる音楽でちょうどよかったのかなと思いましたが、いまだに、音楽の利用方法には考えさせられます。Y2先生は、先生に向いていると思いました。いくつかミスがありますが、授業をする姿勢がいいと思いました。たとえば、「I have a secret information.」という言い方がよかったです。生徒の関心をまず引きつけないと何もはじまらないからです。ちょっとした工夫はけっこう大切です。Y2先生の授業を見て、きちんと教えることとちょっとしたアイディアがいい授業につながるかと思いました。

F先生
仮定法過去完了という文法事項に焦点を当てた授業でした。文法項目に焦点を当てるのは当然のように思い込んでしまいますが、そんなことはありません。文化理解や考え方、内容や知識に焦点を当ててもかまわないと思います。生徒にすべてを教えるのは無理です。生徒の学習を促すことが教師の大きな役割です。F先生の授業を見てあらためてそんなことを考えました。仮定法過去完了はプロダクションまで持って行く必要はおそらくないでしょう。理解できる程度でよかったと思います。それよりも教科書の題材がとてもおもしろい内容なのでそれを英語で展開してもよかったかもしれません。でも、F先生のチャレンジ精神がよいと思いました。明るくて生徒がその気になるかもしれません。

S先生
指導の流れをよく考えています。細かいことまでよく気にしていて、気配りがあります。少し分かりにくかったのが、becauseが復習項目か新出項目かです。新出項目とするならば、既出項目のwhenと関連させることが必要です。教えてみて、その点は気づいたはずです。それからコミュニケーション活動を取り入れようとする姿勢がよく分かりました。とてもいいです。けっこうむずかしいということが分かったのではないでしょうか?S先生は実際に授業を重ねていくときっとどんどん上手になりますね。そのときに大切なことは、生徒がいま何につまずいているかをよく見ることだと思います。

(指導案について)
授業が終ったあとに、指導案の書き方について聞かれました。指導案の書き方は決まっているわけではありません。いつの間にか書き方が同じようになっていますが、指導案に含まれる大切なポイントは、目標(ねらい)と指導の流れです。それに付随して、教材、教具、生徒、教室環境などの情報が入ります。指導案は自分が授業するためのメモです。教育実習の際は、それを指導者に分かるように示す必要があります。そのために「型」ができています。それは各地域や各学校の伝統のようなものがあります。教育実習に行った際にその「型」に従って書けばよいのです。

ポイントは、自分が授業で「何をどう教えるのか」を分かるように記述することです。日本語でも英語でも同じです。


2011年11月16日水曜日

模擬授業1回目を終えて

模擬授業1回目を終えて

ありがとうございました。授業はやればやるほどよいと思います。が、一度うまく行っても、また同じようにうまく行くかというとそうはならないことが多いようです。

また、これがよいということははっきりとは言えないと考えています。一人ひとりの受け取り方が違うからです。ですから、人にダメだしをされても、決してくじけないことが大切です。それでは次にどうするかを考えることです。同じことを何回もやっていては進歩はありません。

教師が授業でする行動は様々に例えられますが、一人ひとりが違った考えを持っていてよいと考えます。正解はありません。その授業で「今日はよかった!」という生徒の声がすべてかもしれませんが、10年後に「先生に教えてもらってよかった!」と言われることもあるかもしれません。どちらもありですね。

みなさんで考えましょう。

さて、1回目の授業者に対してコメントします。評価ではありません。誤解なく。

W先生
中学校2年生の授業。実際の授業場面をよく理解した授業だと思います。生徒のことがよく見えていて、たぶんW先生はいい先生になります。保証します。なぜかというと、生徒のことをよく考えているからです。生徒の目線に立てるということでしょうか。授業は、生徒があって成立します。受験ということになれば文法などの指導も大切かもしれません。日本語も大事でしょう。明日からアメリカ行くとなれば、会話が大切になるかもしれません。教師は基本的に生徒のニーズに応える必要があります。では、生徒の本当のニーズは何でしょうか?W先生がその点をしっかりと考えれば、間違いなくGreat Teacherです。

Y先生
高校1年生の授業。語彙に焦点を当てた活気のある授業でねらいはよいと思いました。ちょっと体調がよくなかったので、マスクをしての授業でした。実際の授業でマスクをして授業をするとどうでしょうか?おそらく生徒は聞き取りにくいでしょうね。その際はゆっくり話すことも大切かなと思いました。でも、Y先生は、活動的でよかったですね。活気が出ます。ちょっとタスクの導入のしかたが乱暴で、実際は混乱する可能性がありますが、力技で行けるかもしれません。アイディアや語彙指導に関する考え方は教師に向いていると思います。

M先生
中学2年生の授業。比較を扱った。ていねいに教えていたのが印象的でした。絵など自分で作ったものを用意すると生徒は本当に喜びます。日本の授業というのは情緒的な部分が大きく、生徒はそれによって左右されます。先生がそれを見せるということは基本です。「私はあなたたちのことを考えてるよ」というようなことは、嫌がる風潮もありますが、人間はやはりそういうことを求めていると思います。その点、M先生は授業の最初から生徒を心をつかみました。しかし、英語を使う場面を工夫することが大切だと思いました。

英語を使う場面を工夫することは、W先生、Y先生、M先生の3人に共通することで、授業のときも言いましたが、やはり、コミュニケーション活動を演出することが大切だと思います。何も教師が準備しなくても生徒がコミュニケーションできれば問題ありませんが、何か「手立て」(サポート)をしなければうまく行きません。

PPP(Presentation - Practice - Production) はいつも基本です。

あともう一つ大切な点は、「生徒は何をしていたか?」です。

生徒は授業で「英語をどのくらい使ったでしょうか?どのくらい練習したでしょうか?どのくらい考えたでしょうか?」授業は先生のためではなく、生徒のためなので、その点をもっとみなさんで考えましょう。

「説明したら、分かる」と思ってはいけないでしょう。「分かった?何か質問は?いいよね。次回テストするから勉強しておきなさい」では、よい指導とは言えないかもしれません。

次回も楽しみですね。では。

乱筆乱文お許しください。

2011年10月27日木曜日

模擬授業の実施にあたって


11月より模擬授業を実施します。

模擬授業(Microteaching)の実施要領
授業者と観察者は次の点に留意してください。

授業者


時間:20分
授業場面:クラスの人を生徒として授業を実践する。

授業をするにあたって:
1指導案をクラス分用意する(目標と活動が分かるように)
2教材(教科書他)をクラス分用意する
3授業に使用する教具は自分で準備しておく
4指導は基本的に英語をメインとする
5指導中は基本的にメモ等は見ない
6時間は厳守する
7始めたら途中でやめずに最後まで授業をする

観察者


観察者の人は、授業実施後、次の様式で報告してください。1週間後に提出。

授業観察報告(Classroom Observation Report)様式

1日時 
2観察者氏名
3授業者氏名
4授業準備(指導案、プリント、教材など)
5指導案(分かりやすく書かれているか?目標は明確か?など)
6指導の手順(指導案が生かされているか?展開は適切か?生徒の反応は?など)
7指導の内容(導入は適切か?分かりやすいか?意味のある活動か?説明は?など)
8指導言語(英語を適切に使っているか?日本語の使い方は適切か?など)
9時間配分(効果的に時間を使っているか?)
10全体的な指導の雰囲気(生徒とのやりとりなど)
11その他気づいたこと

以上。質問は遠慮なく。

2011年10月19日水曜日

授業をする前に

10月20日考えたこと

みなさんが話したことをまとめました。議論には参加できませんでしたが、まとめのシートを読むことでなんとなくよい議論をしたのではないかと思います。以下にまとめました。さいごに、私の考えたことは書いておきます。

Q1 学ぶことと教えることはどこがどう違うか?

  • 学ぶのは、自主的自分がする。教えるのは、学んだことを還元する、相手がある。
  • 分かっているつもりでも、人に説明するのはむずかしい。
  • 学ぶのは自分、無意識的、受動的、教えるのは、他を考える、意識的、能動的。
  • 学ぶのは自分のため、教えるのは相手のため。
  • 個人差があり、自分が学んだように教えたらいいいとは限らない。
  • 学ぶのは何となくわかっていればよい、意欲が必要、身につけること、教えるのは、原理や理屈が必要、相手がいる、知識だけあっても教えられない。生徒から考えれば、教えられただけでは、定着しない。

Q2 英語を学ぶとはどういうことか?

  • 英語を学ぶとは、文化を学ぶ。
  • 読み書きや文法を学ぶことは、論理的思考力がつく。
  • 意思疎通ができる。
  • 言語として学ぶ+文化背景を知る。
  • 終わりがない。
  • 同じように教えられても何を学ぶかは人によって違う。
  • 目的によって学び方が違う。
  • コミュニケーション力の向上。
  • 情報を得る。異文化理解につながる。
  • 何らかの手段になる。

Q3 英語を教えるとはどういうことをするのか?

  • 英語を好きになってもらう。
  • 4技能
  • 教える人によって変わる。
  • 将来のために英語は必要。英語に触れさせたり、種をまく。
  • 文化背景。
  • 話せる。
  • 文法。
  • 英語と文化


※笹島が考えたこと

Q1 学ぶのと教えるのは相当に違うと思いますので、そんなことをときどき考えることが大切だと思っています。が、次のことばが基本だと私は思っています。

「してみせて、言ってきかせて、させてみよ」
「やってみせ、言ってきかせて、させてみて、 誉めてやらねば人は動かじ」


しかし、これも人によって受け取り方が変わるので、私の受け取り方は、英語で言うと、

'Learn to learn'

をどうやって学習者に身に付くようにするかが、「教えること」と思います。

Q2 「英語を学ぶ」ということは、「学習」ではなく「使えるようになる」と考えています。私は英語学習は嫌いです。英語学習するくらいなら、他のことをします。

Q3 「英語を教える」ということは、生徒が「分かった」「できた」というときが一番喜びを感じるときです。そのために、あれやこれやと可能なかぎり英語をうまく使える環境を作って提供することが大切だと考えています。

いずれにしても、そう簡単に答えが出る問題ではありませんが、考えることが大切だと考えています。


2011年10月13日木曜日

模擬授業の詳細

模擬授業の詳細

やり方:

1 教科書(中学校か高校)を用意してください。
2 教材研究をしてください。
3 グループ(3人)を作ってください。そのグループで授業準備と授業をしてください。
4 教科書のある部分を使って20分間授業をしてください。
5 授業のおおまかな流れは下記のとおりです。が、みなさんの創意工夫を期待します。

1)Warm up Greetings
2) Review
3) Introduction of new materials
    new words and phrases
    key sentences
    grammar points
    practice
4) Reading comprehension
5) Activities
6) Consolidation (wrap up)

※授業の際は、授業するページのコピー、授業案、ワークシートなどを全員に渡るように用意してください。また、教具は各自でお願いします。
※20分という時間は守ってください。早くやめても伸ばしてもダメです。そのために授業案は1時間(50分)として作成してください。授業案の書式は自由です。

6 授業後話し合い(ちょっと)

模擬授業の実施日程(予定)

11月10日 模擬授業
11月17日 模擬授業
11月24日 模擬授業
12月 1日 模擬授業
12月 8日 模擬授業
12月15日 模擬授業
12月22日 模擬授業

1月5日  全体でのふりかえりの会1
1月12日 全体でのふりかえりの会2
1月19日 まとめ レポート提出

※授業の最後のレポート提出(A4 10枚以上)
テーマ:模擬授業を通して考えたこと:どのような授業をしたいか?

2011年10月12日水曜日

はじめに

このブログは、笹島茂が授業のメモの代わりに利用しています。授業に出ている人はときどき参照してください。

ブログアドレス:http://sasaeltjapan.blogspot.com/

活動したこと、教材、課題など

を掲載しておきます。

10月6日は、顔合わせのような内容ですが、提示した中学校1年生の英語の授業をどう教えるかについて考えてもらいました。

実際の授業は、さまざまな制約の中で実施されるし、日々の学習の積み重ねを重視しなければいけません。が、「どう教えるか」というみなさんの発想はとても大切だと思いました。

そこで、特におもしろかったことは、教材内容を重視していることでした。英語を通して何かメッセージを子供に伝えるということだと思います。言い換えれば、教育ということでしょう。

しかし、英語を教えるということは、「英語によるコミュニケーション能力を図る」ことが大きな目標です。学習指導要領(中学校)の記述によれば、「外国語を通じて,言語や文化に対する理解を深め,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成を図り,聞くこと,話すこと,読むこと,書くことなどのコミュニケーション能力の基礎を養う」となっています。英語の授業では、どこまで内容を扱い、どのような知識や技能を指導すればよいのかが、教師の力量にかかっていると思います。

次回は、その点を踏まえて、自分自身の英語学習ということをふりかえってみましょう。
1言語(英語や日本語)について
2言語学習履歴
3なぜ英語教師を目指すのか?
4英語の知識に関して
5英語の技能に関して
6英語授業の印象
7その他

これから考えること:
言語学習理論と実践
授業の構成
教材研究
実際の授業テクニック
など